IBF世界L・ヘビー級、WBA世界クルーザー級王者。ジャブ、ショート連打で二階級制覇。スロボタン・カチャル戦、ロバート・ダニエルズ戦、ドニー・ラロンデ戦を紹介します。
ボビー・チェズ(アメリカ)
身長178cm:オーソドックス(右構え)
①ボビー・チェズ 5R TKO スロボタン・カチャル
(IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1986年)
チェズ:左ジャブ、右ストレート、左フック
カチャル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:チェズがタイトル獲得。ニュージャージー州出身のチェズ。「Czyz」と書いて「チェズ」と読む(読めますか?)。イタリア系とポーランド系の血を引く男。子供の頃からスポーツが得意で、ボクシングを始める。アマチュアからプロへ。重量級は黒人選手が強いことから白人のチェズに期待するファンも多く、オスカー・ショットガン・アルバラード(輪島功一と死闘)に勝利するなど連戦連勝だったが、ムスタファ・ハムショ(ハービン・ハグラーの世界ミドル級王座に二度挑戦して、二度ともぶっ飛ばされた)に初黒星。拳を痛めたりするなど、チェズにとって厳しい時期もあったがカムバック。以後連勝を続け、このカチャル戦。王者カチャルはユーゴスラビアの選手(珍しい)。マイケル・スピンクスが返上したIBF王座をエディ・ムスタファ・ムハマドと決定戦で争い、判定勝ちで獲得。背が高い選手で、ジャブと打ち下ろすような右ストレートが武器。ラスベガス「ヒルトン」での一戦。チェズが映画の「ロッキー」みたいな星条旗をデザインしたトランクスで登場。ジャブを使い、接近してショート連打するチェズ。5R、チェズがラッシュ。レフェリーストップ。ダウンシーンは無し。チェズが上半身を動かしながら、強い右ストレートと左フックを器用に打ち、最後はケンカみたいな乱打で押し切った。カチャルは左のボディ打ちなどを見せたが動きがぎこちなく、「王者」にしては物足りないところも。)
②ボビー・チェズ 12R 判定 ロバート・ダニエルズ
(WBA世界クルーザー級タイトル戦、1991年)
チェズ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ダニエルズ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:チェズが二階級制覇。L・ヘビー級王座を順調に防衛し続けたチェズだが、王座を「プリンス」チャールズ・ウィリアムスに奪われ、再戦でも敗北。クルーザーで二階級制覇を目指す。王者ダニエルズは「筋肉マン」。左フックがパワフルな男。アトランチックシティ「Trump Taj Mahal」での試合。重量級らしいパワフルな戦いが期待されたが、細かいパンチの打ち合い。ダニエルズは左フック、チェズは左ジャブと右ストレートが印象的。どちらが勝っているかは映像ではわかりにくい接戦。ダニエルズがパワーで上回ったような気がしたが、判定は2-1。チェズのジャブ連打が評価されたと思われる(ダウンシーンは無し)。ダニエルズは良い打ち方ができ、パワーもあった。なぜ、窮屈そうに細かく打つ? もっと豪快に行けば試合結果は逆だったのでは?)
③ボビー・チェズ 12R 判定 ドニー・ラロンデ
(WBA世界クルーザー級タイトル戦、1992年)
チェズ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ラロンデ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでラロンデがダウン
(感想:チェズがタイトル防衛。世界ランク6位のラロンデ(カナダ)はシュガー・レイ・レナードとの試合で有名な元WBC世界L・ヘビー級王者。これまで35勝(30KO)3敗。右ストレートが特に強い。しかし試合は1Rからチェズが優勢。ラロンデがダウン。その後は、ジャブで攻めるチェズ、応戦するラロンデ。判定は3-0。ジャブを正確に当て続けたチェズの勝利。ディフェンスに差があった。チェズはその後ヘビー級に進出し、イベンダー・ホリフィールドと戦ったが完敗。コーリー・サンダースにも敗れて引退。ヘビーでは通用せず。しかしながら、黒人ボクサーが優勢な重量級で、意外な器用さでそれなりに存在感を示すことはできた。)
①「IBF World Light Heavyweight Title
Slobodan Kacar vs. Bobby Czyz」
②「WBA World Cruiserweight Title
Robert Daniels vs. Bobby Czyz」
③「WBA World Cruiserweight Title
Bobby Czyz vs. Donny Lalonde」
チャールズ・ウィリアムス(Charles Williams)のページ
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ドニー・ラロンデ(Donny Lalonde)のページ
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