スピード&ハードパンチのメキシコ・バンタム級。ジェリー・ストークス戦、アーニー・クルス戦、ルーベン・オリバレス戦(初戦)ほかを紹介します。
チューチョ・カスティーヨ(メキシコ)
身長163cm:オーソドックス(右構え)
①チューチョ・カスティーヨ 2R KO ジェリー・ストークス
(バンタム級戦、1966年)
カスティーヨ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ストークス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
右フックでストークスがダウン
(感想:メキシコのカスティーヨ。本名はヘスス・カスティーヨ・アギレラ。ニックネームの「Chucho」とはどういう意味なのだろう(調べたが、あまりいい意味ではなかった)。デビュー戦で敗北。その後もいくつか敗北を喫しながらも実力を付けている最中。ストークスは1961年デビューのロサンゼルスの黒人で、中堅どころ。ライオネル・ローズに判定負けしている。メキシコシティでの一戦(ダイジェスト映像で観戦)。カスティーヨはパワフルにジャブ、ストレート、フックを打ち、しかもスピードがある。特に左フックが強い。ストークスも良い選手。スラリとした体型からジャブ。カスティーヨの右フックがカウンターとなってストークスがダウン。ワンパンチKO。カスティーヨはバランスが良く、かなりパワーがあった。その後のストークス。連勝したと思ったら敗北、の不安定さ。キャリア終盤は連敗続きでラストファイトは1971年。エデル・ジョフレにKO負けだった。)
②チューチョ・カスティーヨ 8R KO ベルナルド・カラバリョ
(バンタム級戦、1967年)
カスティーヨ:左ジャブ、右ストレート、フック
カラバリョ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
1R:左ジャブでカラバリョがダウン
2R:左ジャブでカラバリョがダウン
(感想:ストークス戦後、連勝のカスティーヨ。ジョー・メデルに判定勝ちしてメキシコ王座を獲得(1967年。メデルにとってはファイティング原田の世界バンタム級王座に挑戦して敗れた再起戦だった)。カラバリョはコロンビア・カルタヘナ出身の黒人。コロンビア王座(フライ級、バンタム級)を獲得後、エデル・ジョフレの世界バンタム級王座に挑戦してKO負け。原田の世界バンタム級王座に挑戦したときは判定負け。再起二戦目でカスティーヨと対戦。メキシコシティでの一戦(ハイライト映像で観戦)。1R、互いにジャブ、左フック。ファイターのカスティーヨは左フックを狙う。ボクサータイプのカラバリョは相手から距離を取ってパンチに伸びがあるところを披露し、接近戦では連打。ところが左ジャブであっさりダウン。2Rにも左ジャブを食ってグラつくカラバリョ。フック連打で攻められてジャブでダウン。7R、アウトボクシングするカラバリョ、攻めるカスティーヨ(2R以降の途中経過は不明だが、次第にカラバリョはカスティーヨの攻撃に慣れていったものと思われる)。8R開始のゴング。スツール(イス)から立たないカラバリョにレフェリーがカウントしてKO。カスティーヨが相手を棄権に追い込んで勝利。ジャブでダウンを奪うとは(相当固いコブシなのだろう)。カラバリョは優秀だが、非力な印象。それでは世界は獲れない。しかし、その後も多くの試合。エルネスト・マルセルにKO負けしたが、コロンビア・フェザー級王座を獲得。1977年までリングに上がった。)
③チューチョ・カスティーヨ 5R KO アーニー・クルス
(バンタム級戦、1969年)
カスティーヨ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
クルス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
5R:左ボディフックでクルスがダウン
(感想:カラバリョ戦後、メキシコ王座を防衛したカスティーヨ。ヘスス・ピメンテルに勝利して世界バンタム級王座挑戦権を得たが、王者ライオネル・ローズに負けて世界獲得ならず。再び世界を目指す状況。クルスはフィリピン人で、勝ったり負けたり。負けてはいるが、ルーベン・オリバレス、ライオネル・ローズと対戦している。メキシコシティでの一戦。共にフットワークとジャブ。1Rは静かな展開であったが、2Rからは当たったら一発で倒れそうなパンチで打ち合う。5R、カスティーヨがパワフルなフック連打。左ボディフックでクルスがダウン、立てず。フック連打がパワフルだったカスティーヨ。クルスも右ストレート、左フックに迫力があって良い選手。後、クルスは再起戦でベン・ビラフロアに判定負け。歌川善介ら日本選手に勝利。レベルが高かった時代の実力者であった。)
④ルーベン・オリバレス 15R 判定 チューチョ・カスティーヨ
(世界バンタム級タイトル戦、1970年)
カスティーヨ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
オリバレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:右フック(?)でオリバレスがダウン
(感想:オリバレスがタイトル防衛。クルス戦後、ジョー・メデルにドローでメキシコ王座を防衛したカスティーヨ。ラウル・クルスに一勝一敗で、二度目の世界挑戦のチャンス。王者オリバレスは「怪物」。デビュー以来、KOの山を築き、ライオネル・ローズを打ちのめして世界王座獲得。これまで無敗。これが二度目の防衛戦。カリフォルニア「フォーラム」でのハードパンチャー同士の一戦。共にジャブを使って左フックを打ち込む似た戦い方。ジャブで距離を取って、ディフェンスしながら打ち合い。3Rのダウンは速いパンチがカウンターになったもの(非常に速く、映像では角度的によく見えなかった。右のカウンターだと思う)。互いにボディ攻撃。動き・パンチのスピードはややカスティーヨの方が上。しかし、オリバレスが先手を取って、カスティーヨが応戦する、というパターン。15R終了。判定は3-0。カスティーヨは勝てるだけの実力がありながら「積極性」に欠けていた。再戦ではカスティーヨが勝って世界獲得(オリバレスが初黒星)。三戦目はオリバレスが勝利し、王座奪回。三度目の世界挑戦で世界王者になったカスティーヨ。王者だった期間は短かったが、本来ならもっと防衛できたはずのパワーの持ち主。試合によってムラがある選手だったのかもしれない。キャリア晩年は負けが込んでしまったが、相手はエンリケ・ピンダー、ボビー・チャコン、ラファエル・オルテガ、ダニー・ロペスといった実力者ばかりだった(オルテガに勝利)。)
①「Bantamweight
Chucho Castillo vs. Jerry Stokes」
②「Bantamweight
Chucho Castillo vs. Bernardo Caraballo」
③「Bantamweight
Chucho Castillo vs. Ernie Cruz」
④「World Bantamweight Title
Ruben Olivares vs. Chucho Castillo」
ルーベン・オリバレス(Rubén Olivares)のページ
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