2021年3月5日金曜日

ケルビン・シーブルックス(Kelvin Seabrooks)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

IBF世界バンタム級王者。ストレートパンチャーのシーブルックス。ティエリー・ヤコブ戦、アーニー・カタルーニャ戦、オーランド・カニザレス戦(再戦)を紹介します。

ケルビン・シーブルックス(Kelvin Seabrooks)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ケルビン・シーブルックス(アメリカ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)

ケルビン・シーブルックス 10R TKO ティエリー・ヤコブ

(IBF世界バンタム級タイトル戦、1987年)

シーブルックス:左ジャブ、右ストレート、左フック

ヤコブ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:右ストレートでヤコブがダウン。左フック、左ストレートで2度、シーブルックスがダウン。

6R:連打でシーブルックスがダウン

(感想:シーブルックスがタイトル防衛。ノースカロライナ州シャーロット出身のシーブルックス。スリムなボクサーファイター型。家庭は豊かではなかったという。アマチュアで優秀な選手だったが、モスクワオリンピックには出場ならず。プロになったが、当時のアメリカでは軽量級に対する関心は低く、対戦相手もシーブルックスより大きい選手が多かったため、敗北を喫することが多かった。引退を考えたほどだったというが、世界ランカーのフレディ・ジャクソンをKOして注目を集める。全米バンタム級タイトルを獲得し、その次の試合で空位のIBF世界バンタム級タイトル獲得。このヤコブ戦は初防衛戦となる。ヤコブはフランスのサウスポー。デビュー以来、全勝。フランス・バンタム級タイトルを獲得している。フランスで行われた試合。壮絶な打撃戦。1R開始早々、右ストレートでダウンを奪うシーブルックス。ジャブからの右ストレートで攻める。ヤコブは小刻みにジャブを使って、思い切った左ストレートを打ち、シーブルックスが逆に左フックで倒される。さらにダウン(先にダウンしたヤコブよりもシーブルックスの方がダメージがありそう)。勢いに乗るヤコブに合わせて打ち合うシーブルックス。テンポの速い打ち合い。ボディを攻撃するなど、打ち合いではヤコブが優勢。6R、左フックからの連打でシーブルックスがダウン。それでも打ち合うシーブルックス。激しい打撃戦。ところが9R終了でヤコブが棄権。キズが原因と思われる。本来ならばジャブで距離を取って右ストレートを打つシーブルックスがダウンを最初に奪ったことで攻撃的になった。そのため逆に倒され、かなり打たれた。ダウンを奪ったからといって自分が優勢になったとは限らない。この試合でのシーブルックスの戦い方。よく打ち合ったと称賛すべきか、もっとクレバーに戦えばよかったと批判的に見るか。激しい試合はエキサイティングではあるが、選手のダメージを考えると喜んでいいものなのかどうか、ファンとしては悩ましいところ。ヤコブは後、ダニエル・サラゴサを破ってWBC世界J・フェザー級王座を獲得。)


ケルビン・シーブルックス 4R KO アーニー・カタルーニャ

(IBF世界バンタム級タイトル戦、1987年)

シーブルックス:左ジャブ、右ストレート、左フック

カタルーニャ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:左フックでシーブルックスがダウン

4R:左フック、右ストレートで2度、カタルーニャがダウン

(感想:シーブルックスがタイトル防衛。イタリアで行った二度目の防衛戦。カタルーニャは後に日本のリングに上がることになるフィリピンの選手。フィリピン王座、東洋太平洋王座(いずれもバンタム級)を獲得した実績。開始から左右フックでカタルーニャが猛ラッシュ。シーブルックスを押し倒す(反則)。なんとかディフェンスしながら打ち返すシーブルックスだが、左フックでふっ飛ばされるようにダウン。2Rからは距離を取って打ち合うシーブルックス。ジャブを使って、右ストレート、左フックで立て直す。カタルーニャは左ストレートを狙うが、4R、右が効いて後退。連打からの左フックでダウン。さらに右ストレートでダウンして立てず、KO。シーブルックスが逆転勝利。冷静にディフェンスして、離れても接近してもパワフルなパンチを打っていた。カタルーニャは1Rは凄まじかったが、2Rからは普通の感じに。1Rでスタミナ切れ?)


オーランド・カニザレス 11R TKO ケルビン・シーブルックス

(IBF世界バンタム級タイトル戦、1989年)

シーブルックス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

カニザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:カニザレスがタイトル防衛。実力者カニザレスに王座を奪われたシーブルックス。立場を入れ替えて再びアトランチックシティで対戦。前回は15R制で行われ、15RでカニザレスがTKO勝ち。今回は12R制での試合となる。ジャブ、ストレートのシーブルックス。カニザレスはテンポ良くジャブ、連打、左でボディ打ち。手数が多いカニザレスは例の「首を振ってパンチをかわすテクニック」を使うため、打たれても連続して打たれたりはしない。シーブルックスも手数を増やしてパワフルな左フックを振るうが、パンチを当てるのはカニザレスの方が巧い印象。8R、右目が腫れたシーブルックスが左フックを食って後退。11R、左フックが効いたシーブルックス。連打を浴び、ギブアップするかのような感じでレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。この試合まで25勝(19KO)13敗のシーブルックス。負けが多い選手ではあるが、この試合ではパワーもスピードもあって実に強かった。勝ったカニザレスを称賛すべき。強い選手でも負けるのがプロボクシング。この試合に敗者はいなかったと言ってもいいと思う。その後、シーブルックスは負けが多くなり引退。引退後はガードマンや若手ボクサーの指導を務めているという。)

①「IBF World Bantamweight Title

Kelvin Seabrooks vs. Thierry Jacob」

②「IBF World Bantamweight Title

Kelvin Seabrooks vs. Ernie Cataluna」

③「IBF World Bantamweight Title

Orlando Canizales vs. Kelvin Seabrooks」

オーランド・カニザレス(Orlando Canizales)のページ

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