2023年5月17日水曜日

辺丁一(ピョン・ジョンイル、Jung-Il Byun)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界バンタム級王者。ソウルオリンピック出場。左ストレートが武器。ビクトル・ラバナレス戦、薬師寺保栄戦(初戦・再戦)ほかを紹介します。

辺丁一(ピョン・ジョンイル、Jung-Il Byun)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

辺丁一(韓国)

身長168cm:サウスポー

辺丁一 12R 判定 ビクトル・ラバナレス

(WBC世界バンタム級タイトル戦、1993年)

辺:右ジャブ、左ストレート、左右フック

ラバナレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:辺がタイトル獲得。WBC7位の辺はソウルオリンピック(1988年)で「座り込み抗議」をした男として知られている。アマチュアで好成績。プロ入り後はプロ向きのスタイルに。J・バンタム級だったが階級を上げ、地元で難敵ラバナレスに挑戦。プロで実力を証明できるか、といったところ。王者ラバナレス(メキシコ)は辰吉丈一郎との試合で有名なラフ男。これが五度目の防衛戦。直前の試合ではダドイ・アンデュハルを激戦の末、判定でしりぞけた。韓国での一戦。ジャブ、左右フックを使うラバナレス。辺はディフェンスしながらジャブ、ストレート、右フック。パンチの振りが大きいラバナレス、丁寧な辺。判定は3-0。辺の左パンチとディフェンスが評価されたか。ダウンシーンは無し。ラバナレスのような「強打されても倒れないタフ男」とは打ち合うべきではない。接近戦でも辺は打ち合わず、ディフェンスしながら正確にパンチをヒットさせていた。ラバナレスは10Rに右フックを決めるなどしたが、やはりパンチを粗く振り回すボクシングでは限界があった。その後もラバナレスはリングに上がり続け、世界挑戦もしたが王座に返り咲くことはなかった。)

辺丁一 12R 判定 ホセフィノ・スアレス
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1993年)
辺:右ジャブ、左ストレート、左右フック
スアレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:左ストレートでスアレスがダウン
(感想:辺がタイトル初防衛。WBC7位の挑戦者スアレスはメキシカン。ラバナレスが失った王座をメキシコに取り戻すのが任務。マルコ・アントニオ・バレラに敗北するなど中堅どころだが、世界を目指すホセ・ルイス・ブエノを破ってWBC米大陸王座(J・バンタム級)獲得。防衛にも成功してこの世界挑戦のチャンスを得た。ソウルでの一戦(レフェリーはリチャード・スティール)。動きのスピードがそれほどないスアレス。辺が左ストレートで早くもダウンを奪う。その後、辺は右ジャブ、左ストレート、ディフェンス。丁寧に相手を捌く。接近戦。互いにフック、ボディ打ち。辺は時折オーソドックスにチェンジ。スアレスは接近戦で連打するがディフェンスされ、攻められて下がったり、クリンチしたりするシーンも。12R終了。判定は3-0(ほぼフルマーク)。辺がディフェンス&当てるテクニックで勝利。ラバナレスを破った辺にとってスピード感のないスアレスは難しい相手ではなかった。スアレスはタフさを見せたが、全般的に足りないところが(スピード、パワー、畳み掛けるような攻め、など)。その後もスアレスは米大陸王座を防衛。しかし、薬師寺保栄のWBC世界バンタム級王座に挑戦してKO負け。その再起戦をハワイで行い、辰吉丈一郎にKO負け。五連敗でキャリアを終えた。)

薬師寺保栄 12R 判定 辺丁一
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1993年)
辺:右ジャブ、左ストレート、左右フック
薬師寺:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:薬師寺がタイトル獲得。これまで10戦全勝(4KO)の辺が二度目の防衛戦。WBC3位の薬師寺は名古屋の選手で、19勝(14KO)2敗1分。名古屋での一戦。辺がゴング前に笑顔を見せる。1R、ジャブ、ストレートで積極的に手数を出す薬師寺。辺は左ストレートでカウンター。右フックで辺がグラつく。その後、共にストレート狙い。薬師寺がジャブ、辺は細かい連打。12R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。薬師寺はジャブを使うなど攻める姿勢を見せたが、パンチを当てるテクニックは辺の方があったように映像では見えた。共に一撃で相手を仕留めるようなパワーファイターではなかったため、ジャッジも採点に迷うラウンドが多かったと思われる。ということでダイレクト・リマッチが行われることに。)

薬師寺保栄 11R TKO 辺丁一
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1994年)
辺:ジャブ、ストレート、左右フック
薬師寺:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:左フックで辺がダウン
3R:右ストレートで辺がダウン
10R:左フックで辺がダウン
11R:右ストレート、連打で2度、辺がダウン
(感想:薬師寺がタイトル防衛。再戦は再び名古屋で(リングサイドで辰吉が観戦)。WBC2位の辺。今回はチャレンジャーということで攻める姿勢。しかし1Rにジャブを打たれて後退し、左フックでダウン。3R、今度は右ストレートでダウン。辺はオーソドックスにチェンジして前進。薬師寺はディフェンスしながらコンビネーション(ジャブ、ストレート、左ボディ)。5R、辺が連打するが、薬師寺は逆に挑発。接近戦では辺が当てる巧さを見せる。10R、左フックで辺がダウン。11R、二度のダウン。辺のセコンドが棄権を申し入れて試合終了。どうやら1Rで試合の流れが決まったもよう。ディフェンスしながら手堅いボクシングをするのが辺のパターンだが、攻めたところを打たれて焦ったようだ。辺はこれで引退。薬師寺はこの後、辰吉と決着戦を行い、勝利。)

①「WBC World Bantamweight Title 
Victor Rabanales vs. Jung-Il Byun」
②「WBC World Bantamweight Title 
Jung-Il Byun vs. Josefino Suarez」
③「WBC World Bantamweight Title 
Jung-Il Byun vs. Yakushiji Yasuei」
④「WBC World Bantamweight Title 
Yakushiji Yasuei vs. Jung-Il Byun」

ビクトル・ラバナレス(Victor Rabanales)のページ 

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