2020年3月4日水曜日

トニー・タッカー(Tony "TNT" Tucker)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

IBFで世界を獲った長身のヘビー級、タッカー。チャック・ガードナー戦、ジェームス・ダグラス戦、キムエル・オドム戦を紹介します。

トニー・タッカー(Tony "TNT" Tucker)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

トニー・タッカー(アメリカ)
身長196cm:オーソドックス(右構え)

トニー・タッカー 3R TKO チャック・ガードナー
(ヘビー級、1980年)
タッカー:左ジャブ、右ストレート、左フック
ガードナー:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでガードナーがダウン
3R:右ストレートでガードナーがダウン
(感想:ミシガン州出身のタッカー。スラリとした長身選手。アマチュアボクサーだった父から戦い方を習い、アマで優秀な成績。モスクワオリンピック(1980年)に出場予定だったが、アメリカがオリンピックをボイコットしたため、プロへ。「Tomorrow's Champions(明日の王者たち)」の一人として売り出されることになり、このプロデビュー戦。ガードナーは中堅どころの選手。丁寧にジャブを使うタッカー。2Rには右ストレートからの左フックでダウンを奪う。3Rにダウンを追加。ガードナーは立ったがストップされた。タッカーはパワーがあり、当てるのも巧かった印象。ガードナーは後、負けてはいるがトレバー・バービック、ジョン・テート、アーニー・シェイバーズ、フランク・ブルーノといった名のある選手と戦った。)

トニー・タッカー 10R TKO ジェームス・ダグラス
(IBF 世界ヘビー級王座決定戦、1987年)
タッカー:左ジャブ、右ストレート、左フック
ダグラス:左ジャブと右ストレート
(感想:タッカーがタイトル獲得。連勝を続けるタッカー。全米ヘビー級王座を獲得するなど、これまで無敗。世界初挑戦。ダグラスは父がミドル級の世界ランカーだった選手。親が獲れなかった世界王座を息子が獲得できるかどうか、といったところ。ラスベガスで行われた一戦。「マイク・タイソン vs. ピンクロン・トーマス」戦の前座カード。共にジャブを中心に試合を展開する選手ということもあり、キレのあるジャブの応酬が続く。5Rには左フックでタッカーがグラつくなど、ダグラスが積極的にジャブ・ストレートを飛ばす。しかし、10Rにタッカーが一気に前に出る。ストレートを連打し、ダグラスが打たれっぱなしになったところでレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。当時、この試合は「凡戦」「退屈な試合(ダルファイト)」などと言われた。しかし、両選手ともボクサータイプであり、キレのあるジャブの交換に見応えがあったと個人的には評価している。)

トニー・タッカー 2R TKO キムエル・オドム
(ヘビー級、1992年)
タッカー:左ジャブ、右ストレート、左フック
オドム:左ジャブ
(ダウンシーン)
2R:左フック、連打で2度、オドムがダウン
(感想:ダグラスに勝って世界王者になったタッカーだが、その次の試合でマイク・タイソンに敗北。どうやらタッカーは食い物にされていたらしく、ややこしい契約のため、タイソン戦後に無駄にブランクを作ってしまった。そして、復帰。スリムだった身体が丸っこい感じになり、ロックミュージシャンぽかった髪が短く刈られ、キレのあったパンチが重そうな感じになってしまった。オドムは二線級(三線級?)の選手。そこそこの相手には勝ってきたが、レイ・マーサー、ドノバン・ラドック、ジェームス・スミスといったトップクラスには敗北。ラスベガス「ミラージュ」で行われた一戦。1Rから攻めるタッカー。2Rに二度ダウンを奪う。二度目のダウンでレフェリーは試合を止めた。結果は妥当なところ。しかし、タイソン戦後にブランクを作ってしまったのがもったいなかった。その後も「元世界王者」ということで何度も世界戦のチャンスをもらったタッカーだが、若い選手たちに敗北。タイソン戦前のスリムなタッカーなら勝てたであろう相手に負けるのを見るのは残念だった。)

①「Heavyweight
Tony Tucker vs. Chuck Gardner」
②「IBF World Heavyweight Title
Tony Tucker vs. Buster Douglas」
③「Heavyweight
Tony Tucker vs. Kimmuel Odum」

ジェームス・ダグラス(James "Buster" Douglas)のページ

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