2020年1月24日金曜日

ウィルフレド・ゴメス(Wilfredo Gomez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

プエルトリコの「KOキング」ウィルフレド・ゴメス。ロイヤル小林戦、カルロス・サラテ戦、ルペ・ピントール戦を紹介します。

ウィルフレド・ゴメス(Wilfredo Gomez)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)
身長165cm:オーソドックス(右構え)

ウィルフレド・ゴメス 3R TKO ロイヤル小林
(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1978年)
ゴメス:左ジャブ、右ストレート、左フック
小林:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
3R:左フック、右ストレート、連打で3度、小林がダウン
(感想:ゴメスがタイトル防衛。プエルトリコ・サンファン出身のゴメス。ニックネームは「Bazooka」。いつからそう呼ばれるようになったのかは知らないが、アマチュア時代から強打で注目されてきた。金銭的に苦しい家庭ということでオリンピックを目指すことを止め、プロ入り。デビュー戦は引き分けに終わったが、その後はKOの山を築く。サンファンで廉東均をKOし、WBC世界J・フェザー級タイトル獲得。これまで無敗。小林戦は二度目の防衛戦。小林はかつてこのタイトルを持っていたことがあり、負けたがアレクシス・アルゲリョと戦うなど、ハードパンチャーとの対戦経験もある。日本で行われた一戦。ジャブを使って様子を見るゴメス。小林はジャブと左右フックで積極的に攻めるが、振りが大きい。3R、最初の左フックでのダウンで完全に足に来た小林が続けざまにダウン。壮絶なKO負け。最初のダウンでかなり効いていたため、その後は普通の軽いパンチでも倒れていただろう。ましてやゴメスの驚異的なハードパンチならなおのことである。)

ウィルフレド・ゴメス 5R TKO カルロス・サラテ
(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1978年)
ゴメス:左ジャブ、右ストレート、左フック
サラテ:左ジャブと左フック
(ダウンシーン)
4R:左フックでサラテがダウン
5R:連打でサラテがダウン
(感想:ゴメスがタイトル防衛。ゴメスの六度目の防衛戦。相手はWBC世界バンタム級王者サラテ(メキシコ)。まるで精密機械のように正確にピンポイントを打ち抜く強打者。ゴメスとは違うタイプの「KOキング」。ライバルのアルフォンソ・サモラをKOして、バンタムにはこれといった敵がいない状況。階級を上げて二冠王を目指す。サンファンで行われた一戦。サラテはガードを上げてジャブと左フックで前に出るが、手数が少な目。ゴメスはフットワークとジャブを使って相手を警戒しながら右ストレート、左フックで応戦。4R、積極的に攻めるサラテだが、左フックでダウン。足に来たサラテは一気に劣勢に。5R、連打でサラテがダウンした後、タオル投入。パワーの差があった試合。意外にあっけない決着だったが、再戦が無かったところをみるとサラテは負けを認めたようだ。4R終了時のパンチで両者がエキサイトするハプニングも。)

ウィルフレド・ゴメス 14R TKO ルペ・ピントール
(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1982年)
ゴメス:左ジャブ、右ストレート、左フック
ピントール:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
14R:連打、左フックで2度、ピントールがダウン
(感想:ゴメスがタイトル防衛。17度目の防衛戦。挑戦者ピントールはメキシカンでWBC世界バンタム級王者。サラテから王座を奪い、日本でハリケーン照をKOするなど、連続防衛中。ニューオーリンズで行われた一戦。「ウィルフレド・ベニテス vs. トーマス・ハーンズ」の前座カード。ゴメスがプレッシャーをかけ、ピントールが打ち返すタフな展開。次第に顔が腫れ出すゴメス。ラウンド終了時にはセコンドがゴメスを抱きかかえてコーナーに連れて帰る場面も。「顔の腫れ」だけだとゴメスが負けているように見える状態であったが、ピントールのダメージも深く、14Rに二度目のダウンでレフェリーストップ。非常に激しかった試合。ゴメスは勝ってホッとしたのではないか。負けたがピントールは見事な右のカウンターを見せるなど、立派な戦いぶりだった。結果的にゴメスのJ・フェザー級での最後の防衛戦となった試合。この後、ゴメスはWBC世界フェザー級タイトル、WBA世界J・ライト級タイトルを獲得し、三階級制覇を達成するが、フェザー級王座はアズマー・ネルソン、J・ライト級王座はアルフレド・ライネに豪快にKOされて王座転落。J・フェザー級時代のような凄みを見せることはできなかった。引退後は現役時代の激しい戦いが原因なのか、体の不調に悩まされているらしい。)

①「WBC World Super Bantamweight Title
Wilfredo Gómez vs. Royal Kobayashi」
②「WBC World Super Bantamweight Title
Wilfredo Gómez vs. Carlos Zárate」
③「WBC World Super Bantamweight Title
Wilfredo Gómez vs. Lupe Pintor」

カルロス・サラテ(Carlos Zarate)のページ
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ルペ・ピントール(Lupe Pintor)のページ 
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サルバドル・サンチェス(Salvador Sánchez)のページ

4 件のコメント:

  1. この試合凄かった。減量苦のゴメスが意地で14Rにピントールを倒した。ゴメスが試合序盤に肘を使ったことに対しピントールが抗議。その後、一進一退の世界王者同士の殴り合い。昔の世界王者同士の対決は今と比べ物にならない。昔は良かった。両雄の闘志に感謝。

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    1. コメントありがとうございます。昔のボクサーは「自分の強さをファンに見せたい」という意識が強かったような気がします。多くの選手が憧れたというシュガー・レイ・ロビンソンもテクニシャンでしたがかなり打ち合う試合をしていました。昔の映像はそういう意味では貴重ですね。

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  2. 攻防一体のハイレベルの殴り合いが14Rまで続き、下の階級のピントールに対し勝つだけではなく連続KO防衛にこだわったゴメスのマチヅモが凄かった。
    試合後、ピントールよりゴメスのほうがフラフラだ
    ったような記憶があります。

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    1. ゴメスはパンチ力で有名でしたが、距離を取って相手の様子を見る慎重さもありましたね。キャリア後半は打たれることも多くなり、アズマー・ネルソン、 アルフレド・ライネにKOされたシーンはかなりショッキングなものでした。

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