2020年9月18日金曜日

カリ・ライルー(Khalid Rahilou)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

モロッコ出身のJ・ウェルター級、ライルー。バレリー・カユンバ戦、フランキー・ランドール戦、シャンバ・ミッチェル戦を紹介します。

カリ・ライルー(Khalid Rahilou)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

カリ・ライルー(モロッコ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)

カリ・ライルー 12R 判定 バレリー・カユンバ
(欧州J・ウェルター級タイトル戦、1994年)
ライルー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
カユンバ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ライルーがタイトル獲得。「カレーライス」みたいな名前のカリ・ライルー。モロッコ出身(モロッコ系フランス人)。「モロッコ代表」としてソウル・オリンピック(1988年)にライトウェルター級で出場(メダルは獲得ならず)。プロ入り。敗北もあったが、フランスのJ・ウェルター級王座を獲得。黒人選手カユンバはコンゴ民主共和国出身で、フランス国籍を持つ男。デビュー以来、無敗で欧州J・ウェルター級王座を獲得したが、クリスチャン・メルルに2RでKO負け、王座陥落、初黒星。メルルをTKOで破り、王座奪回。そしてこの試合。フランスで行われた一戦。共にバランスが良く、ジャブを基本に試合を組み立てる。ジャブの打ち合い。カユンバはジャブを連打して、伸びる右ストレート。ライルーはジャブ以外のパンチがあまり出ない。カユンバが手数で上回ったな、と思ったら、判定は3-0でライルー。ダウンシーンは無し。判定を聞いて「信じられない」といった表情で首を振るカユンバ。勝利に大喜びのライルー。世界王者を認定する団体が増えて、世界王者を数えるだけでも苦労するボクシングファン。世界タイトルを獲っていない選手はほとんど忘れ去られてしまっているのではないだろうか? 世界王者級の実力を見せたカユンバのような選手がファンから思い出されることもないというのであれば非常に残念なことだと思う。) 

カリ・ライルー 11R TKO フランキー・ランドール
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1997年)
ライルー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ランドール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ライルーがタイトル獲得。ゲルト・ボー・ヤコブセン(元WBO世界ウェルター級王者)らを相手に欧州王座を防衛し続けたライルーがアメリカで初の世界挑戦。王者ランドールは「フリオ・セサール・チャベスを初めて負かした男」として有名な選手。ファン・マルチン・コッジから奪回した王座の初防衛戦。共にガードを上げてジャブを使う。足を使って打ち合いを避けるライルーをジャブで追うランドール。ライルーが次第に左のボディ打ちと右ストレートを出し始める。9R、右ストレートでグラつくランドール。11R、連打でコーナーに詰められたランドールがさらに連打されてレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。ランドールは得意の右ストレートをディフェンスされてしまったうえに、打たれ弱さがあった。全盛を過ぎていたのだろう。ライルーは右のパンチが強かったが、序盤は消極的で、勝負に出たのは中盤以降。そういう作戦だったのだろうが、「逃げている」という印象の試合運びだったため、「強い王者が誕生した」という感じはなかった。)

シャンバ・ミッチェル 12R 判定 カリ・ライルー
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1998年)
ライルー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ミッチェル:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:左ストレートで2度、ライルーがダウン
3R:左ストレートでライルーがダウン
7R:右ストレートでライルーがダウン
(感想:ミッチェルがタイトル獲得。パリで行われたライルーの三度目の防衛戦。世界ランク1位でサウスポーのミッチェルはジャブ・連打を使う手数の多い選手。二連敗したこともあったが、北米ライト級王座、WBC米大陸J・ウェルター級王座、WBAの地域王座(J・ウェルター級)を獲得している。ヘクター・カマチョっぽいヒラヒラしたトランクスでミッチェルがリング入場。ライルーが2R、3Rにダウン。下がりながら応戦するライルー。7Rにもダウン。終盤、打ち合うライルーだが、ミッチェルが回転の速い連打。判定は3-0。早い回にダウンを奪われてしまったため、「ダメージを避けながら終盤に挽回する作戦」が使えなかったライルー。ミッチェルのスピードと手数に完敗。強い右ストレートでもっと積極的に攻めて欲しかったところ。その後、ライルーはWBAのインター王座(J・ウェルター級)を獲得したが、世界王座復帰ならず。)

①「EBU Super Lightweight Title
Valery Kayumba vs. Khalid Rahilou」
②「WBA World Super Lightweight Title
Frankie Randall vs. Khalid Rahilou」
③「WBA World Super Lightweight Title
Khalid Rahilou vs. Sharmba Mitchell」

バレリー・カユンバ(Valery Kayumba)のページ
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フランキー・ランドール(Frankie "The Surgeon" Randall)のページ

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