WBA世界フライ級王者。伸びるジャブ、右ストレートが武器だったタイ人。エリック・モレル戦、坂田健史戦(初戦・再戦)を紹介します。
デンカオセーン・カオウィチット(タイ)
身長161cm:オーソドックス(右構え)
①エリック・モレル 11R KO デンカオセーン・カオウィチット
(WBA世界フライ級タイトル戦、2002年)
デンカオセーン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
モレル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
11R:フック連打で2度、デンカオセーンがダウン
(感想:モレルがタイトル防衛。タイのデンカオ。リングネームが複数あるが、本名は「Sutep Wangmuk」。WBA1位で、これまで20戦全勝(8KO)。デビュー戦がPABAフライ級王座決定戦、勝利(大変な天才ぶり。結局、この王座を返上するまで18度防衛)。王者モレル(プエルトリコ)は31戦全勝(17KO)。ニックネームは「Little Hands Of Steel(小さな鋼の拳)」。リーチが長く、伸びる長いパンチが武器。アメリカで行われた注目の全勝対決。1R開始から打ち合う。共に長い左ジャブ、右ストレートを伸ばし、左フックはパワフルでキレがある。攻めるデンカオ、足で距離を取って応戦するモレル。互いにディフェンス。パンチの回転の速さはモレル。8R、モレルの右ストレートがクリーンヒット。11R、積極的に攻めるデンカオだが、右のカウンターを食って後退。フック連打でダウン。立ったが、さらにフック連打でダウン。二度目のダウンと同時にストップ。互いにキレがある良いパンチで打ち合った好試合。ただ、デンカオは真っ直ぐ攻めるシーンが多く、動きが多彩でパンチの回転が速いモレルを捕らえることはできなかった。)
②坂田健史 12R 引分 デンカオセーン・カオウィチット
(WBA世界フライ級タイトル戦、2007年)
デンカオセーン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
坂田:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:右フックで坂田がダウン
(感想:坂田がタイトル防衛。WBA2位のデンカオが再び同タイトルに日本で挑戦。王者の坂田は「苦労人」。四度目の挑戦で世界王者になった選手で、これが二度目の防衛戦。モレル戦とは違ってパンチや動きにスピードがなく、相手に合わせた戦い方をするデンカオ。坂田は距離を取りながら細かくジャブ、連打。1Rのダウン後、坂田は攻める姿勢でショート連打。デンカオはパワーがありそうな右ストレートを狙う。判定は引き分け。映像では坂田が手数で勝っていたように見えたが、デンカオには引き分けに持ち込めるほどのパンチ力があったのだと思われる。モレル戦からずいぶん時間が経って勢いがすっかり無くなってしまったデンカオ。何となくヤル気がなさそうな感じもあった試合ぶりだったが・・・。)
③デンカオセーン・カオウィチット 2R KO 坂田健史
(WBA世界フライ級タイトル戦、2008年)
デンカオセーン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
坂田:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:右ストレートで坂田がダウン
(感想:デンカオセーンがタイトル獲得。再び日本で再戦(坂田の五度目の防衛戦)。デンカオのセコンドにはカオサイ・ギャラクシー(引退してすっかり顔が丸くなったカオサイ。性格の方は知らない)。前回とは違ってデンカオはパワーを込めて攻める姿勢。ただし、パンチのキレはあまりない。坂田はガードを上げてジャブ。接近戦。2R、右ストレートで坂田がダウン。完全に足に来ており、立てなかった。ようやく世界タイトルを獲ったデンカオ。その後、微妙な内容で二度の防衛に成功したが、三度目の防衛戦で亀田大毅に判定負け。名城信男に判定勝ちしてWBA世界スーパーフライ級暫定王座を獲得。しかしながら世界王者としては長く活躍できず。一番勢いがあったモレル戦の頃に王者になれなかったのが残念。)
①「WBA World Flyweight Title
Eric Morel vs. Denkaosan Kaovichit」
②「WBA World Flyweight Title
Sakata Takefumi vs. Denkaosan Kaovichit」
③「WBA World Flyweight Title
Sakata Takefumi vs. Denkaosan Kaovichit」
エリック・モレル(Eric Morel)のページ
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