2022年12月23日金曜日

ウーゴ・カサレス(Hugo "El Increible" Cázares)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBO世界ライトフライ級、WBA世界スーパーフライ級王者。頑丈な拳が武器のスイッチヒッター。カイチョン・ソー・ウォラピン戦、エベラルド・モラレス戦、清水智信戦ほかを紹介します。

ウーゴ・カサレス(Hugo "El Increible" Cázares)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ウーゴ・カサレス(メキシコ)

身長163cm:スイッチヒッター(両構え)


ウーゴ・カサレス 6R KO カイチョン・ソー・ウォラピン

(WBO世界L・フライ級タイトル戦、2005年)

カサレス:ジャブ、ストレート、左右フック

カイチョン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:フック連打でカイチョンがダウン(レフェリーはダウン扱いせず)

2R:左ストレートでカイチョンがダウン

6R:右ストレートでカサレスがダウン。左ストレートでカイチョンがダウン。

(感想:カサレスがタイトル防衛。王者カサレスはこれまで21勝(15KO)3敗1分。ニックネームは「El Increible(驚くほどスゴイ奴)」。デビュー戦は引き分け。二戦目は判定負け。その後も不安定な状態が続いたが、経験を積み、NABOのL・フライ級王座を獲得し、WBO王座に。これが二度目の防衛戦。タイの挑戦者カイチョンはWBOアジア王者で17勝(6KO)7敗。かつて連敗していたこともあったが、このところ連勝中。アリゾナ州ツーソンでの一戦。1R、ガードを上げてジャブを使うカイチョンだが、左右フックでダウン。その後、両者とも思い切ったストレート、フックを使う迫力の展開。2R、サウスポーにスイッチするカサレス。カウンターの左ストレートでカイチョンがダウン。カイチョンは4Rに右をヒットさせるなど力強いパンチを打つが、カサレスは巧くかわす。6R、タイミングのいい右ストレートでカサレスがダウン。しかし逆に左ストレートでカイチョンがダウン。立てず、KO。カイチョンがダウンした左ストレートはいずれもカウンターによるもので、カイチョンの好戦的な姿勢が裏目に出た形。ただ、共に力強いパンチ。両者とも称えられるべき好試合だった。)


ウーゴ・カサレス 7R TKO エベラルド・モラレス

(WBA世界S・フライ級タイトル戦、2010年)

カサレス:ジャブ、ストレート、左右フック

モラレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

7R:左フックでモラレスがダウン

(感想:カサレスがタイトル防衛。イヴァン・カルデロンにWBO世界L・フライ級王座を奪われたカサレス。名城信男からWBAタイトルを獲得し、王座返り咲き。同国人のモラレスと初防衛戦。挑戦者モラレスはこれまで34勝(23KO)14敗2分。これまで数度の世界挑戦を経験(オマール・ナルバエス、ポンサクレック・ウォンジョンカムら)。メキシコ・トラルネパントラでの一戦。似た戦い方をするファイター同士。共にジャブ、ストレート。1Rからカサレスの右ストレートがヒット。ディフェンスと当てる巧さはカサレスか。7R、左フックでモラレスがダウン。立ったが朦朧として、レフェリーストップ。似た者同士の打撃戦。なかなかエキサイティングだった。この試合でも頻繁に左右をスイッチしていたカサレス。オーソドックス(右構え)の時の方がパワーが乗った強いストレートを打っていた。モラレスはその後、二連続TKO負け(北米王座戦、WBCインター王座戦(いずれもS・フライ級))でキャリアを終えた。)


ウーゴ・カサレス 3R KO アルトゥロ・バディーリョ

(WBA世界S・フライ級タイトル戦、2011年)

カサレス:ジャブ、ストレート、左右フック

バディーリョ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:左ストレートで3度、バディーリョがダウン

(感想:カサレスがタイトル防衛。四度目の防衛戦。挑戦者バディーリョはメキシコ・ティフアナ出身で、身長が174cmもあるらしい。デビューから連勝。WBCの地域王座(フライ級)に挑戦してTKO負け、初黒星。それ以来、三連続KO勝ち。メキシコ・マサトランでの一戦。似たタイプで、体格も同じぐらい(バディーリョは「174cm」とデータにあるが、間違いではないか?)。共に速いジャブ、ワンツー。接近戦ではフック。カサレスは左フック、バディーリョは右ストレートに良さ。2R、カサレスがサウスポーにチェンジしてワンツー、右フック。3R、右フックからの左ストレートでバディーリョがダウン。立ったが、左ストレートで二度目。立ち上がって連打で反撃するバディーリョだが、左右フックからの左ストレートで三度目のダウン。スリーノックダウンルールによりKO。カサレスがスイッチして圧勝。バディーリョは右パンチに強さがあったが、サウスポーに対応できなかった。その後、バディーリョはWBOのアジア王座(スーパーフライ級)に挑戦してTKO負けするなど多くの敗北。)

                      

清水智信 12R 判定 ウーゴ・カサレス

(WBA世界S・フライ級タイトル戦、2011年)

カサレス:ジャブ、ストレート、左右フック

清水:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:清水がタイトル獲得。カサレスが日本で五度目の防衛戦。清水はこれまで18勝(9KO)3敗1分。日本フライ級王座を獲得しているが、ポンサクレック、内藤大助のWBC世界フライ級王座に挑戦して敗北。これが三度目の世界挑戦となる。日本武道館での一戦。ガードを上げてディフェンスしながらジャブ、ストレートの清水。カサレスは微妙。サウスポースタイルで左ストレートを狙うが積極さに欠ける。攻める清水。カサレスはカウンターを打つのかと思ったらそのまま後退。判定は極めて僅差の2-1(ダウンシーンは無し)。清水が特別強かったとは思えない。カサレスはこの試合ではカウンター狙いのボクシング。相手が攻めてこなかったり、慎重姿勢だったりの場合は強みを出せない。頻繁に左右スイッチするのも中途半端で攻撃に一貫性がない感じ。勝つときは凄かったが、こんな負け方をされると優秀な選手だったのかそれほどでもなかったのか評価に迷うところ。その後の二人。カサレス戦で右眼眼窩骨折を負った清水はブランクを作って「休養王者」扱いに。復帰して正規王者テーパリット・ゴーキャットジムと団体内王座統一戦を行ってTKO負け、引退。カサレスはブランクがちに2016年まで試合。WBCインターナショナル・シルバー王者(S・バンタム級)になるなどの活躍を見せた。)


①「WBO World Light Flyweight Title 

Hugo Cázares vs. Kaichon Sor Vorapin」

②「WBA World Super Flyweight Title 

Hugo Cázares vs. Everardo Morales」

③「WBA World Super Flyweight Title 

Hugo Cázares vs. Arturo Badillo」

④「WBA World Super Flyweight Title 

Hugo Cázares vs. Shimizu Tomonobu」


イヴァン・カルデロン("Iron Boy" Ivan Calderón)のページ

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ポンサクレック・ウォンジョンカム(Pongsaklek Wonjongkam)のページ

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