英国の世界ミドル級王者、ミンター。サウスポーのカウンターパンチャー。ビト・アンツォフェルモ戦(初戦・再戦)、マービン・ハグラー戦を紹介します。
アラン・ミンター(イギリス)
身長175cm:サウスポー
①アラン・ミンター 15R 判定 ビト・アンツォフェルモ
(世界ミドル級タイトル戦、1980年)
ミンター:右ジャブ、左ストレート、右フック
アンツォフェルモ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
14R:左フックでミンターがダウン
(感想:ミンターがタイトル獲得。イギリスのミンター。ニックネームは「Boom Boom」だが、テクニックで勝負するタイプ。11歳でボクシングを始める。1972年のミュンヘンオリンピックではライトミドル級で銅メダル。ロンドンでプロデビュー(勝利)。しかし、連戦連勝とはいかず、連敗したことも。英国王座、欧州王座(いずれもミドル級)を獲得したり、エミール・グリフィスに勝利したりといった実績を上げ、この世界初挑戦。イタリアのアンツォフェルモは「傷だらけの男」(負傷することがよくある)。前回の試合ではマービン・ハグラーと引分けた「しぶといタイプ」。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦。ミンターが丹念にジャブ、ストレート。アンツォフェルモはジャブが少なく、右ストレートを狙うがあまり当たらない(6Rにヒット)。ジャブ無しで前に出るアンツォフェルモにミンターはジャブ、ストレートでカウンターを取ったり、クリンチで攻撃を防いだり。ねちっこく攻めるアンツォフェルモの左フックが決まるシーンもあるが、継続してパンチを当て続けることができない。14R、左フックでミンターがダウン。15R終了で判定は2-1。アンツォフェルモの「攻める姿勢」を評価したジャッジがいたということか。やや受け身ではあったが、ミンターのカウンターの方が良かったと思う。攻めが単調だったアンツォフェルモ。もう少し「王者らしい工夫」をして欲しかったところ。)
②アラン・ミンター 9R TKO ビト・アンツォフェルモ
(世界ミドル級タイトル戦、1980年)
ミンター:右ジャブ、左ストレート、右フック
アンツォフェルモ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ミンターがタイトル初防衛。ロンドン「ウェンブリー・アリーナ」で立場を入れ替えて再戦(ダイレクト・リマッチ)。前回とは違って左を使いながら前に出るアンツォフェルモ。しかし、攻めてもディフェンスされ、しかも1Rから出血。ミンターは前と同じように丹念にジャブ、ストレートでカウンターを取る。7R、ドクターがアンツォフェルモのキズをチェック。8R終了で棄権。ダウンシーンは無し。元々、器用ではないアンツォフェルモ。ミンターの「キチンとしたボクシング」を崩すことはできなかった。)
③マービン・ハグラー 3R TKO アラン・ミンター
(世界ミドル級タイトル戦、1980年)
ミンター:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ハグラー:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ハグラーがタイトル獲得。「無冠の帝王」ハグラーが「ウェンブリー・アリーナ」で二度目の世界挑戦。ミンターにとっては二度目の防衛戦。サウスポー対決。共にジャブを使って1Rから打ち合う。飛び込んでいくような打ち方で強い右フックを当てるハグラー。3R、右フック連打を浴びてグラついたミンターが激しく出血。キズによるTKOで試合終了。ダウンシーンは無し。ミンターの敗北に不満のファンがリングに物を投げ入れたため、新王者ハグラーは勝利のセレモニーを行うことなく控え室に避難。ビト・アンツォフェルモと引き分けて最初のチャンスで世界を獲れなかったハグラーが二度目のチャンスで王者に。サウスポー同士の対戦だったが、パンチの伸び、パワー、当てる巧さ、踏み込みの速さ、ディフェンスなどでハグラーが上だった(その後「最強のミドル級」としてハーンズやムガビらと激戦を展開)。ミンターはその後、三試合。最後はムスタファ・ハムショ、トニー・シブソンに連敗。ハムショもシブソンも後にハグラーに挑戦してKOされた。)
Vito Antuofermo vs. Alan Minter」
②「World Middleweight Title
Alan Minter vs. Vito Antuofermo」
③「World Middleweight Title
Alan Minter vs. Marvin Hagler」
ビト・アンツォフェルモ(Vito Antuofermo)のページ
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