2020年1月19日日曜日

マイケル・カルバハル(Michael Carbajal)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

「小さな石の拳」マイケル・カルバハル。ムアンチャイ・キティカセム戦、ウンベルト・ゴンザレス戦、金光善戦を紹介します。

マイケル・カルバハル(Michael Carbajal)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

マイケル・カルバハル(アメリカ)
身長166cm:オーソドックス(右構え)

マイケル・カルバハル 7R KO ムアンチャイ・キティカセム
(IBF世界J・フライ級タイトル戦、1990年)
カルバハル:左ジャブと左フック
ムアンチャイ:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
4R:左フック、右ストレートで2度、ムアンチャイがダウン
6R:右ストレートでムアンチャイがダウン
7R:左アッパーでムアンチャイがダウン
(感想:カルバハルがタイトル獲得。アリゾナ州フェニックス出身のカルバハル。ニックネームは「Manitas De Piedra(小さな石の拳)」。あのロベルト・デュランを意識したものだが、「石の拳」というよりも、倒す姿勢で攻めて結果的にKO勝ちするタイプ。ソウルオリンピック(1988年)ではライトフライ級で銀メダル獲得。ボブ・アラムの「トップランク社」のバックアップでプロデビュー。デビュー戦の相手はウィル・グリッグスピー(後、IBF世界J・フライ王者に)。これまで全勝。目標は「四階級制覇」とのこと。王者ムアンチャイはタイの強打者(後、WBC世界フライ級王座を獲得して二階級制覇)。王座を獲った試合は微妙な判定だったが、三度の防衛に成功。ジャブ、ストレートをビシビシ相手に叩き込むソット・チタラダに似たタイプ。カルバハルの地元フェニックスで行われたハードパンチャー対決。速いジャブを飛ばすムアンチャイだが、カルバハルが優勢。打たれ弱いムアンチャイは何度もダウンし、打ちのめされた。フィニッシュとなった7RのKOパンチはなかなか衝撃的だった。)

マイケル・カルバハル 7R KO ウンベルト・ゴンザレス
(WBC・IBF世界J・フライ級タイトル統一戦、1993年)
カルバハル:左ジャブと左フック
ゴンザレス:左右フック
(ダウンシーン)
2R:左ストレートでカルバハルがダウン
5R:右フックでカルバハルがダウン
7R:左フックでゴンザレスがダウン
(感想:カルバハルがタイトル統一。「トップランク社」が売り出すカルバハル。ボブ・アラムによると「カルバハルは軽量級初の100万ドル選手になる」とのこと(「ファイトマネーを100万ドルもらう人気選手になる」の意)。しかしながら、これまで全勝だが、100万ドルをもらえるような対戦相手はいなかった。最後に残った実力派がゴンザレス。かつて両者の対戦が実現しかけたこともあったようだが、ゴンザレスがローランド・パスクワという無名選手にKOされて、実現せず。ゴンザレスが王座を奪回し、ようやく対戦が決まった。IBF王者カルバハルとWBC王者ゴンザレスの統一戦。場所はラスベガス。ゴンザレスはサウスポー。オーソドックスにスイッチしたりしながら器用に強打をまとめ、左右フックで圧力をかける。カルバハルは左ジャブと左フックで迎え撃つ形。2R、5Rにカルバハルがダウン。このままゴンザレスが押し切るのか、と思われたが、7R、左フックが効いてグラついたゴンザレス。フィニッシュも左フック。カルバハルが逆転でタイトル統一。ダウンシーンが衝撃的だったライバル対決の初戦。しかし、二戦目、三戦目はゴンザレスが勝ちに徹する戦い方で判定勝ち。カルバハルはハードパンチャーだが直線的な動きが多いため、パンチをもらってしまったり、倒せる(と思われた)相手にも判定まで行くことがよくあった。)

マイケル・カルバハル 7R KO 金光善
(WBC・IBF世界J・フライ級タイトル戦、1993年)
カルバハル:左ジャブと左右フック
金:左ジャブ、左フック
(ダウンシーン)
7R:左フックで金がダウン
(感想:カルバハルがタイトル防衛。統一王座の初防衛戦。金はソウルオリンピック、フライ級金メダリスト。ウンベルト・ゴンザレスが王者だったときにWBC王座に挑戦してTKO負け。これが二度目の世界挑戦だが、プロでは試合数が少ない(7戦)のが気になるところ。ラスベガスで行われたメダリスト対決。金が細かいパンチで前に出る。カルバハルは長いジャブ、ストレートとパワーを込めた左右フックで迎え撃つ。パンチの振りが大きい分、見た目ではカルバハルの方が優勢。7R、左フックで金が前のめりにダウン、KO。パワーと体格の差でKO決着。金は金メダリストだが「スペシャルな強さ」はTV映像で観た感じではあまり感じられなかった。その後もカルバハルは防衛を続けたが、ゴンザレスとの二戦目、三戦目に敗北。リングに上がり続けたが、その戦い方の隙を突かれるような形で敗北することも。最後の試合は1999年7月31日。ホルヘ・アルセの持つWBO世界J・フライ級王座に挑戦してTKO勝ち。王座を返上して引退。引退後は兄弟に預金を横領されて失意の日々を送っていたが、ジムを経営し、若手の指導に精を出している。)

①「IBF World Light Flyweight Title
Muangchai Kittikasem vs. Michael Carbajal」
②「WBC・IBF World Light Flyweight Title
Humberto Gonzalez vs. Michael Carbajal」
③「WBC・IBF World Light Flyweight Title
Michael Carbajal vs. Kwang Sun Kim」

ムアンチャイ・キティカセム(Muangchai Kittikasem)のページ
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ウンベルト・ゴンザレス(Humberto "Chiquita" Gonzalez)のページ

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