あまりにも頑丈な世界J・フライ級王者、カストロ。ラスベガスで行われたウンベルト・ゴンザレス戦、金奉準戦、マイケル・カルバハル戦を紹介します。
メルチョル・コブ・カストロ(メキシコ)
身長153cm:サウスポー
①ウンベルト・ゴンザレス 12R 判定 メルチョル・コブ・カストロ
(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1991年)
カストロ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ゴンザレス:ジャブ、ストレート、左右フック
(感想:ゴンザレスがタイトル奪回。カストロはタフな男(軽量級の選手は背が低いことが多いが、その分、ガッチリした体格で、腕っぷしが強いことが多い)。アマチュアで少し経験を積み、16歳でプロデビュー。デビュー当初は思うように勝てなかったが、コツを掴んだか、その後は良い戦績。WBC米大陸J・フライ級タイトルを獲得し、王者ローランド・パスクワを精力的な攻めでギブアップさせてWBC世界J・フライ級タイトル獲得。打たれても倒れない頑丈さとディフェンスの巧さを持つ、相手からすれば厄介な選手。これまで29勝(14KO)2敗4分。これが初防衛戦となる。挑戦者ゴンザレスはスイッチヒッターの元王者。カストロと同じメキシカン。身長は155cm、と小さいがガッチリした身体つきなのも同じ。現在はWBC2位で、これまで30勝(24KO)1敗(「1敗」はローランド・パスクワにまさかのKO負けでこのタイトルを失った試合)。ラスベガス「シーザース・パレス」で行われた一戦。足で距離を取ってジャブ、連打するカストロ。ゴンザレスは左右にスイッチしながら慎重にジャブ、ストレートを打つ。接近戦では連打での打ち合い。判定は3-0。ダウンシーンは無し。ゴンザレスが丁寧にパンチを当てて勝利。カストロはパスクワ戦で見せたようなリズムに乗った連打があまりなかった。ゴンザレスはパスクワにKOされたためか慎重な試合ぶりで、以前のような豪快さが影を潜めたように見えた。)
②メルチョル・コブ・カストロ 10R 判定 金奉準
(フライ級戦、1993年)
カストロ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
金:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ウンベルト・ゴンザレスとの再戦に敗れて王座を奪回できなかったカストロ。ラスベガスの「シーザース・パレス」で金と試合。金は大橋秀行、井岡弘樹との試合で日本でもおなじみの元WBA世界ストロー級王者。右ストレート、左右フックで積極的に前に出る金。しかし応戦するカストロのフックの方が正確。判定は3-0。ダウンシーンは無し。金はよく攻めたがディフェンスされてしまった。相手の首を押さえて打つ反則を頻繁にやっていた金(クセになっているのだと思われる)。地元ならやりたい放題できただろうが、ここはアメリカ。注意されたり、減点されたりして、戦いづらそうだった。)
③マイケル・カルバハル 12R 判定 メルチョル・コブ・カストロ
(IBF世界J・フライ級王座決定戦、1996年)
カストロ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
カルバハル:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:カルバハルがタイトル奪回。IBF1位のカストロ、2位の元王者カルバハルの試合。カルバハルは「小さな石のコブシ」と呼ばれるパンチャーで、ウンベルト・ゴンザレスとは1勝2敗のライバル関係。ラスベガスの「MGM Grand」での試合。左右フックで攻めるカストロ。一発一発にパワーを込めるタイプのカルバハルは速いジャブからの右ストレートと左フック。互いにディフェンスができるためダウンシーンなどの大きなシーンがないまま12R終了。3-0。ジャブが評価されたか。負けてしまったカストロだが、後にWBOタイトルを獲得。タフでディフェンスもできるにもかかわらず、フットワークとジャブで相手の様子をうかがう慎重な男。異常なほどタフなのだからもっと打っていけば大物ゴンザレス、カルバハルにも勝てたかもしれなかったのに。今更ながら、少しもったいない感じ。)
Melchor Cob Castro vs. Humberto Gonzalez」
②「Flyweight
Melchor Cob Castro vs. Bong Jun Kim」
③「vacant IBF World Light Flyweight Title
Melchor Cob Castro vs. Michael Carbajal」
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