2023年5月5日金曜日

ダニエル・サントス(Daniel Santos)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

プエルトリコの二冠王。ジョバンニ・パリージ戦、ルイス・ラモン・カンパス戦、アントニオ・マルガリート戦(再戦)ほかを紹介します。

ダニエル・サントス(Daniel Santos)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ダニエル・サントス(プエルトリコ)

身長182cm:サウスポー


ダニエル・サントス 4R TKO ジョバンニ・パリージ

(WBO世界ウェルター級タイトル戦、2000年)

サントス:右ジャブ、左ストレート、右フック

パリージ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

4R:左ショート、左ストレートで2度、パリージがダウン

(感想:サントスがタイトル防衛。アマチュアでの実績を引っさげてプロ入りしたサントス(アトランタ・オリンピックではウェルター級で銅メダル獲得)。アップライトスタイルのサウスポーで、ドイツのヘンリー・マスケ(世界L・ヘビー級王者)のようなディフェンシブなタイプ。デビュー以来、無敗だったがTKOで初黒星。初の世界挑戦は2-1で敗北。ダイレクト・リマッチでKO勝ちして世界王座に。パリージ戦は初防衛戦となる。イタリアの挑戦者パリージは人気者。WBOの世界ライト級王座、世界ジュニアウェルター級王座を獲得したことがある。イタリアのレッジョディ・カラブリアでの一戦。サントスがガードを上げ、慎重に距離を取ってジャブ。パリージは左のガードを下げてジャブ、ストレート。接近戦ではガチャガチャした打ち合い、クリンチ。4R、パリージが攻めたところ左ショートがカウンターとなってダウン。左ストレートで再びダウン。立ったが、ロープ際での連打でレフェリーストップ。パリージはダメージ深く、ストップ後に倒れてしまった。サントスが連打で快勝。攻めるときに迫力があった。しかしながら、接近戦はあまり器用ではなさそう。距離を取ると強いタイプ。パリージはこれが最後の世界戦となった。)


ダニエル・サントス 11R TKO ルイス・ラモン・カンパス

(WBO世界ジュニアミドル級王座決定戦、2002年)

サントス:右ジャブ、左ストレート、左右フック

カンパス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:サントスが二階級制覇。これまで24勝(19KO)2敗1分1ノーコンテストで、WBO1位のサントス。階級を上げて元IBF世界ジュニアミドル級王者ルイス・ラモン・カンパス(メキシコ。「ヨリボーイ・カンパス」とも呼ばれる)と決定戦。カンパスは79勝(67KO)4敗。左フックが得意な典型的なメキシカン。ラスベガスでの一戦(レフェリーはジョー・コルテス)。右ストレート、左フック狙いで前に出るカンパス。サントスは下がったりしながらジャブ、ストレートでカウンターを取り、打つときはまとめて連打。8R、カンパスの左フックがヒットしてサントスがピンチに。11R、カンパスがマブタのキズにより棄権、TKO(ダウンシーンは無し)。試合自体は、サントスのカウンター狙いにカンパスが巧く攻め込めない、といったもどかしい内容。「(サントスのような)ディフェンシブな姿勢でポイントを取っていくタイプの選手」を攻略するにはどうしたらいいか、を考える研究材料になりそうな映像であった。その後、カンパスは多くの試合。WBA・WBC世界スーパーウェルター級王者オスカー・デラ・ホーヤに挑戦してTKO負けを喫したが、マイナー王座を獲得するなど精力的にリングに上がり続けた。)


ダニエル・サントス 12R 判定 フルヘンシオ・スニガ

(WBO世界ジュニアミドル級タイトル戦、2003年)

サントス:右ジャブ、左ストレート、左右フック

スニガ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:サントスがタイトル防衛。二度目の防衛戦。挑戦者スニガはコロンビアの黒人。これまで11戦全勝で、全てKO勝ち。ただし、これまでの試合は全て地元。どんな強打者なのか? プエルトリコ・バヤモンでの一戦。左右の構えは違うが、互いにジャブ、ストレート、接近してフック連打。スニガは振りが大きめのフックを使って勢いで攻めるタイプ。そのため攻撃をブロックされ、接近戦ではクリンチされてしまう。サントスがブロックしながらワンツー、フック連打でポイント。スニガの右ストレート、左フックが時折ヒット。12R終了。判定は大差の3-0(ダウンシーンは無し)。サントスがサウスポーのテクニックで勝利。強打者には「テクニックで倒すタイプ」と「勢いで倒しに行くタイプ」に分かれると思うが、スニガは勢いで勝負する男。正確さに欠けるフックをブロックされるシーンが多かった。その後、スニガはIBA王座(ミドル級)、IBO王座(スーパーミドル級)を獲得できたが、WBO王座(スーパーミドル級)、IBF王座(スーパーミドル級、ライトヘビー級)は獲れず。マイナー王者にとどまった。)


ダニエル・サントス 10R 負傷判定 アントニオ・マルガリート

(WBO世界ジュニアミドル級タイトル戦、2004年)

サントス:右ジャブ、左ストレート、右フック

マルガリート:ジャブ、ストレート、左右フック

(感想:サントスがタイトル防衛。挑戦者マルガリート(メキシコ)はこれまで30勝(21KO)3敗。WBO世界ウェルター級王座を保持したままサントスに挑戦。王者サントスは以前にもマルガリートとWBO世界ウェルター級王座を懸けて対戦したことがあるが、偶然のバッティングで無効試合に(サントスがタイトル防衛)。プエルトリコでの再戦。共にサウスポーで似たようなスタイル。マルガリートがジャブ、ストレートで攻め、サントスがカウンター。オースドックス(右構え)にスイッチするマルガリートは接近して連打。5R、右フックがヒットしてサントスがピンチに。6R、バッティングによりマルガリートが右マブタを負傷し、ドクターチェック。10R開始早々、ドクターチェックで試合終了。2-1の負傷判定によりサントスが防衛(ダウンシーンは無し)。映像ではマルガリートが押し気味に見えたが、サントスの細かいパンチが評価されたようだ。その後の二人。マルガリートはWBO世界ウェルター級王座を防衛。王座陥落後、IBF世界ウェルター級王者に。サントスは次の試合で王座陥落。その後、WBA王者になったが初防衛戦で敗北し、それが最後の試合に。「プエルトリコの選手」と言えばウィルフレド・ゴメス、フェリックス・トリニダードといった好戦的な選手を思い出すが、サントスはディフェンシブなサウスポー。ハッキリ言ってエキサイティングな選手ではない。世界的な選手の映像を当たり前のように見ることができるようになった現在、「自分がやりたい戦い方」を映像などを参考にして自分で選べる時代になった。サントスはなぜそのスタイルを選んだのだろう? 世界王者になれたが、人気の方はどうだったか?)

ダニエル・サントス(Daniel Santos)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

①「WBO World Welterweight Title 

Daniel Santos vs. Giovanni Parisi」

②「vacant WBO World Super Welterweight Title 

Daniel Santos vs. Luis Ramon Campas」

③「WBO World Super Welterweight Title 

Daniel Santos vs. Fulgencio Zuniga」

④「WBO World Super Welterweight Title 

Daniel Santos vs. Antonio Margarito」


ジョバンニ・パリージ(Giovanni Parisi)のページ

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ルイス・ラモン・カンパス(Luis Ramón Campas)のページ 

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