2022年7月15日金曜日

トニー・ソーントン(Tony Thornton)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ミドル級の実力者。世界王座戦のクリス・ユーバンク戦、ジェームス・トニー戦、ロイ・ジョーンズ・ジュニア戦ほかを紹介します。

トニー・ソーントン(Tony Thornton)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

トニー・ソーントン(アメリカ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


トニー・ソーントン 4R TKO デイブ・ティベリ

(S・ミドル級戦、1990年)

ソーントン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ティベリ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ニュージャージー州出身の黒人ソーントン(顔がマイケル・モーラーに似ている)。大学にも通い、郵便配達員としての顔もある。アトランチックシティでプロデビュー(1RでKO勝ち)。以来、連勝だったが、ダグ・デウィットとの全米ミドル級王座戦で判定負け、初黒星(デウィットは後、WBO世界ミドル級王者に)。その後、全米ミドル級王座を獲得したが、今度はスティーブ・コリンズらに敗北(コリンズは後、WBO世界ミドル、S・ミドル級王者に)。イスマエル・ネグロン(後、ジュリアン・ジャクソンのWBC世界ミドル王座に挑戦して1RでKO負け)にも敗北。再起戦に勝利してティベリ戦。これまで23勝(18KO)4敗1分、30歳。ティベリ(23歳)はデラウェア州の白人。ロン・エセットに敗れたが、中堅を相手に戦績良好。18勝(4KO)1敗3分。KO数が「4」というのが少し気になるところ。アトランチックシティでの一戦(リングアナはエド・デリアン)。開始から積極的に攻めるソーントン。右ストレート、フック、ボディ連打。ティベリはジャブで距離を取ろうとするが、右を食う。2R、なかなか打ち方がいいティベリ。右カウンター、左フックをヒットさせる。その後も攻めるソーントン、応戦するティベリ。4R、激しい打ち合いの中、ティベリが左目付近をカット。ドクターチェックで試合終了(ダウンシーンは無し)。ソーントンが相手の負傷で勝利。よく攻めていたが、反撃を食うシーンも。ティベリは頑張る選手。これから、というところで負けてしまった。その後のティベリ。連勝後、ジェームス・トニーのIBF世界ミドル級王座に挑戦したが、2-1で敗北。「ティベリが勝った」という声も多い微妙な結果。再戦が予定されていたが、実現せず。ボクシング界に失望したティベリはリングから去った。実力は確かにあったが、運に恵まれなかった。)


クリス・ユーバンク 12R 判定 トニー・ソーントン

(WBO世界S・ミドル級タイトル戦、1992年)

ソーントン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ユーバンク:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ユーバンクがタイトル防衛。31勝(23KO)4敗1分のソーントンが初の世界挑戦。王者ユーバンクは英国の黒人で、32戦全勝(18KO)。試合中に妙なアピールをしたりする変わった男だが、速いパンチが武器。スコットランド・グラスゴーでの一戦。多くのユニオンジャックに先導されて、ユーバンクが自信タップリに入場。トップロープをジャンプしてリングイン。ゴング。ソーントンがガードを高く上げてジャブ、右ストレート、左フック。ユーバンクは距離を取って速いジャブと連打。動きのスピードに差があることが1Rから明らかに。速いパンチでポイント狙いのユーバンク。ソーントンはユーバンクと比較すると動きが遅く見えるが、パンチの打ち方は良く、ジャブ、右フックなどをヒットさせる。ユーバンクは9R、10Rに連打でソーントンを追い込むが、11R、12Rは勝利を確信しているのか足を使ってエスケープ。判定は3-0。ユーバンクのスピードと手数が評価されたと思われる(ダウンシーンは無し)。ソーントンはパワフルで打ち方も良かった。できれば、ボディを徹底して狙う、ひたすらジャブを使う、といった一貫した攻めをして欲しかったところ。ユーバンクはその後も王座を防衛。)


ジェームス・トニー 12R 判定 トニー・ソーントン

(IBF世界S・ミドル級タイトル戦、1993年)

ソーントン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

トニー:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:トニーがタイトル防衛。ユーバンク戦後、連勝のソーントンが「IBF3位」として二度目の世界挑戦。王者トニーはこれまで39勝1分で無敗。柔軟な動きで強打を当てるのが得意パターン。オクラホマ州タルサでの一戦。トニーがジャブを連打し、右ストレート、ボディ打ち。ソーントンもジャブとボディ攻撃。ジャブと接近戦でボディを打ち合う展開。動きのスピードが同じぐらいであるため、どちらのパンチも当たる。ソーントンの攻撃をのらりくらりとかわすトニーがジャブと右ストレートをヒットさせる。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ディフェンスとパンチを当てる巧さでちょっとずつトニーが上回った。トニーはのらりくらりとした動きをすることがあり、エキサイティングではない試合をすることもよくあった。しかし、良いパンチを打ち、ディフェンスもできる。ソーントンにとってはやりにくい相手だった。その後もトニーは多くの試合。何とヘビー級でも試合。ミドル級時代は相当減量がキツかったというが、それも納得の増量ぶりだった。)


ロイ・ジョーンズ・ジュニア 3R TKO トニー・ソーントン

(IBF世界S・ミドル級タイトル戦、1995年)

ソーントン:左ジャブと左右フック

ジョーンズ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

2R:左フックでソーントンがダウン

(感想:ジョーンズがタイトル防衛。全米S・ミドル級王座を獲得したソーントンが三度目の世界挑戦。王者ジョーンズはこれまで29戦全勝(25KO)。速いジャブを連打して意表を突くようなタイミングで右ストレート、左フックを打ち込むのが得意パターン。ジェームス・トニーから王座を奪い、これが三度目の防衛戦。試合地はジョーンズの地元フロリダ州ペンサコーラ。ソーントンがジャブで接近してボディ攻撃。ジョーンズはサウスポーにスイッチしたりしながら回転の速い連打を飛ばす。2R、意表を突く速い左フックでソーントンがダウン。3R、ダメージが抜けないソーントン。ジョーンズの速い連打を浴びてレフェリーストップ。ソーントンのボディ狙いは悪くはなかったと思うが、ハンドスピードの差は歴然としていた。ソーントンはこれで引退。結局、強い選手に阻まれて世界王者になれなかったうえに事故で若くして亡くなってしまった。ジョーンズはその後、トニーのように増量。何とWBA世界ヘビー級王座獲得。)


①「Super Middleweight 

Tony Thornton vs. Dave Tiberi」

②「WBO World Super Middleweight Title 

Chris Eubank vs. Tony Thornton」

③「IBF World Super Middleweight Title 

James Toney vs. Tony Thornton」

④「IBF World Super Middleweight Title 

Roy Jones, Jr. vs. Tony Thornton」


クリス・ユーバンク(Chris Eubank)のページ

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ジェームス・トニー(James "Lights Out" Toney)のページ

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ロイ・ジョーンズ・ジュニア(Roy Jones, Jr.)のページ

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