IBF世界J・ライト級王者。IBF王座戦のレスター・エリス戦、崔鎮植戦、ナジブ・ダホ戦(再戦)ほかを紹介します。「世界の強豪ボクサーボクシング・ブログ」
バリー・マイケル(オーストラリア)
身長 cm:オーソドックス(右構え)
①バリー・マイケル 15R 判定 レスター・エリス
(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1985年)
マイケル:左ジャブと左右フック
エリス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:マイケルがタイトル獲得。イギリス生まれで幼い頃にオーストラリアに移住したマイケル。アマチュアをそこそこ経験した後、18歳でプロ入り。オーストラリア・ライト級王座などを獲得しているが、クロード・ノエル(元WBA世界ライト級王者。後、日本で浜田剛史にKO負け)には2-0で判定負けしている。王者エリスは柳煥吉から2-1の判定勝ちで王座を獲得したオーストラリアの白人。ジャブを中心に試合を進める正統派。メルボルンでのオーストラリア同士の対戦。1Rから左右フックで打ち合う。ジャブで距離を取って、連打するエリス。マイケルは接近して左右フックで攻撃。しかしながら、どちらかというと無器用なところがある二人。クリンチが多く、もみ合う内容。どちらが勝っているとは言い難い展開のまま15R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。エリスの方からクリンチに行くことが多かったが、マイケルのしつこい攻めに根負けしたのだと思われる。クリンチが多いため15Rが長く感じた。レフェリーも両者を引き離すのに忙しそうだった。その後、エリスは階級を上げながら多くの試合。地域王座、IBO王座(ライト級、J・ミドル級)を獲得。IBF王座陥落後の方が本番、といった活躍ぶりだった。)
②バリー・マイケル 4R TKO 崔鎮植
(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1985年)
マイケル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
崔:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
4R:右ストレートで崔がダウン
(感想:マイケルがタイトル初防衛。挑戦者の崔(韓国)。ここのところ連勝中ではあるが、東洋太平洋J・ライト級タイトル戦でフィリピンのロッド・セクエナンにTKO負けするなど、まだ王座を獲得したことがない(セクエナンはレスター・エリスが王者だった頃にIBF世界J・ライト級タイトルに挑戦して敗北)。オーストラリア・ダーウィンでの一戦。1Rから両者とも左右フックで打ち合うタフな殴り合い。3Rには猛烈な連打で崔が王者を追い込む。4Rも崔は攻めるが、左フックからの右ストレートを食ってダウン。ロープ際で連打されてレフェリーストップ。マイケルが打たれ強さと(ケンカでも負けない)気の強さで勝利。どちらが勝ってもおかしくないほどの壮絶な打撃戦だった。崔はその後、数試合。最後は元世界王者ローランド・ナバレッテにTKO負けだった。)
③バリー・マイケル 4R TKO マーク・フェルナンデス
(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1986年)
マイケル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
フェルナンデス:右ジャブ、左ストレート、右フック
(ダウンシーン)
4R:左ボディでフェルナンデスがダウン
(感想:マイケルがタイトル防衛。31歳のマイケルが二度目の防衛戦。挑戦者フェルナンデス(22歳)はコロラド州デンバー出身。ニックネームは「King Cobra」。1982年のデビューから連勝後、判定で初黒星。ロッド・セクエナンに判定勝ち。これが初の王座戦。メルボルンでの一戦。ボクサータイプのフェルナンデス。典型的なサウスポーで、距離を取って右ジャブ、左ストレートからの右フック。マイケルは無骨な前進。右ストレート、フックを当てようとする。互いにストレートを狙う展開。フェルナンデスは攻めるときは攻めるが、守るときは防戦一方(攻防分離型)。そのためマイケルの攻めを持て余す。4R、左ボディでフェルナンデスがあっけなくダウン。立ったが、左右フック、ボディ連打を浴びてレフェリーストップ。マイケルが積極さで勝利。大したボディ打ちには見えなかったが、フェルナンデスは悶絶。きっとキツい場所に入ったのだろう。その後、フェルナンデスは多くの試合。中堅どころには勝てたが、マウリシオ・アセベス、ディンガン・トベラ、ジェシー・ジェームス・レイハ、スティーブ・ジョンストン、ミッキー・ウォードといった実力者には敗北。2000年までリングに上がり続けた。)
④バリー・マイケル 12R 判定 ナジブ・ダホ
(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1986年)
マイケル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ダホ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:マイケルがタイトル防衛。三度目の防衛戦はダホとの再戦(初戦はダホが判定勝ち)。これまで30勝(8KO)18敗1分のダホ(モロッコ出身)。パッとしないレコードだが、英国J・ライト級タイトルを獲得したり、パット・カウデル(サルバドル・サンチェス、アズマー・ネルソンのWBC世界フェザー級王座に挑戦。いずれも敗北)に勝利したりといった実績(負けながら強くなっていった選手だと思われる)。英国マンチェスターでの一戦。1Rから攻めるダホ。よく伸びるジャブ、思い切った右ストレートを打つ。接近してボディを叩くマイケル。ボディが効いたのか、ダホは後退したり、クリンチしたり。前に出続けるマイケル。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ダホは良い選手だったが、スタミナ切れになったのが残念。一方、攻めの姿勢でまたしても防衛に成功したマイケルだが、次の防衛戦でロッキー・ロックリッジに敗北、引退。マイケルはキレイな打ち方をする器用な選手ではなかったため、世界王者としては地味な存在だと思われるが、「15Rに渡って攻め続けるスタミナ」と「打ち合いで一歩も引かない気の強さ」を持つ、なかなかの「ケンカ屋」だった。引退後はボクシング中継の解説をしたり、新聞のスポーツ欄を担当したりしているとか。)
①「IBF World Super Featherweight Title
Lester Ellis vs. Barry Michael」
②「IBF World Super Featherweight Title
Barry Michael vs. Jin-Shik Choi」
③「IBF World Super Featherweight Title
Barry Michael vs. Mark Fernandez」
④「IBF World Super Featherweight Title
Barry Michael vs. Najib Daho」
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