東洋太平洋スーパーバンタム級王者。三度の世界挑戦。ムアンチャイ戦、オスカー・ラリオス戦(初戦)、マヤル・モンシプール戦を紹介します。
仲里繁(日本・沖縄)
身長164cm:オースドックス(右構え)
①仲里繁 5R TKO ムアンチャイ・キティカセム
(スーパーバンタム級戦、1999年)
仲里:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ムアンチャイ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:仲里はこれまで15勝(10KO)2敗。1996年度全日本バンタム級新人王。ムアンチャイは元IBF世界J・フライ級、WBC世界フライ級王者で、マイケル・カルバハル、ソット・チタラダ、張正九、ユーリ・アルバチャコフらとの試合で日本でもおなじみ。共にジャブ、右ストレート、左フック。ジャブ、コンビネーションで攻める仲里。ムアンチャイはワンツー(ジャブ、右ストレート)を力を込めて打つが、昔のようなキレは無い。5R開始のゴング。戦う意思を見せないムアンチャイが棄権。特に打たれたわけではなかったが、これ以上やっても勝てないと判断したか。ダウンシーンは無し。消化不良な勝ち方となった仲里だが、左フックには鋭さがあった。ムアンチャイはこれで引退。)
②オスカー・ラリオス 12R 判定 仲里繁
(WBC世界スーパーバンタム級タイトル戦、2003年)
仲里:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ラリオス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
5R:連打で2度、仲里がダウン
(感想:ラリオスがタイトル防衛。西岡利晃、仲宣明に敗れて日本バンタム級王座を獲得できなかった仲里。東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得・防衛し、この初の世界挑戦。両国国技館で行われた試合。TV解説は沖縄出身の浜田剛史、リングサイドに平仲明信。王者ラリオス(メキシコ) はゴツいパンチをガンガン飛ばす豪打の男。足を使いながらジャブを打ち、右ストレートからの左フックは実にパワフル。仲里は力強い右ストレート、左フックを打つが、ラリオスはパンチをかわすのが巧い。5R、強烈な左フックからの連打で仲里がダウン(ただし、レフェリーはこれをスリップ扱い)。さらに猛烈な連打を浴びて、今度はカウントを取られるダウン。その後、反撃する仲里(6R、8R、11Rほか)、ラリオスはジャブ。判定は3-0。ラリオスのジャブ、コンビネーションが評価されたか。あの豪打のラリオスを追い込む健闘を見せた仲里。普通の選手だったら5Rで仕留められていたはず。ジャブをもっと出していたら勝てたかもしれない(非常にもったいない敗北)。再戦もラリオスの判定勝ち(3-0)。)
③マヤル・モンシプール 6R KO 仲里繁
(WBA世界スーパーバンタム級タイトル戦、2005年)
仲里:左ジャブ、右ストレート、左右フック
モンシプール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
6R:右フックで仲里がダウン
(感想:モンシプールがタイトル防衛。フランスで行われた試合。仲里のトランクスには「琉球」の文字。王者モンシプール(フランス)はこれまで26勝(17KO)2敗2分のファイター。ガードを上げてひたすら前進し、フック連打で攻めるタイプ。そんなモンシプールに仲里が先制攻撃。1Rから接近戦。しかし、2R、仲里が連打を浴びて後退。ガードが固いモンシプールが仲里のディフェンスの隙を突く。6R、右フックで仲里がゆっくりとダウン。立てず、KO。ディフェンスの差が出た。これが最後の試合となった仲里。世界を獲れるだけのパンチを持っていたが、足りないものもあった。近代ボクシングでは特にディフェンスのテクニックが向上し、世界戦もディフェンシブな内容のものが多くなっている。世界を獲るには仲里のようなファイタータイプもディフェンスを身につけ、一発で倒せるようなパワーが必要。)
①「Super Bantamweight
Nakazato Shigeru vs. Muangchai Kittikasem」
②「WBC World Super Bantamweight Title
Oscar Larios vs. Nakazato Shigeru」
③「WBA World Super Bantamweight Title
Mahyar Monshipour vs. Nakazato Shigeru」
ムアンチャイ・キティカセム(Muangchai Kittikasem)のページ
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オスカー・ラリオス(Oscar Larios)のページ
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マヤル・モンシプール(Mahyar Monshipour)のページ
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