2021年3月10日水曜日

渡辺二郎(Watanabe Jiro)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

J・バンタム級の安定王者、渡辺。セルソ・チャベス戦、パヤオ・プーンタラット戦(初戦)、尹石煥(ユン・ソクハン)戦を紹介します。

渡辺二郎(Watanabe Jiro)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

渡辺二郎(日本)

身長165cm:サウスポー

渡辺二郎 15R TKO セルソ・チャベス

(WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1984年)

渡辺:右ジャブ、左ストレート、左右フック

チャベス:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

14R:右フックでチャベスがダウン

(感想:渡辺がタイトル防衛。岡山生まれで大阪育ちの渡辺。大学時代は日本拳法で活躍。その鍛えられたコブシでプロボクサーに。プロ入り後は連戦連勝(後のWBC世界フライ級王者・小林光二を新人王戦でKOした星も)。全勝のまま、韓国で金喆鎬のWBC世界J・バンタム級王座に挑戦したが、判定負け。二度目の世界挑戦でラファエル・ペドロサからWBA世界J・バンタム級王座獲得(ペドロサはあのエウセビオ・ペドロサのいとこ)。王座を防衛し続ける渡辺。チャベス戦は六度目の防衛戦。挑戦者チャベスはパナマの選手で、これまで無敗。スラリとした体型で、長いジャブ、ストレート、左のロングフックを使う。足のスタンスを広く取り、「懐が深い選手」という印象(同じパナマのエウセビオ・ペドロサのようなタイプ)。渡辺はジャブ、接近してボディ打ち。互いのストレートが時折ヒット。ディフェンスしながら右フックを決める渡辺だが、右目が腫れ、出血も。14R、右フックでチャベスがダウン。15R、連打でレフェリーストップ。まだ続行できそうな感じもあったが、レフェリーはストップの判断。渡辺はディフェンスが良かった。チャベスは長いリーチをやや持て余すような打ち方で、接近戦は得意ではなかったようだ。ただ、チャベスがもっと多くジャブを使っていたら逆の結果になっていた可能性も。)


渡辺二郎 12R 判定 パヤオ・プーンタラット

(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1984年)

渡辺:右ジャブ、左ストレート、左右フック

パヤオ:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:渡辺がタイトル獲得。WBA王者の渡辺。WBC王者のパヤオ。統一戦となるはずだったが、WBAが渡辺のタイトルを剥奪したため、パヤオのWBCタイトルのみがかけられた。パヤオはモントリオールオリンピック(1976年)に出場し、ライトフライ級で銅メダル。タイのボクシング界は「早く世界王者になるか、諦めるか」という「スピード出世」が求められる世界。プロ三戦目で後のIBF世界フライ級王者・権順天に判定負けを喫してしまったが、九戦目でラファエル・オロノ(ベネズエラ)を下してWBC世界J・バンタム級タイトル獲得。初防衛にも成功している。大阪で行われた一戦。ジャブ、ストレートを思い切りよく打っていくパヤオ。チャレンジャーの渡辺はジャブで前に出る。互いにディフェンスができるため、パンチがあまり当たらない。4R、パヤオの右で渡辺がダウン(しかし、レフェリーのリチャード・スティールはこれをダウン扱いせず)。パワフルに右ストレートを打ち込んでいくパヤオだが空振りが多い。渡辺の細かいパンチがヒット。12R、左ストレートを食って「ガクン」となるパヤオ。最終ラウンド終了時、パヤオは手を上げて「自分が勝った」という表情。判定は2-1。この試合でも渡辺のディフェンスの良さが目立った。判定に不満そうなパヤオ。もっとジャブを出していたら勝っていたかもしれない。得意の右を狙いすぎだったような気がする。第一戦はパヤオの右ストレートに迫力があり、スリリングな試合だったが、再戦では渡辺がKO勝ちでタイトル防衛。)


渡辺二郎 5R KO 尹石煥

(WBC世界J・バンタム級タイトル戦、1985年)

渡辺:右ジャブ、左ストレート、左右フック

尹:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:右フックで尹がダウン

2R:左ストレート、右フックで2度、尹がダウン

5R:連打、左ストレート、右フックで3度、尹がダウン

(感想:渡辺がタイトル防衛。韓国で行われた試合。テレビ解説はジョー小泉。これまで9勝(7KO)1敗の尹(「BOXREC」の記録によると、韓国フライ級王座を獲っているが4勝1敗。世界戦をやるには少なすぎるキャリア)。渡辺は25勝(17KO)1敗。サウスポー同士の一戦。開始から左ストレート、右フックで攻めていく尹。キラキラしたブルーのトランクスの渡辺はジャブで相手の様子を見る。右フックがカウンターとなって尹がダウン。2Rには絶妙な左ストレートで尹がダウン。攻める尹だが、渡辺はディフェンス。4Rに尹の左ストレートがヒットするシーンもあったが、5R、三度のダウンで終了。最後にダウンを奪った右フックもカウンター。ディフェンスに差があった試合。渡辺は左のボディ打ちも良かった。海外での防衛に成功した渡辺(「海外で世界王座防衛を果たした初の日本人(当時)」だそうだ)。楽勝だった渡辺だが、次の防衛戦の相手は厄介な選手。メキシコのヒルベルト・ローマン。細かいテクニックでポイントを取られて王座陥落、引退。引退後はTV出演したりしていたが、事件を起こす。引退後に何があったのかは知らないが、(少なくともボクシングに関しては)「真面目な人」という印象があっただけに、ボクシングファンにとっては残念なことである。)

①「WBA World Super Flyweight Title

Watanabe Jiro vs. Celso Chavez」

②「WBC World Super Flyweight Title

Payao Poontarat vs. Watanabe Jiro」

③「WBC World Super Flyweight Title

Watanabe Jiro vs. Suk-Hwan Yun」

パヤオ・プーンタラット(Payao Poontarat)のページ 

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ヒルベルト・ローマン(Gilberto Roman)のページ

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