世界ミドル級王者。長い強烈な右ストレートで世界王座を統一したアルゼンチンの安定王者。ニノ・ベンベヌチ戦(初戦・再戦)、エミール・グリフィス戦(初戦)を紹介します。
カルロス・モンソン(アルゼンチン)
身長181cm:オーソドックス(右構え)
①カルロス・モンソン 12R KO ニノ・ベンベヌチ
(世界ミドル級タイトル戦、1970年)
モンソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ベンベヌチ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
12R:右ストレートでベンベヌチがダウン
(感想:モンソンがタイトル獲得。アルゼンチン・サンタフェ州出身のモンソン。ニックネームは「Escopeta(ショットガン)」。12人兄弟の8番目。貧しい家庭だったため学校を辞め、様々な仕事をしたという。ボクシングに興味を持ち、アマチュアで活躍。プロ入り。連戦連勝とはいかず、敗北やドローを経験。アルゼンチン王座、南米王座(いずれもミドル級)獲得。81戦目でこの初の世界挑戦。王者ベンベヌチはエミール・グリフィスからこの王座を奪ったイタリア人。これが五度目の防衛戦となる。イタリアでの一戦。共にジャブ、右ストレートを使う。意表を突くタイミングで左フックを打ち込むモンソン。接近戦は共に得意ではないらしく、もみ合い、クリンチが多い。12R、コーナーに追い込まれたベンベヌチが強烈な右ストレートでダウン、KO。最後の右ストレートが実に凶暴な一撃だった試合。モンソンはよく伸びるジャブを「ガツン」という感じで当て、ジャブからの右ストレートがパワフルだった。ベンベヌチはジャブで勝ってきた選手だと思われるが、モンソンの方がより優れていたため勝ち目は無かった。)
②カルロス・モンソン 3R TKO ニノ・ベンベヌチ
(世界ミドル級タイトル戦、1971年)
モンソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ベンベヌチ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでベンベヌチがダウン
3R:右フックでベンベヌチがダウン
(感想:モンソンがタイトル防衛。立場を入れ替えてモナコのモンテカルロで再戦。挑戦者ベンベヌチは前に出るが左フックをもらう。2R、強烈な左フックでベンベヌチがロープに突っ込むような形でダウン。3Rにもダウンするベンベヌチ。セコンドからタオルが投入されて試合終了。そのタオルを蹴飛ばすベンベヌチ。「なぜ止めるんだ」という怒りの表現だと思われる。しかしながら、ボクシングは危険な競技。まともにパンチを打たれ続けるのを黙って見ているワケにはいかない。ベンベヌチはこれで引退。)
③カルロス・モンソン 14R TKO エミール・グリフィス
(世界ミドル級タイトル戦、1971年)
モンソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
グリフィス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:モンソンがタイトル防衛。アルゼンチンでの二度目の防衛戦。挑戦者グリフィス(バージン諸島出身)はかつてこの王座を持っていた男(世界ウェルター級王座も獲得している二階級制覇王者)。右ストレートと左フックでパワフルに攻めるグリフィス。モンソンはジャブ、ストレート。グリフィスの強打が時折ヒットするが、全体的にモンソンがジャブで先手を取っている印象。14R、ラッシュをかけるモンソン。連打されたグリフィスが前屈みになったところでレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。グリフィスはいいパンチを打っていたがジャブが少なかった。グリフィスの生涯戦績は85勝(23KO)24敗2分1無効試合。パワフルなパンチの持ち主の割にはKO数が少ない。ジャブが少ない攻め方が原因か? モンソンはジャブ、ストレートは良いが接近戦は苦手な様子。相手に攻められると受け身の姿勢になって打たれたり、クリンチでしのいだり。どうやら万能型ではなかったようだが、アレコレやらずに得意なパンチで勝負するクレバーな戦い方。自分の特徴をよく知っている選手だったと言えよう。)
Nino Benvenuti vs. Carlos Monzon」
②「World Middleweight Title
Carlos Monzon vs. Nino Benvenuti」
③「World Middleweight Title
Carlos Monzon vs. Emile Griffith」
カルロス・モンソン(Carlos Monzon)②のページ
----------------
ロドリゴ・バルデス(Rodrigo Valdes)①のページ
----------------
ロドリゴ・バルデス(Rodrigo Valdes)②のページ
----------------
ベニー・ブリスコ(Bennie Briscoe)のページ
0 件のコメント:
コメントを投稿