ジェームス・スミス(アメリカ)
身長193cm:オーソドックス(右構え)
①ジェームス・スミス 10R KO フランク・ブルーノ
(ヘビー級、1984年)
スミス:左ジャブと左右フック
ブルーノ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
10R:左フックでブルーノがダウン
(感想:ノースカロライナ州出身のスミス。「Bonecrusher(骨砕き屋)」などという恐ろしいニックネームを持つ強打者だが、大学出のインテリ。陸軍に入隊。その後は刑務所の看守に。アマチュアでリングに上がり、その後プロへ。28歳で遅いプロデビュー。デビュー戦で敗北してしまったが(相手は巨漢ジェームス・ブロード)、その後、連勝中。ブルーノは「英国のハナ肇」。強打でKOの山を築き、これまで全勝のホープ。ロンドン「ウェンブリーアリーナ」で行われた一戦。互いにジャブを飛ばす展開。ブルーノは上半身が固く、ぎこちない印象。「ボーンクラッシャー」スミスはパワーを込めて圧力をかける。もみ合うようなシーンも多かったが、10R、左フックでグラついたブルーノに強烈な左フック。スミスが豪快なKO勝ち。後に世界王者になる二人の名勝負。フィニッシングブローは「(ダウンから)絶対に立てないだろう」と思うぐらいの凄まじいパンチだった。)
(ヘビー級、1986年)
スミス:左ジャブと左右フック
ウィーバー:左ジャブと右フック
(ダウンシーン)
1R:連打でウィーバーがダウン
(感想:ブルーノ戦の次の試合でラリー・ホームズのIBF世界ヘビー級タイトルに挑戦してTKO負けしたスミス。さらにトニー・タッブス、ティム・ウィザスプーン、マービス・フレージャーに破れ、勢いに欠ける状況。ウィーバーは「ヘラクレス」と呼ばれる鍛えられた体の持ち主で、元WBA王者。共にパワーはあるが、試合運びに難がある。1R、スミスの右フックがヒット。ラッシュをかけてダウンを奪う。ウィーバーは立ったが、レフェリーは試合を止めた。ただ「ドカドカ」っと打たれただけで何もできなかったウィーバー。彼が世界チャンピオンだったのは遠い昔のこと。この結果は仕方がないのかも。この後スミスはジェシー・ファーガソン、デビッド・ベイに連勝して、ウィザスプーンとのWBA王座を懸けた再戦を迎える。)
(WBA世界ヘビー級タイトル戦、1986年)
スミス:左右フック
ウィザスプーン:左右フック
(ダウンシーン)
1R:左フック、右フック、右フックで3度、ウィザスプーンがダウン
(感想:スミスがタイトル獲得。ウィザスプーンは「テリブル」と呼ばれる強打者(モハメド・アリが彼とスパーリングしたときにその強さから、そう名付けたらしい)。WBC王者になったが初防衛に失敗。トニー・タッブスを下してWBA王座獲得。初防衛戦でフランク・ブルーノをKO。これが二度目の防衛戦。勝つのは「ボーンクラッシャー」か「テリブル」か? ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」で行われた一戦。スミスがまるで1RでのKOを狙うかのようないきなりのラッシュ。右フックでダウン寸前になったウィザスプーンに得意の右フックを連発。打ち方は粗いが、当たればスゴイのがスミス。一気に倒し切った。さすがボーンクラッシャー、といったところ。マユ毛が「ハ」の形のウィザスプーンはKOで勝つときはスゴイが、負けるときはサッパリなところがある。出来不出来の差があるのがウィザスプーンの特徴。今回の王座も長く守れなかった。この次の試合でスミスはあのマイク・タイソンに敗れ、王座陥落。しかし、デビューが遅かったというのもあってその後も長く戦い続けた(ヘビー級は軽量級と違ってノンタイトル戦でもファイトマネーが高いことが多い)。マイケル・モーラーらと戦い、ラストファイトは1999年、ラリー・ホームズとの再戦。スミスはタイソン戦でクリンチ連発の試合をやってしまったため、評価が低めの王者であるが、本来ならタイソンにも負けないほどのゴツい身体と凄まじい腕力の持ち主だった。)
James Smith vs. Frank Bruno」
②「Heavyweight
James Smith vs. Mike Weaver」
③「WBA World Heavyweight Title
Tim Witherspoon vs. James Smith」
フランク・ブルーノ(Frank Bruno)のページ
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マイク・ウィーバー(Mike "Hercules" Weaver)のページ
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ティム・ウィザスプーン("Terrible" Tim Witherspoon)のページ
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