2021年1月22日金曜日

メルチョル・コブ・カストロ(Melchor Cob Castro)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

あまりにも頑丈な世界J・フライ級王者、カストロ。ラスベガスで行われたウンベルト・ゴンザレス戦、金奉準戦、マイケル・カルバハル戦ほかを紹介します。

メルチョル・コブ・カストロ(Melchor Cob Castro)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

メルチョル・コブ・カストロ(メキシコ)

身長153cm:サウスポー


ウンベルト・ゴンザレス 12R 判定 メルチョル・コブ・カストロ

(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1991年)

カストロ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

ゴンザレス:ジャブ、ストレート、左右フック

(感想:ゴンザレスがタイトル奪回。カストロはタフな男(軽量級の選手は背が低いことが多いが、その分、ガッチリした体格で、腕っぷしが強いことが多い)。アマチュアで少し経験を積み、1985年に16歳でプロデビュー。デビュー当初は思うように勝てなかったが、コツを掴んだか、その後は良い戦績。WBC米大陸J・フライ級タイトルを獲得し、王者ローランド・パスクワを精力的な攻めでギブアップさせてWBC世界J・フライ級タイトル獲得。打たれても倒れない頑丈さとディフェンスの巧さを持つ、相手からすれば厄介な選手。これまで29勝(14KO)2敗4分。これが初防衛戦となる。挑戦者ゴンザレスはスイッチヒッターの元王者。カストロと同じメキシカン。身長は155cmで小さいが、ガッチリした身体なのも同じ。現在WBC2位で、これまで30勝(24KO)1敗(「1敗」はローランド・パスクワにまさかのKO負けでこのタイトルを失った試合)。ラスベガス「シーザース・パレス」で行われた小さいタフ男同士の一戦(レフェリーはリチャード・スティール)。足で距離を取ってジャブ、連打するカストロ。ゴンザレスは左右にスイッチしながら慎重にジャブ、ストレートを打つ。接近戦では連打での打ち合い。そのパターンで12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ゴンザレスが丁寧にパンチを当てて勝利。カストロはパスクワ戦で見せたようなリズムに乗った連打があまりなかった。ゴンザレスはパスクワにKOされたためか慎重な試合ぶりで、以前のような豪快さが影を潜めたように見えた。しかし、その後もゴンザレスはJ・フライ級で活躍。マイケル・カルバハルとの「100万ドルマッチ」も話題に。)


メルチョル・コブ・カストロ 10R 判定 金奉準

(フライ級戦、1993年)

カストロ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

金:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ウンベルト・ゴンザレスとの再戦に敗れて王座を奪回できなかったカストロ。ラスベガスで金と試合。金は大橋秀行、井岡弘樹との試合で日本でもおなじみの元WBA世界ストロー級王者。日本のファンとしてはアメリカで金がどんな戦いぶりを見せるか興味深いところ。「シーザース・パレス」での一戦(レフェリーはトビー・ギブソン)。右ストレート、左右フックで積極的に前に出る金。しかし、応戦するカストロのフックの方が正確。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。金はよく攻めたが、ディフェンスされてしまった。また、相手の首を押さえて打つ反則を連発(クセになっているのだと思われる)。地元ならやりたい放題できただろうが、ここはアメリカ。注意されたり、減点されたりして戦いづらそうだった。その後、金は二試合。最後は日本でTKO負けだった。)


マイケル・カルバハル 12R 判定 メルチョル・コブ・カストロ

(IBF世界J・フライ級王座決定戦、1996年)

カストロ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

カルバハル:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:カルバハルがタイトル奪回。金戦後、ドミンゴ・ソーサ、レオン・サラサールといった実力者を破って好調のカストロ。「IBF1位」として2位の元王者カルバハルと決定戦。カルバハルは「小さな石のコブシ」と呼ばれるパンチャーで、ウンベルト・ゴンザレスとは1勝2敗のライバル関係。かつて保持していたIBF王座を奪回できるかどうか、といったところ。ラスベガスの「MGM Grand」での試合(レフェリーはジェイ・ネイディ)。左右フックで攻めるカストロ。一発一発にパワーを込めるタイプのカルバハルは速いジャブからの右ストレートと左フック。互いにディフェンスができるためダウンシーンなどの大きなシーンがないまま12R終了。3-0。カルバハルのジャブが評価されたか。タフな者同士の試合にしては盛り上がらなかった。その後もカルバハルはリングへ。ライバルのスコッティ・オルソンを下すなどの活躍はあったが、最も勢いがあった頃の魅力には及ばなかった。) 


ファン・ドミンゴ・コルドバ 12R 判定 メルチョル・コブ・カストロ

(WBO世界J・フライ級タイトル戦、1998年)

カストロ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

コルドバ:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:コルドバがタイトル獲得。カルバハル戦後、ローカル王座、WBC米大陸王座(いずれもJ・フライ級)を獲得して好調のカストロ。ヘスス・チョンを大差の3-0で破ってWBO王者に。敵地で初防衛戦。年齢は30。挑戦者コルドバ(26歳)はアルゼンチンのサンチアゴ・デル・エステロ出身。1992年プロデビュー。地元で連勝。南米王座、WBCインター王座、アルゼンチン王座(全てJ・フライ級)を獲得。初の海外試合(ネバダ州)でウンベルト・ゴンザレスのWBC・IBF世界J・フライ級王座に挑戦したが、TKOで初黒星(1994年)。IBFインターコンティネンタル王座(フライ級)獲得後、チャッチャイ・サーサクンとWBC世界フライ級暫定王座を争ったが、これも敗北、残すターゲットは世界王座のみ、といった状況でカストロに挑戦。アルゼンチンのラ・バンダでの一戦(レフェリーはロベルト・ラミレス。カストロのセコンドにナチョ・ベリスタイン)。共に慎重な試合ぶり。カストロは右ジャブ、接近戦では左右フック乱れ打ち。コルドバは左を使いながら右ストレート、左フック。しかし、攻防分離。攻められるとクリンチし、カウンターを取る芸当は無い。ディフェンシブながら時折右ストレート、左フックを当てるコルドバに地元ファンは大いに盛り上がる。カストロもたまにパンチを当てるが、当たりが浅め。12R終了。勝利を確信しているコルドバ陣営。判定は小差の3-0(ダウンシーンは無し)。コルドバが相手のパンチを警戒しまくって勝利。つまらない勝ち方だったが、どうしても勝ちたかったのだろう。カストロは残念な男。異常なほどタフでディフェンスもできるにもかかわらず、なぜか慎重。もっと積極的に打っていけば勝てた(それが大物ゴンザレス、カルバハルに勝てなかった理由。今更ながら、もったいない)。その後の二人。コルドバは初防衛戦でホルヘ・アルセに3-0の敗北。二階級制覇を狙ってフェルナンド・モンティエルのWBO世界フライ級王座に挑戦したが、1RでKO負け。それが最後の試合に。カストロはIBA王座(フライ級)、北米王座(J・フライ級)などを獲得後に世界王座返り咲きを狙ってホルヘ・アルセのWBC世界J・フライ級王座に二度挑戦したが、王座奪回ならず。その後もブランクがちに試合し、2008年までリングに上がった。)


①「WBC World Light Flyweight Title

Melchor Cob Castro vs. Humberto Gonzalez」

②「Flyweight 

Melchor Cob Castro vs. Bong Jun Kim」

③「vacant IBF World Light Flyweight Title

Melchor Cob Castro vs. Michael Carbajal」

④「WBO World Light Flyweight Title
Melchor Cob Castro vs. Juan Domingo Cordoba」

ローランド・パスクワ(Rolando Pascua)のページ
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ウンベルト・ゴンザレス(Humberto "Chiquita" Gonzalez)のページ
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金奉準(キム・ボンジュン:Bong-Jun Kim)のページ
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マイケル・カルバハル(Michael Carbajal)のページ

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