2020年5月13日水曜日

フランチェスコ・ダミアニ(Francesco Damiani)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

初代WBO世界ヘビー級王者、ダミアニ。タイレル・ビッグス戦、ジョニー・デュプロイ戦、ダニエル・エデュアルド・ネト戦を紹介します。

フランチェスコ・ダミアニ(Francesco Damiani)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

フランチェスコ・ダミアニ(イタリア)
身長190cm:オーソドックス(右構え)

フランチェスコ・ダミアニ 5R TKO タイレル・ビッグス
(ヘビー級戦、1988年)
ダミアニ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ビッグス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:アマチュアで実績を残したダミアニ。世界選手権やワールドカップで好成績。キューバの伝説的な名選手テオフィロ・ステベンソンに勝ったこともある。しかしながら、1984年ロサンゼルスオリンピックではスーパーヘビー級で銀メダル。金メダルを獲ったのはビッグス。二人のアマチュアでの対戦は全てビッグスが勝っている。26歳で遅いプロ転向。WBCのインター王座、欧州王座を獲得するなど、これまで全勝。これまで一度もダウンしたことがないということだが、「スピードに欠ける」という評価も。ビッグスはプロ入りして鋭いジャブ、ストレートで連勝したが、マイク・タイソンの世界ヘビー級王座に挑戦してKO負け。これはその再起戦となる。イタリア、ミラノで行われたライバル対決。よく伸びるジャブを打つビッグス。正確に当てるようにジャブを使うダミアニ。共にフットワークは控え目で打ち合う。次第にダミアニの連打の勢いが増し、5Rで負傷TKO。ダウンシーンは無し。ビッグスはタイソンに強烈に倒されたダメージが残っていたのか、その後、名のある相手(リディック・ボウ、レノックス・ルイスら)と多く試合をしたが、大きなタイトルを獲得することはできなかった。)

フランチェスコ・ダミアニ 3R KO ジョニー・デュプロイ
(WBO世界ヘビー級王座決定戦、1989年)
ダミアニ:左ジャブ、右ストレート、左フック
デュプロイ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
3R:左フックでデュプロイがダウン
(感想:ダミアニがタイトル獲得。当時、設立されたばかりのWBO。注目の「ヘビー級王座決定戦」。デュプロイは南アフリカの選手。戦績は悪くはない。ジェームス・ティリス、リッキー・パーキー(元IBF世界クルーザー級王者)、マイク・ウィーバー(元WBA世界ヘビー級王者)に勝利している。ただ、ピークを過ぎたレナルド・スナイプスに敗れるなど、「トップクラスの選手」とは言い難い。白人同士の対戦。ジャブの打ち合い。ダミアニは正確に当てていく作戦。デュプロイはゴツゴツした打ち方。3R、左フックが「ガツン」でデュプロイがダウン、KO。ダミアニが圧勝。この当時、WBOはまだ設立されたばかりでマイナーどころか「不要な団体」と言われていた。そのヘビー級王者を決める対戦がこれでは団体のマイナー感は強まるばかり。「世界戦」というにはレベル的にどうかな、という気もしたが、KOシーンは迫力があった(さすがヘビー級)。)

フランチェスコ・ダミアニ 2R TKO ダニエル・エデュアルド・ネト
(WBO世界ヘビー級タイトル戦、1989年)
ダミアニ:左ジャブ、右ストレート、左フック
ネト:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでネトがダウン
2R:右ストレートでネトがダウン
(感想:ダミアニがタイトル初防衛。アルゼンチンのネト。これまで無敗で、アルゼンチンのクルーザー級王座を獲得しているが、全てアルゼンチンでの試合で、ヘビー級の選手ではない。イタリアで行われた試合。1R、ジャブ、ストレートでネトを追い込むダミアニ。左フックでネトがダウン。2Rにもダウンを追加。ネトが立ち上がり、試合再開かと思ったらタオル投入。ほぼ一方的で、チャレンジャーの質もイマイチだった一戦。初防衛戦は「勝てる相手」を選んで手堅くクリア、というのがボクシング界の常識(?)。ダミアニ陣営としては「とりあえず防衛できてよかった」といったところか。ダミアニは次の防衛戦をアトランチックシティで「マーシレス(無慈悲な)」レイ・マーサーを相手に行ったが(1991年1月11日)、KO負けで王座陥落、初黒星。その後もリングに上がり、グレグ・ペイジに勝利するなどしたが、世界戦をすることもなく引退。イタリアで無敗だった頃が彼の全盛期だったようだ。)

①「Heavyweight
Francesco Damiani vs. Tyrell Biggs」
②「WBO World Heavyweight Title
Francesco Damiani vs. Johnny Du Plooy」
③「WBO World Heavyweight Title
Francesco Damiani vs. Daniel Eduardo Neto」

タイレル・ビッグス(Tyrell Biggs)のページ
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ジョニー・デュプロイ(Johnny Du Plooy)のページ
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レイ・マーサー("Merciless" Ray Mercer)のページ

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