WBA世界スーパーバンタム級王者。精力的なファイター。サリム・メジクンヌ戦(初戦)、ヨーダムロン戦、ソムサック戦を紹介します。
マヤル・モンシプール(フランス)
身長164cm:オーソドックス(右構え)
①マヤル・モンシプール 12R KO サリム・メジクンヌ
(WBA世界スーパーバンタム級タイトル戦、2003年)
モンシプール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
メジクンヌ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
12R:右フックでメジクンヌがダウン
(感想:モンシプールがタイトル獲得。イランのテヘラン出身のモンシプール。国籍はフランス。これまで22勝(13KO)2敗2分。フランス王座、欧州王座(いずれもスーパーバンタム級)を獲得して、この初の世界挑戦。サウスポーの王者メジクンヌは41勝(21KO)3敗1分。佐藤修に判定勝ちして世界王座を獲得し、これが二度目の防衛戦。フランス・ポアティエの屋外リングで行われたフランス同士の一戦。共に髪を短く刈っており、遠くから見ると似た感じ。1Rからガードを上げて前進し、連打を振るうモンシプール。ジャブ、右フックで応戦するメジクンヌは距離を取ろうとするが、モンシプールは強引に接近。3R、メジクンヌが危険なヘディングで減点。モンシプールが右ストレートをヒットさせる(4Rほか)。互いにディフェンスができるため決定打が無い状態が続いたが、12R、右フックでメジクンヌがダウン、KO。メジクンヌはしばらく立てなかったほどのダメージを負った。最後に豪快に決めたモンシプール。ひたすら前進して攻める姿勢は「フランスのジェフ・フェネック」といったところ。メジクンヌは良いパンチを打っていたが、攻める姿勢で負けた。両者は後、この王座を懸けて再戦。モンシプールがTKO勝ち。メジクンヌはそれが最後の試合となった。)
②マヤル・モンシプール 6R TKO ヨーダムロン・シンワンチャー
(WBA世界スーパーバンタム級タイトル戦、2004年)
モンシプール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ヨーダムロン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
6R:左ボディフックでヨーダムロンがダウン
(感想:モンシプールがタイトル防衛。三度目の防衛戦。挑戦者ヨーダムロン(タイ)は佐藤修にKOされた元王者でWBA1位。タイトル奪回を目指す状況。これまで37勝(19KO)1敗1分、となかなかの戦績。パリでの一戦。1Rから接近戦。モンシプールはいつものように前進し、左右フックでボディ、アッパー攻撃。ヨーダムロンはフックで応戦。連打するモンシプール。ヨーダムロンの反撃は単発。6R、左ボディでヨーダムロンがダウン。立ったが、連打を浴びてレフェリーストップ。ヨーダムロンは左フックが良かったが(3Rほか)、タイ人ボクサー特有の一発ずつパワーを込める打ち方。手数で圧倒されてしまった(その後もリングに上がり続けたが、大きな実績は無かった)。モンシプールはブロックしながらひたすら攻撃。打たれ強さとディフェンスに相当な自信があるのだろう。)
③ソムサック・シンチャチャワン 10R TKO マヤル・モンシプール
(WBA世界スーパーバンタム級タイトル戦、2006年)
モンシプール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ソムサック:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:左フックで2度、モンシプールがダウン
(感想:ソムサックがタイトル獲得。フランスのルヴァロワ=ペレで行われたモンシプールの六度目の防衛戦(レフェリーはジョン・コイル)。ヒョウ柄のガウンで入場のソムサック(タイ)はこれまで45勝(36KO)1敗1分。ナジーム・ハメドに似た柔軟なサウスポースタイルで左フックを連打するタイプ。1R、いつものように前進するモンシプールだが、左フックで二度ダウン。その後は、攻めるモンシプール、ジャブ、フックで応戦するソムサック。共に手数が多い接近戦。互いにディフェンスするが、ソムサックの右フックが時折ヒット。10R、フック連打を浴びて足に来たモンシプール。レフェリーストップ。モンシプールはいつもと変わらないコンディション、試合運びだったように見えたが、ブロック以外のディフェンスがやや甘かったか。ソムサックはモンシプールの連打に負けないくらい手数を多く出し、敵地でよく頑張った。しかし、次の試合で暫定王者に負けて王座を取られてしまった。)
④マヤル・モンシプール 5R TKO フェリックス・マチャド
(フェザー級戦、2009年)
モンシプール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
マチャド:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ソムサック戦後、ブランクを作ったモンシプール。2008年にカムバック。二連勝で、マチャド戦。マチャドはベネズエラのシウダード・ボリバル出身の黒人サウスポー。ニックネームは「El Macho」。ベネズエラ王座(バンタム級)獲得後、ダオルン・チョーシリワットのWBA世界バンタム級王座に挑戦して2-1の敗北。決定戦で獲得したIBF世界スーパーフライ級王座を連続防衛。王座陥落後は試合間隔が長くなり、アンセルモ・モレノ戦、ベネズエラ王座(バンタム級)戦に敗れるなどこのところ連敗中。フランス・アンネヴィルでの一戦。1R開始から突貫ファイターな攻めをするモンシプール。ブロックしながら接近してストレート、左右フック、ボディ打ち。マチャドは距離を取って戦いたいらしく、フットワーク&ジャブ。しかし、接近されてボディ連打、クリンチで対応。攻撃力でモンシプール優勢。3R、マチャドがクリンチで減点。その後もマチャドは力強い連打で反撃するシーンもあるが、相手の勢いに押され気味。4R終了後、棄権(ダウンシーンは無し)。映像ではよく見えなかったが、右目を酷くカットしたらしい。モンシプールが精力的な攻めで勝利。左フック、ボディ打ちが良かった。マチャドはテクニックを使うタイプ。フェザー級では厳しかったか。その後もブランクがちにリングに上がり、敗北を重ねていった。モンシプールは次の試合でアンセルモ・モレノのWBA世界バンタム級王座に挑戦したが、2-1で敗北。それが最後の試合となった。)
①「WBA World Super Bantamweight Title
Salim Medjkoune vs. Mahyar Monshipour」
②「WBA World Super Bantamweight Title
Mahyar Monshipour vs. Yoddamrong Sithyodthong」
③「WBA World Super Bantamweight Title
Mahyar Monshipour vs. Somsak Sithchatchawal」
④「Featherweight
Mahyar Monshipour vs. Felix Machado」
仲里繁(Nakazato Shigeru)のページ
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アンセルモ・モレノ(Anselmo Moreno)のページ
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