全米ウェルター級王者。フックが得意だった「小型ホリフィールド」ポンペイ。アルフレド・ロハス戦、バック・スミス戦、ローラン・ブードゥアニ戦を紹介します。
ケビン・ポンペイ(アメリカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①ケビン・ポンペイ 8R 判定 アルフレド・ロハス
(J・ミドル級戦、1989年)
ポンペイ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ロハス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:左ジャブでポンペイがダウン
(感想:ニューヨーク出身のポンペイ。攻めるときの表情とフックの打ち方がイベンダー・ホリフィールドに似ている男。これまで11勝(6KO)2敗1分。ロハスは14勝(6KO)2敗。ベネズエラ・ライト級王座を獲得しているが、直前の試合ではKO負けしている。アトランチックシティでの一戦。慎重にジャブを飛ばし、接近してフックを打つポンペイ。ロハスは伸びるジャブ、ストレートを打ち、ボディ攻めが巧い印象。2R、強い左ジャブでポンペイがダウン。フックで打ち合う接近戦。これじゃヤバイ、と思ったか、ポンペイはフットワークとジャブで距離を取り、右でカウンターを取る戦法に変更。最終ラウンド(8R)は激しい打ち合い。判定は3-0。タイミングのいいジャブでダウンを喫したが、ポンペイがポイントを挽回して勝利。ロハスは結構良いパンチを打つ良い選手だったが、ポンペイ戦後は世界を目指すチャールズ・マレー、オバ・カーらの踏み台にされて敗北を重ねていった。)
②ケビン・ポンペイ 12R 判定 バック・スミス
(全米ウェルター級タイトル戦、1992年)
ポンペイ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
スミス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ポンペイがタイトル防衛。全米王者になったポンペイ。体つきもたくましくなった感じで、戦績は27勝(12KO)4敗1分。スミスは精力的に試合をこなす「頑張る男」。これまで124勝(90KO)2敗1分。ただし対戦相手は無名ばかり(アメリカやメキシコのボクサーは試合数が多いことがよくあるが、実力不明な無名選手との試合も多い)。共に勢いがあり、速いジャブを飛ばす。スミスは振りの大きい左右フックでボディを攻めるなど実に積極的。ポンペイはコンビネーションで応戦。次第に疲れてきたスミスが反撃される。10R、右でダメージを受けるポンペイ。判定は3-0。ダウンシーンは無し。勢いのある相手にピンチになりながらもポンペイが勝利。最後の最後まで前に出たスミス。もう少しショートパンチが巧かったらベルトを奪えたかも。)
③ローラン・ブードゥアニ 8R 判定 ケビン・ポンペイ
(J・ミドル級戦、1997年)
ポンペイ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ブードゥアニ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ハロルド・ブレージャーに全米タイトルを奪われたポンペイ。その後は負けが多くなっていく。そしてフランスでWBA世界J・ミドル級王者ローラン・ブードゥアニ(フランス)とノンタイトル戦。ブードゥアニはショート連打を使う地味な印象の男。ただし、ジャブは速い。ポンペイはやや丸っこい体になり、かつてのキレはなく別人のよう(別人だったりして)。時々良いパンチを打つが全体的にはブードゥアニのジャブに押され気味で、攻めてもディフェンスされる(両腕を広げて「打ってこい(?)」みたいなゼスチャーも見せた)。判定でブードゥアニ。ダウンシーンは無し。かつてはホリフィールドみたいだったポンペイ。負け続きで体も打ち方も別人に。打たれ弱さがあったためだと思うが、結局、世界王座には手が届かなかった。層の厚い階級では良いパンチを打つ選手でも世界王者になれない競争の厳しさがある。)
Kevin Pompey vs. Alfredo Rojas」
②「USBA Welterweight Title
Kevin Pompey vs. Buck Smith」
③「Super Welterweight
Kevin Pompey vs. Laurent Boudouani」
バック・スミス(Buck Smith)のページ
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ローラン・ブードゥアニ(Laurent Boudouani)のページ
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