WBO世界ライトフライ級、WBA世界スーパーフライ級王者。頑丈な拳が武器のスイッチヒッター。カイチョン・ソー・ウォラピン戦、エベラルド・モラレス戦、清水智信戦を紹介します。
ウーゴ・カサレス(メキシコ)
身長163cm:スイッチヒッター(両構え)
①ウーゴ・カサレス 6R KO カイチョン・ソー・ウォラピン
(WBO世界L・フライ級タイトル戦、2005年)
カサレス:ジャブ、ストレート、左右フック
カイチョン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:フック連打でカイチョンがダウン(レフェリーはダウン扱いせず)
2R:左ストレートでカイチョンがダウン
6R:右ストレートでカサレスがダウン。左ストレートでカイチョンがダウン。
(感想:カサレスがタイトル防衛。王者カサレスはこれまで21勝(15KO)3敗1分。ニックネームは「El Increible(驚くほどスゴイ奴)」。デビュー戦は引き分け。二戦目は判定負け。その後も不安定な状態が続いたが、経験を積み、NABOのL・フライ級王座を獲得し、WBO王座に。これが二度目の防衛戦。タイの挑戦者カイチョンはWBOアジア王者で17勝(6KO)7敗。かつて連敗していたこともあったが、このところ連勝中。アメリカで行われた試合。1R、ガードを上げてジャブを使うカイチョンだが左右フックでダウン。その後、両者とも思い切ったストレート、フックを使う迫力の展開。2R、サウスポーにスイッチするカサレス。カウンターの左ストレートでカイチョンがダウン。カイチョンは4Rに右をヒットさせるなど力強いパンチを打つが、カサレスは巧くかわす。6R、タイミングのいい右ストレートでカサレスがダウン。しかし逆に左ストレートでカイチョンがダウン。立てず、KO。カイチョンがダウンした左ストレートはいずれもカウンターによるもので、カイチョンの好戦的な姿勢が裏目に出た形。共に力強いパンチを見せた好試合。両者とも称えられるべき戦いぶりだった。)
②ウーゴ・カサレス 7R TKO エベラルド・モラレス
(WBA世界S・フライ級タイトル戦、2010年)
カサレス:ジャブ、ストレート、左右フック
モラレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
7R:左フックでモラレスがダウン
(感想:カサレスがタイトル防衛。イヴァン・カルデロンにWBO世界L・フライ級王座を奪われたカサレス。名城信男からWBAタイトルを獲得し、王座返り咲き。同国人のモラレスとメキシコで初防衛戦。挑戦者モラレスはこれまで34勝(23KO)14敗2分。これまで数度の世界挑戦を経験(オマール・ナルバエス、ポンサクレック・ウォンジョンカムら)。似た戦い方をするファイター同士の一戦。共にジャブ、ストレート。1Rからカサレスの右ストレートがヒット。ディフェンスと当てる巧さはカサレスか。7R、左フックでモラレスがダウン。立ったが朦朧としており、レフェリーストップ。似た者同士の打撃戦。なかなかエキサイティングだった。この試合でも頻繁に左右をスイッチしていたカサレス。オーソドックス(右構え)の時の方がパワーが乗った強いストレートを打っていた。)
③清水智信 12R 判定 ウーゴ・カサレス
(WBA世界S・フライ級タイトル戦、2011年)
カサレス:ジャブ、ストレート、左右フック
清水:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:清水がタイトル獲得。カサレスが日本で防衛戦。清水はこれまで18勝(9KO)3敗1分。日本フライ級王座を獲得しているが、ポンサクレック、内藤大助のWBC世界フライ級王座に挑戦して敗北。これが三度目の世界挑戦となる。ガードを上げてディフェンスしながらジャブ、ストレートの清水。カサレスは微妙な動き。サウスポースタイルで左ストレートを狙うが積極さに欠ける。攻める清水。カサレスはカウンターを打つのかと思ったらそのまま後退。判定は極めて僅差の2-1。ダウンシーンは無し。清水が特別強かったとは思えない。カサレスはカウンター狙いのボクシング。相手が攻めてこなかったり、慎重姿勢だったりの場合は強みを出せない。頻繁に左右スイッチするのも中途半端で攻撃に一貫性がない感じ。勝つときは凄かったが、こんな負け方をされると優秀な選手だったのかそれほどでもなかったのか評価に迷うところ。)
①「WBO World Light Flyweight Title
Hugo Cázares vs. Kaichon Sor Vorapin」
②「WBA World Super Flyweight Title
Hugo Cázares vs. Everardo Morales」
③「WBA World Super Flyweight Title
Hugo Cázares vs. Shimizu Tomonobu」
イヴァン・カルデロン("Iron Boy" Ivan Calderón)のページ
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ポンサクレック・ウォンジョンカム(Pongsaklek Wonjongkam)のページ
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