2020年2月26日水曜日

マイク・ウィーバー(Mike "Hercules" Weaver)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界ヘビー級王者・特集②。「ヘラクレス」マイク・ウィーバー。ジョン・テート戦、ゲリー・コーツィー戦、ジェームス・ティリス戦を紹介します。

マイク・ウィーバー(Mike "Hercules" Weaver)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

マイク・ウィーバー(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)

マイク・ウィーバー 15R KO ジョン・テート
(WBA世界ヘビー級タイトル戦、1980年)
ウィーバー:左ジャブと左右フック
テート:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
15R:左フックでテートがダウン
(感想:ウィーバーがタイトル獲得。テキサス州出身のウィーバー。その鍛えられた身体から「Hercules」と呼ばれる強打者。海兵隊員としてベトナムへ。ボクシングはその頃に始めた。プロでは勝ったり負けたりでそれほど目立つ存在ではなく、モハメド・アリやケン・ノートンのスパーリングパートナーに過ぎなかったが、徐々に目覚める。全米ヘビー級王座を獲得。ラリー・ホームズのWBC世界ヘビー級王座への挑戦はTKO負け。テート戦は二度目の世界挑戦となる。王者テートはモントリオールオリンピック(1976年)にヘビー級で出場し、銅メダル。プロではこれまで全勝。王座決定戦でWBA王者に。これが初防衛戦となる。共に黒人選手。鍛えられた体でいかにも強そうな感じ(迫力)。しかしながら、動きのスピードとキレがそれほど無い両者。ジャブを打ち合う。テートが先手を取り、ウィーバーが応戦する展開。はっきり言ってエキサイティングではない状態が続いたが、12Rにウィーバーの左フックでテートがグラついてから雰囲気が変わった。その後はウィーバーが攻めるようになり、15R、左フックでテートが前のめりにダウン。立てず、KO。最終ラウンドに痛烈なKO劇。ただ、もみ合うようなシーンが多く、「終わりよければすべてよし」といったところ。この当時はWBAとWBCの二団体の時代。WBC王者ラリー・ホームズがヘビー級トップの実力者であったので、WBAのヘビー級タイトルがマイナー・タイトルであるかのような雰囲気もあった。実際、WBA世界ヘビー級タイトル戦では王者交代劇がよくあった。私が個人的にお気に入りのトニー・タッブスもその一人。)

マイク・ウィーバー 13R KO ゲリー・コーツィー
(WBA世界ヘビー級タイトル戦、1980年)
ウィーバー:左ジャブと左右フック
コーツィー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
13R:右ストレートでコーツィーがダウン
(感想:ウィーバーがタイトル初防衛。南アフリカの白人コーツィー。ゴツいパンチの持ち主だが、器用なタイプではない。ジョン・テートと空位のWBA世界ヘビー級王座を争って判定負け。これが同王座への二度目の挑戦となる。南アフリカ・サンシティで行われた一戦。両者とも真っ直ぐ攻めるタイプ。コーツィーが攻めて、ウィーバーが応戦する展開。ただ、コーツィーは攻めているときは力強いが(特に右ストレート)、ディフェンスはあまり出来ていない印象。また、スタミナが無いのか、少し攻めてはクリンチ、あるいはフットワークを使い、休もうとする意図が感じられる。さらに、ロープを掴んでレフェリーに注意されたり、ウィーバーにのしかかるようにロープ際でもたれかかったり。「パンチの打ち方と正確さ」はウィーバーだが、モタモタした感じ。13Rに決着。ウィーバーが早い回にKOするぐらいの気持ちでいけば、もっとエキサイティングな内容となって評価が上がっていたと思われる。そのくらい、最後の右ストレートはかなりの迫力だった。)

マイク・ウィーバー 15R 判定 ジェームス・ティリス
(WBA世界ヘビー級タイトル戦、1981年)
ウィーバー:左ジャブと左右フック
ティリス:左ジャブと右ストレート
(感想:ウィーバーがタイトル防衛。二度目の防衛戦。挑戦者ティリスはこれまで全勝。ニックネームは「クイック」。デビュー当初に早い回でのKO勝ちが多かったことからそう呼ばれるようになったという。どんな試合を見せてくれるか? ウィーバーが前に出て、ティリスはモハメド・アリばりのフットワーク&ジャブ。アリっぽい動きをするティリスだが打ち合うタイプではないため、かみ合わない内容に。ウィーバーが左フック、ティリスが右ストレート(12R)を決める場面もあったが、決め手に欠けるイマイチな感じで15R終了。判定は3-0。ダウンシーンは無し。会場で観戦のモハメド・アリ(この頃はまだ体調が良さそうな感じだった)、ラリー・ホームズ。テレビ解説のシュガー・レイ・レナード。ボクシング界のスーパースターと「世界ヘビー級タイトル戦」に期待して集まった観客たち。この試合を観てどう思っただろうか? ウィーバーは「ヘラクレス」と呼ばれるほど鍛えられた体で、パワーもあるが、試合運びがイマイチ。ティリスはフットワークばかり。きっとティリスは「アリのモノマネ」をしたかっただけなのだと思う(実際、相手を倒すようなパンチはほとんど打っていなかった)。ティリスのニックネームは「クイック」。オリンピック銀メダリストのバージル・ヒルは「クイック・シルバー」。「クイック」って呼ばれるボクサーはパンチが無い選手であることが多いような気がする(気のせい?)。後、ウィーバーは三度目の防衛戦でマイケル・ドークスに敗北、王座陥落。その後もリングに上がり続け、ピンクロン・トーマス(WBC王座戦)、ジェームス・スミス、ドノバン・ラドックら当時の実力者と対戦した。)

ジェームス・ティリスについて
(マイク・ウィーバー、ピンクロン・トーマス、グレグ・ペイジ、ティム・ウィザスプーン、カール・ウィリアムス、マービス・フレージャー、ゲリー・コーツィー、タイレル・ビッグス、マイク・タイソン、ジョー・バクナー(!)、フランク・ブルーノ、イベンダー・ホリフィールド、ゲイリー・メイソン、アディルソン・ロドリゲス、トミー・モリソン、に負けている。アーニー・シェイバースには判定勝ち。負けが多い(多すぎる?)けれども、なかなかのメンバー。まるでヘビー級の「リトマス試験紙」のように相手が自分の実力を試すためのような存在。でも、それでよかったのだ、と思う。これだけの相手と試合をすれば思い出もいっぱいだろうから。「パンチが無い」と言われるティリスは1RでKO勝ちしたこともある。相手はロッキー・レイン。ロッキー・レインてどんな選手?)

①「WBA World Heavyweight Title
John Tate vs. Mike Weaver」
②「WBA World Heavyweight Title
Mike Weaver vs. Gerrie Coetzee」
③「WBA World Heavyweight Title
Mike Weaver vs. James Tillis」

ジョン・テート(John Tate)のページ
-------------
ゲリー・コーツィー(Gerrie Coetzee)のページ
-------------
ジェームス・ティリス(James "Quick" Tillis)のページ

0 件のコメント:

コメントを投稿