2023年10月27日金曜日

トレーシー・スパン(Tracy Spann)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ライト級サウスポー。長いジャブ、ストレートで世界挑戦も。エルビス・ペレス戦、ホルヘ・パエス戦、フレディ・ペンドルトン戦(初戦)を紹介します。

トレーシー・スパン(Tracy Spann)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

トレーシー・スパン(アメリカ)

身長175cm:サウスポー

トレーシー・スパン 4R KO エルビス・ペレス

(ライト級戦、1989年)

スパン:右ジャブ、左ストレート、左右フック   

ペレス:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

4R:連打で3度、ペレスがダウン

(感想:ニュージャージー州出身のスパン。不良だったが18歳の時にボクシングを始める。アマチュア時代からパワーで勝負。これまで21戦全勝(16KO)でIBF7位。ペレスはドミニカの選手で、TV映像にテロップに「17勝(15KO)2敗1分」(「BOXREC」の記録とは大きく異なる)。フレディ・ペンドルトンにTKO負け、古豪ソウル・マンビーとドローといった経歴。アトランチックシティでの一戦。パーネル・ウィテカーに似たスタイルのスパン。長いジャブ、左ストレートを伸ばし、振りが大きめの左右フックを連打。接近戦も巧い。ペレスはガードを上げてジャブ、ストレート、そして左フック。勢い良く攻めるスパンに応戦するペレスだが、押され気味のため打ち方がぎこちなくなるシーンも。4R、連打で三度ペレスがダウンしてKO。スパンはやや強引だったような気もするが、相手のパンチを巧くかわしていた。ペレスは再起戦で後のIBF世界J・ウェルター級王者チャールズ・マレーにTKO負け。それがラストファイトとなった。)

 

ホルヘ・パエス 10R 判定 トレーシー・スパン

(ライト級戦、1991年)

スパン:右ジャブ、左ストレート、左右フック   

パエス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:右フックでパエスがダウン

(感想:全勝を続けるスパンはIBF1位。3位のパエス(メキシコ)は元IBF・WBO世界フェザー級王者で、これまで36勝(26KO)3敗4分。共にテクニックで勝負するタイプ。どんな内容となるか? カリフォルニア州サクラメント「アルコ・アリーナ」での一戦(リングサイドで世界王者になる前の平仲明信が観戦)。ヘンな髪型に派手なトランクスのパエスがゴング前にバク転を披露。試合。スパンがジャブ、そして連打、ボディ攻撃。パエスはパンチを当てる巧さがあり、1Rから右ストレート、左フックをヒットさせる。3R、打ち合いの中、右フックでパエスがダウン。その後は接近戦での打ち合い。攻めるパエス。振りが大きいパンチを使いすぎて疲れたか、スパンは距離を取ろうとし、打たれて後退するシーンも。6Rに相手をグローブで押す反則で減点されたパエスだが、7Rにスパンをおちょくるパフォーマンス。最終ラウンド終了。共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は2-0。パエスが逆転勝利。スパンは判定のコールにウンザリした表情だったが、クリーンヒットされるシーンが多かった。勝ったパエスは次の試合でパーネル・ウィテカーが持つ世界ライト級王座に挑戦したが判定負け。その後も多くの試合をこなしたが、意外なことに世界王座獲得はフェザー級のみにとどまった。) 


フレディ・ペンドルトン 2R 引分 トレーシー・スパン

(IBF世界ライト級王座決定戦、1992年)

スパン:右ジャブ、左ストレート、左右フック   

ペンドルトン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:ワンツーでペンドルトンがダウン

(感想:IBF1位のペンドルトン、2位のスパンによる王座決定戦。ペンドルトンはベテラン。負けながらも「戦いのコツ」をつかんで実力を上げてきた男。パーネル・ウィテカーの世界ライト級王座に挑戦して判定負けしたことがあり、これが二度目の世界挑戦。スパンはパエスに負けてしまったが、決定戦出場のチャンスを得た。ネバダ州リノでの一戦。1R、いつものように積極的に攻めるスパン。ベテランのペンドルトンは距離を取ってジャブ。ワンツー(右ジャブからの左ストレート)でペンドルトンがダウン。次第に体勢を立て直すペンドルトン。互いにジャブ、ストレート、接近戦での打ち合い。2R、ペンドルトンが攻めたところ、バッティングで右マブタを負傷。キズにより試合終了、引き分け。テンポが速い攻防の試合によくあるアクシデント。どちらが悪い、というものではなかった。スパンはダウンを奪ったが、その後はペンドルトンがジャブ、ストレートで盛り返していた。そのまま試合が続いていたとしても、どちらが勝つか最後までわからない展開になっていたに違いない。スパンの次の試合は再びペンドルトンとの王座決定戦(アトランチックシティでのダイレクト・リマッチ)。3-0でペンドルトンが王者に。ウィテカーに似たスタイルだったスパン。ペンドルトンはウィテカーに負けている。スパンはなぜペンドルトンに勝てなかったのだろう? スパンは次の試合にも敗北して二連敗、引退。ウィテカーはナチュラルなテクニック&パワー。スパンは力んだところがあった。その差だと思われる。) 

①「Lightweight 

Tracy Spann vs. Elvis Perez」

②「Lightweight 

Tracy Spann vs. Jorge Paez」

③「vacant IBF World Lightweight Title 

Freddie Pendleton vs. Tracy Spann」

ホルヘ・パエス(Jorge "El Maromero" Páez)のページ

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フレディ・ペンドルトン(Freddie Pendleton)のページ 

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