2020年1月23日木曜日

ムアンチャイ・キティカセム(Muangchai Kittikasem)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

タイのハードパンチャー、ムアンチャイ。タシー・マカロス戦、ソット・チタラダ戦(初戦)、張正九戦を紹介します。

ムアンチャイ・キティカセム(Muangchai Kittikasem)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ムアンチャイ・キティカセム(タイ)
身長163cm:オーソドックス(右構え)

ムアンチャイ・キティカセム 12R 判定 タシー・マカロス
(IBF世界J・フライ級タイトル戦、1989年)
ムアンチャイ:左ジャブと右ストレート
マカロス:左ジャブと左右フック
(感想:ムアンチャイがタイトル獲得。ムアンチャイは元ムエタイ選手。戦うことに慣れているため、プロボクシングに転向した七戦目でこの王座戦。王者マカロスはフィリピン人。崔漸煥(後、WBC世界ストロー級王者として来日。大橋秀行の挑戦を受けた)から奪った王座の初防衛戦。バンコクで行われた一戦。スピードがあり、手数も多い者同士の対決。ムアンチャイは速いジャブ、ストレート。マカロスのパンチは振りは大きいがキレと迫力がある。ジャブと左右フックで前に出るマカロス、ジャブと右ストレートで迎え撃つムアンチャイ、といった展開。ムアンチャイは11Rには右ストレートを喰って後退するなど、全般的に押され気味の印象。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。ジャブが評価されたのか、ムアンチャイがタイトル獲得。最終ラウンド終了時にムアンチャイは両手を上げて自身の勝利をアピールしていたが、映像ではマカロスが勝ったように見えた。この両者は後に再戦。TKOでムアンチャイが王座防衛。)

ムアンチャイ・キティカセム 6R TKO ソット・チタラダ
(WBC世界フライ級タイトル戦、1991年)
ムアンチャイ:左ジャブと右ストレート
ソット:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
1R:連打でソットがロープダウン
5R:右ストレートでソットがダウン
(感想:ムアンチャイが二階級制覇。マイケル・カルバハルに敵地でKOされてIBF世界J・フライ級王座を奪われたムアンチャイ。元々、減量がキツかったということで階級を上げてソットに挑戦。ソットはベテラン。張正九のWBC世界J・フライ級王座に挑戦して負けたが良い試合をしたと認められ、その後WBC世界フライ級タイトルを獲得、防衛(日本でも防衛成功)。一度王座を奪われたが奪回。ムアンチャイ戦は奪回した王座の五度目の防衛戦となる。互いにジャブ、ストレートを得意とする同国人同士の対決。似たようなスタイルの場合、「経験」が勝つのか、「若さと勢い」が勝つのか、といった感じになるが、この試合は「若さと勢い」だった。1R、左フックからの連打でソットがロープダウンを取られ、5Rには右ストレートでダウン。最後は連打で滅多打ち。王座移動。ソットは若い頃の自分に打たれているような気がしたのではないか? ムアンチャイは得意のジャブ、ストレートに加え、フックとアッパーも強く、攻撃のバリエーションが増えたように見えた。)

ムアンチャイ・キティカセム 12R TKO 張正九
(WBC世界フライ級タイトル戦、1991年)
ムアンチャイ:左ジャブと右ストレート
張:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
5R:左フック、右アッパーで2度、ムアンチャイがダウン
11R:右ストレートでムアンチャイがダウン
12R:右ストレート、左フックで2度、張がダウン
(感想:ムアンチャイがタイトル防衛。張は説明不要な有名選手。WBC世界J・フライ級王座を15連続防衛。個人的なトラブルから王座返上。王座奪回を狙ってウンベルト・ゴンザレスに挑戦したが判定負け。階級を上げてソット・チタラダのWBC世界フライ級タイトルに挑戦したが、これも判定負け。ソットに負けた再起戦でムアンチャイに挑戦(元王者とはいえ、こんなにチャンスを与えられるとは、という気もする)。ムアンチャイはジャブ、ストレートのキレイなボクシング。張は変則的なスタイル。ガチャガチャした攻撃はスタミナがあった若い頃ならともかく、いったん引退してカムバックした選手にはキツイ戦い方。6Rにはムアンチャイに突き飛ばされて尻餅をつくなど、スタミナ不足が感じられる。打たれ弱いムアンチャイはダウンするが、その度に回復。12R、左フックが効いた張。強烈な右ストレートでダウン。さらにダウン、レフェリーストップ。ダウン応酬となったフライ級史上に残る逆転KO。世界戦であること、相手が名のある選手だったこと、その内容からして、この試合がおそらくムアンチャイのベストファイト。その後、ムアンチャイは日本でユーリ・アルバチャコフにKO負け、王座陥落。再戦でも敗北。試合数が少な目のキャリアだったが、強い選手との対戦が多い。彼によると一番強かったのはマイケル・カルバハルだそうだ。)

①「IBF World Light Flyweight Title
Tacy Macalos vs. Muangchai Kittikasem」
②「WBC World Flyweight Title
Sot Chitalada vs. Muangchai Kittikasem」
③「WBC World Flyweight Title
Muangchai Kittikasem vs. Jung Koo Chang」

マイケル・カルバハル(Michael Carbajal)のページ
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ソット・チタラダ(Sot Chitalada)のページ
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張正九(Jung Koo Chang)のページ

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