IBF世界ライトフライ級王者。細かい連打で番狂わせ。マイケル・カルバハル戦、マヌエル・ヘスス・エレラ戦、ジョニー・ゴンサレス戦を紹介します。
マウリシオ・パストラナ(コロンビア)
身長165cm:オーソドックス(右構え)
①マウリシオ・パストラナ 12R 判定 マイケル・カルバハル
(IBF世界J・フライ級タイトル戦、1997年)
パストラナ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
カルバハル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:パストラナがタイトル獲得。パストラナはコロンビア・モンテリア出身の黒人で、これまで15戦全勝(13KO)、IBF1位。直前の試合ではIBFの地域王座(J・フライ級)を獲得。「コロンビアのボクサー」といえばスリムなボクサータイプがイメージされるが、パストラナは小柄でちょこちょこ手数を出すタイプで、スタイリッシュな戦い方をする選手ではない。王者カルバハルは「小さな石の拳」と呼ばれるハードパンチャーで、44勝(29KO)2敗。ウンベルト・ゴンザレスとの「100万ドルマッチ」で有名。ラスベガス「Thomas & Mack Center」での一戦(レフェリーはリチャード・スティール)。ジャブ、右ストレート、接近して左ボディフックのカルバハル。パストラナは足で距離を取ってディフェンスしながらジャブ、連打(右ストレートからの左ジャブ、ほか)。3R、右フックを食ったカルバハルは足がもつれて後退。その後も連打するパストラナ。カルバハルは一発一発にパワーを込めるため、手数で劣勢。12R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。パストラナの手数が評価されたか。番狂わせではあるが、カルバハルはいまいち気合いが入っていなかったように見えた。力んで手数が少なくなってしまうカルバハルの特徴をうまく利用したパストラナの作戦勝ちといったところ。)
②マウリシオ・パストラナ 3R KO マヌエル・ヘスス・エレラ
(IBF世界ライトフライ級タイトル戦、1997年)
パストラナ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
エレラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:右ショートでエレラがダウン
3R:連打で2度、エレラがダウン
(感想:パストラナがタイトル初防衛。挑戦者エレラ(ドミニカ)は過去、数度の世界挑戦の経験。フロリダ州ポンパノビーチでの一戦。共にジャブ。攻める姿勢のパストラナは右ストレート、左フックにパワーを込める。ボクサータイプのエレラは右ストレートを狙う。2R、右でエレラがダウン。3R、連打で二度のダウンでKO。一気に仕留めたパストラナ。体全体のパワーで圧勝。攻め方はそんなに巧いようには見えないが、見た目以上にパワーがあるようだ。エレラはこれが最後の世界挑戦となった。)
③アダン・バルガス 12R 判定 マウリシオ・パストラナ
(北米バンタム級タイトル戦、2000年)
パストラナ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
バルガス:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:バルガスがタイトル防衛。エレラ戦後、カルロス・ムリージョらを相手にIBF王座の防衛戦を行ったパストラナだが、減量苦で王座剥奪、階級アップ。WBA世界フライ級暫定王座、IBOスーパーフライ級王座を獲得したが、IBAバンタム級王座決定戦で3-0の敗北、初黒星。これまで27勝(16KO)1敗。再起戦は北米王座へのチャレンジ。王者バルガスはメキシコ・クアヒマルパ出身で、33勝(22KO)2敗1分。1992年デビュー。キャリア初期にKO負けを喫したが、メキシコ王座、北米王座(いずれもバンタム級)を獲得。ウィラポンのWBC 世界バンタム級王座に挑戦して判定負け。その再起戦でパストラナと防衛戦。ラスベガスでの一戦(レフェリーはケニー・ベイレス)。サウスポーのバルガスはボクサータイプ。相手から距離を取って右ジャブ、左ストレートからの右フック。ガードを固め、細かいパンチを使う地味なボクシング。小柄なパストラナは接近して右パンチを打ち込むが単発で、攻撃をブロックされがち。7R、パストラナの右パンチがヒット。その後、時折右を当てるパストラナ、手数で勝負するバルガス。12R、互いに連打(最終ラウンドだけ激しく打ち合う選手がいるが、そんなに連打できるのなら最初からやってほしいところ。最後だけやたら頑張られても「省エネ」にしか見えない)。判定は2-1(三者とも「115-113」。ダウンシーンは無し)。もう一つだった試合。パストラナは単発、バルガスはパワー不足。7Rのパストラナの右パンチが見せ場だった。その後のバルガス。ホルヘ・エリセール・フリオらを相手に北米王座を防衛したが、エイディ・モヤとのIBAバンタム級王座決定戦、ティム・オースティンとのIBF世界バンタム級王座戦でKO負け。世界王者にはなれなかった。)
④ジョニー・ゴンサレス 4R TKO マウリシオ・パストラナ
(バンタム級戦、2008年)
パストラナ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ゴンサレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:左フックでパストラナがダウン
(感想:バルガス戦後、IBAスーパーフライ級、バンタム級王座を獲得したパストラナだが、ラファエル・マルケスに二連敗するなど勝ったり負けたりに(階級を上げ、体格差で苦戦)。セレスティーノ・カバジェロの WBA世界スーパーバンタム級王座に挑戦してTKO負け。すっかりベテランになり、これまで34勝(23KO)8敗2分。再起戦の相手は危険な男。ゴンサレス(メキシコ)は元WBO世界バンタム級王者。37勝(31KO)6敗のハードパンチャー。カリフォルニア州カバゾンでの一戦。なかなか力強いパストラナ。ジャブで前進し、右ストレートをヒットさせる。ゴンサレスは距離を取ってジャブ、そして左ボディフック。接近戦。左フックを中心に連打をまとめるゴンサレス。4R、右ストレートを食って後退したパストラナが左フックでダウン。立ったが、連打されてレフェリーストップ。パストラナは相手の攻撃をブロックしており、まだ続行できそうな感じもしたが、速い連打でゴンサレスが試合を終わらせた。結果は妥当なところだったかもしれないが、パストラナはパワーがあった(底力)。その後の二人。ゴンサレスは日本で長谷川穂積をぶっ飛ばしてWBC世界フェザー級王座を獲得するなど猛打を振るい続けた。パストラナは敗北が増えていき、獲得したメジャー団体の世界王座はIBF世界ライトフライ級王座、WBA世界フライ級暫定王座。階級を上げてからはIBOやIBAといったマイナー団体の王座を獲得する路線。元々はJ・フライ級だったパストラナ。(体格的にはクルーザー級でありながらヘビー級で王座を目指した)バート・クーパーのような「根性の男」だった。)
①「IBF World Light Flyweight Title
Michael Carbajal vs. Mauricio Pastrana」
②「IBF World Light Flyweight Title
Mauricio Pastrana vs. Manuel Jesus Herrera」
③「NABF Bantamweightweight Title
Adan Vargas vs. Mauricio Pastrana」
④「Bantamweight
Mauricio Pastrana vs. Jhonny Gonzalez」
マイケル・カルバハル(Michael Carbajal)のページ
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ジョニー・ゴンザレス(Jhonny Gonzalez)のページ
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