WBA世界S・ミドル級王者。長身サウスポー。マイケル・ナン戦、セグンド・メルカド戦、ザファ・バロゴー戦ほかを紹介します。
フランク・ライルズ(アメリカ)
身長189cm:サウスポー
①フランク・ライルズ 12R TKO メルキ・ソーサ
(北米S・ミドル級王座決定戦、1992年)
ライルズ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ソーサ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
5R:右ボディフックでライルズがダウン
(感想:ライルズがタイトル獲得。ニューヨーク出身の黒人サウスポー、ライルズ。アマチュアでは優れた選手ではあったが、ロイ・ジョーンズに敗れてソウル五輪に出場ならず。「クロンクジム」と契約してプロデビューしたが、あまりボクサーとしては売れず。連勝を続けるが、ティム・リトルズに全米王座戦(S・ミドル級)に敗れて一歩後退。その再起戦で北米王座を狙う。これまで21勝(14KO)1敗。ソーサはドミニカの黒人で、21勝(17KO)2敗1分。ニューヨークを主戦場に中堅相手に連戦連勝。ジェームス・トニーに2-1で敗北、初黒星。実力者トニー・ソーントンには3-0で敗北。後の世界王者スティーブ・リトルとドロー、ニューヨーク州王座(S・ミドル級)獲得。このところ二連勝でライルズ戦。ラスベガス「Riviera Hotel & Casino」での一戦(リングアナはチャック・ハル、レフェリーはトビー・ギブソン)。典型的なサウスポーのライルズ。ディフェンスしながら右ジャブ、左ストレート。右ストレート、左フックで攻めるソーサ。フックで応戦するライルズ。共にパンチの振りは大きめだが、ライルズが1Rから「左ストレート、右フック、左ストレート」コンビネーションで優勢。ソーサは速くもキズ(右マブタ)のドクターチェック。3R、ソーサの右フックがヒットしてライルズはクリンチ(あまり打たれ強くないのか?)。その後もソーサは攻めるが単発で、ディフェンスされる。しかも、頼みの右ボディフックがローブローになり、再三、減点。5Rに右ボディフックでライルズがダウンしたが、これはローブロー(レフェリーからは見えなかったらしい)。6Rにもキズのチェックを受けたソーサ。ライルズがジャブ、コンビネーション。12R、ロープ際でソーサが連打されたところでレフェリーストップ。ライルズが長身&サウスポーのテクニックで勝利。一発のパワーはそこそこだが、長いパンチは当たれば威力。ソーサは攻めが雑。相手のやりにくさに困惑したようだ。その後のソーサ。北米ライトヘビー級王座を獲得する活躍を見せたが、マイケル・ナン、ロイ・ジョーンズとの世界戦に敗北して世界王者にはなれなかった。)
②フランク・ライルズ 12R 判定 マイケル・ナン
(WBA世界S・ミドル級タイトル戦、1994年)
ライルズ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ナン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ライルズがタイトル初防衛。スティーブ・リトルを破ってWBA世界S・ミドル級タイトルを獲得したライルズ。知名度の高い元王者ナンを破って、人気を上げることができるかどうか。43勝(28KO)2敗の挑戦者ナンもまた長身の黒人サウスポー。かつては「セカンド・トゥ・ナン(ナンに勝てる者なし)」と言われた選手だが、リトルに敗れて王座陥落。ミドル級時代と比べると動きのスピード、パンチのキレが落ちている状況。エクアドルで行われた一戦。共にサウスポーで似たような戦い方。トランクスも同じようなタイプ。どちらもスピードが無い。互いにジャブ、左ストレート、右フック。接近戦ではスキンヘッドのライルズがコンビネーションを使う。7R、ナンが何やらエキサイト。9R、共に良いジャブ。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。やはりナンは全盛期と比べるとスピードが無かった(「スロー映像」かと思ったぐらい)。スピードで勝ってきた選手が階級を上げると動きが極端に鈍くなることがよくある。ライルズもナンも体を絞ってミドルでやっていればもっと良い試合になったかもしれない。その後もナンはリングへ。地域王座を獲得したが、世界王座返り咲きならず。薬物事件を起こして刑務所へ。)
③フランク・ライルズ 5R TKO セグンド・メルカド
(WBA世界S・ミドル級タイトル戦、1997年)
ライルズ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
メルカド:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:右フックでメルカドがダウン
(感想:ライルズがタイトル防衛。ティム・リトルズに雪辱してWBA王座を防衛したライルズが五度目の防衛戦。挑戦者メルカドはエクアドルの選手でWBA12位。これまで19勝(11KO)4敗1分。IBFのインター王座(ミドル級)などを獲得しているが、バーナード・ホプキンスと空位のIBF世界ミドル級王座を争ってTKO負け。ライルズ戦は三度目の世界挑戦。しかし、直前の試合でTKO負けを喫しており、勢いのある状況ではない。ルイジアナ州シュリーブポートでの一戦。左右の構えの違いはあるが、パンチのスピードは同じくらいの両者。1R、右フックでメルカドがダウン。攻めようとするメルカドだが、ライルズはかわして長いパンチを当てる。2R、メルカドの頭がヒット。3R、メルカドがローブロー。5R、ライルズが右フックを決め、さらにラッシュでレフェリーストップ。ライルズが格下を下して防衛。スピードは無かったが、ダウンを奪うことはできた。拳自体が頑丈なのかも。後、メルカドは連敗続きでキャリアを終えた。)
④フランク・ライルズ 12R 判定 ザファ・バロゴー
(WBA世界S・ミドル級タイトル戦、1997年)
ライルズ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
バロゴー:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
9R:右フックでライルズがダウン
(感想:ライルズがタイトル防衛。テネシー州ナッシュビルでの六度目の防衛戦はサウスポー同士。挑戦者バロゴーはトーゴの黒人でWBA6位。これまで33勝(28KO)2敗1NC。WBCのインター王座(S・ミドル級)を獲得するなど、なかなかの戦績。しかしながら、マシなのはジャブぐらいのもので、ストレートとフックがキチンと打てない困った選手。左フックを振るたびにラビットパンチになってしまう。そんな相手を持て余すライルズ。ジャブで突き放そうとするがパンチにキレがないため接近を許し、後頭部を打たれる。全く面白くない展開が続いたが、9R、右フックでライルズがダウン。しかし、その後はそれまでと同じパターンで、バロゴー、ライルズがそれぞれ減点されるオマケ付き。判定は3-0。「世界戦」にしては非常にレベルが低かった感じ。バロゴーはこれまでどんな相手にどんな勝ち方をしてきたのだろう? しかし、つまらない試合になったのはライルズが原因。「一流ボクサーの条件」にはスピード、パワー、テクニックなどがあるが、ライルズには飛び抜けたものが無かったような気がする。確かにライルズのような「背の高いサウスポー」は相手からすると「やりにくさ」という強みはあり、あのマイケル・ナンを破った実績もあるが、「強豪」とは言い難いところがある。結局、ライルズは七度王座を防衛。引退後は日本でK-1選手の指導をしたとか。バロゴーはその後、WBC、IBFの地域王座を獲得。)
①「vacant NABF Super Middleweight Title
Frank Liles vs. Merqui Sosa」
②「WBA World Super Middleweight Title
Frank Liles vs. Michael Nunn」
③「WBA World Super Middleweight Title
Frank Liles vs. Segundo Mercado」
④「WBA World Super Middleweight Title
Frank Liles vs. Jaffa Ballogou」
マイケル・ナン(Michael Nunn)のページ
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バーナード・ホプキンス(Bernard "The Executioner" Hopkins)のページ
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