2020年1月8日水曜日

山中慎介(Yamanaka Shinsuke)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

「神の左」山中。ビック・ダルチニアン戦、マルコム・ツニャカオ戦、アンセルモ・モレノ戦を紹介します。

山中慎介(Yamanaka Shinsuke)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

山中慎介(日本)
身長170cm:サウスポー

山中慎介 12R 判定 ビック・ダルチニアン
(WBC世界バンタム級タイトル戦、2012年)
山中:右ジャブと左ストレート
ダルチニアン:右ジャブ、左ストレート、連打
(感想:山中がタイトル初防衛。滋賀県出身の山中。辰吉丈一郎がタイのシリモンコンをKOしてWBC世界バンタム級王座を奪還した試合を見て辰吉に憧れ、高校でボクシングを始めたという。高校、大学ではアマチュアで活躍。ボクシングを辞めるつもりだったが、プロへ。無敗で日本バンタム級王座獲得。後の世界王者、岩佐亮佑を破って防衛にも成功。決定戦でWBC世界バンタム級王座獲得(この王座は長谷川穂積、フェルナンド・モンティエル、ノニト・ドネアと渡り、そして山中が決定戦で獲得)。そしてこのダルチニアンとの初防衛戦。ダルチニアンはアルメニア人であるが、国籍はオーストラリア。元世界王者でパンチがある。サウスポー同士の対戦。ボクサータイプの山中、ファイタータイプのダルチニアン。互いに警戒して手数が少な目。ダルチニアンが左ストレートで仕掛ける。山中は右ジャブとディフェンスでダルチニアンの攻めをかわし、10Rには右フックを決めるなどしたが、最終ラウンドは足を使ってほとんど打ち合わず。判定は3-0。ダウンシーンは無し。日本の選手が世界戦に出ると「無闇に突っ込んで玉砕する」というパターンが以前はよく見られたものだが、山中チャンピオンは「勝つこと」に徹底し、「当てて、かわす」というスタイルで難敵を斥けた。エキサイティングな試合ではなかったが、外国の選手のように観客の前でこういう冷静な試合をする選手が出てきたか、と思うと同時に、日本のボクシング界は海外選手の手口を取り入れて世界標準になってきているのだな、と感じた。)

山中慎介 12R TKO マルコム・ツニャカオ
(WBC世界バンタム級タイトル戦、2013年)
山中:右ジャブと左ストレート
ツニャカオ:右ジャブ、左ストレート、右フック
(ダウンシーン)
3R:左ストレートで2度、ツニャカオがダウン
12R:左ストレートでツニャカオがダウン
(感想:山中がタイトル防衛。三度目の防衛戦。挑戦者のツニャカオは元世界王者で「兄弟ボクサー」(兄ノエルは井岡弘樹のWBA世界J・フライ級タイトルに挑戦したことがある)。メッドグン・3Kバッテリー(マニー・パッキャオをKOし、世界王座を獲得)をKOしてWBC世界フライ級王者になったのが2000年。ポンサクレック・ウォンジョンカムに1RでKOされて王座を失ったのが2001年。そしてこの試合(2013年)。ツニャカオはどんな動きを見せてくれるのか、といったところ。サウスポー同士の対戦。3Rに二度ダウンを奪った山中だが、その後は一発狙いで手数が減り、逆に時折右フックを喰う(山中の「攻めるときは攻め、守るときは守る」という攻防が分離した戦い方は、「相手にパンチがあって手数が多いとき」は劣勢になりがち)。しかし最後は左ストレートで倒し、ツニャカオは何とか立ったものの出血が激しく、レフェリーは試合を止めた。山中は勝ったが危ないシーンもあった。ツニャカオはパワーはあったが、王者の老獪さにしてやられた。)

山中慎介 7R TKO アンセルモ・モレノ
(WBC世界バンタム級タイトル戦、2016年)
山中:右ジャブと左ストレート
モレノ:右ジャブ、左ストレート、右フック
(ダウンシーン)
1R:左ストレートでモレノがダウン
4R:右フックで山中がダウン
6R:左ストレートでモレノがダウン
7R:左ストレートと右フック、左ストレートで2度、モレノがダウン
(感想:山中がタイトル防衛。九度目の防衛戦でモレノを2-1の判定で破った山中。王者であるアドバンテッジで勝利したような印象もあった。11度目の防衛戦でモレノと再戦。モレノは元WBA王者。パナマのサウスポーでイラリオ・サパタのようなタイプ。サウスポー同士の対戦。前回の判定に納得がいかなかったか、モレノは1Rから積極的(「チャレンジャーは攻めないといけない」と考えたのかも知れない)。しかしながら、モレノはパンチの振りが大きく、連打するとき上半身が泳ぐような体勢になるクセが。山中は端正なボクシングでジャブを多用。ダウン応酬の打ち合いになり、5Rには4Rにダウンを喰ったものと同じような右フックで山中はダウン寸前になったものの、7Rにモレノを打ちのめした。ダルチニアン、ツニャカオ、モレノとの試合を紹介したが3人ともサウスポー。意図的にサウスポー同士の試合を選んだわけではない。サウスポーの選手が増えたな、と思うと同時に、「サウスポーはオーソドックスの選手にとってやりにくい」というのがサウスポースタイルが選ばれる理由だと思うが、サウスポー同士だと意味が無くなるのではないかな? とも思った。その後も防衛を続けた山中だが、厄介な奴が出現。メキシコのルイス・ネリ。ネリの禁止薬物や計量失敗に振り回された山中は二連敗。もう少し冷静に試合を運んでネリを捌いて勝って欲しかったところ。)

①「WBC World Bantamweight Title
Yamanaka Shinsuke vs. Vic Darchinyan」
②「WBC World Bantamweight Title
Yamanaka Shinsuke vs. Malcolm Tuñacao」
③「WBC World Bantamweight Title
Yamanaka Shinsuke vs. Anselmo Moreno」

マルコム・ツニャカオ(Malcolm Tuñacao)のページ
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アンセルモ・モレノ(Anselmo Moreno)のページ

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