大橋秀行（Ohashi Hideyuki）「世界の強豪ボクサー：ボクシング・ブログ」

「150年に一人の天才」大橋秀行。崔漸煥戦、ナパ・キャットワンチャイ戦、崔煕庸戦を紹介します。

大橋秀行（日本）
身長163cm：オーソドックス（右構え）

①大橋秀行 9R KO 崔漸煥
（WBC世界ストロー級タイトル戦、1990年）
大橋：左ジャブ、右ストレート、左フック
崔：左ジャブと左右フック
（ダウンシーン）
9R：左ボディフックで２度、崔がダウン

（感想：大橋がタイトル獲得。神奈川県横浜市出身の大橋。兄もボクサーだった「兄弟ボクサー」（兄・克行（かつゆき）は世界王者になる前のカオサイ・ギャラクシーにKO負け。負けたがハリケーン・テル、磯上修一の持つ日本バンタム級王座に挑戦している）。中学でボクシングを始め、アマチュアで活躍。「150年に一人の天才」というキャッチフレーズで「ヨネクラジム」からプロデビュー。パワーはあるが、一発を狙いすぎるスタイルのため、順風満帆というわけにはいかず、手数が多い韓国ファイターの金奉準、張正九に敗北。崔戦は三度目の世界挑戦となる。崔は元IBF世界Ｊ・フライ級王者でもある二冠王。回転の速い連打が武器で、地元であのナパ・キャットワンチャイをKOしてWBC世界ストロー級タイトル奪取。これが初防衛戦となる。小柄な崔が大橋の強打を警戒しながらジャブと回転の速い連打を飛ばす。大橋はパワーを込めてストレートと左フック。激しい打ち合いが続いたが、9Rに左ボディフックで崔がしゃがみこむダウン。立ったが二度目のダウンからは立てず、KO。大橋が感動的な勝利。当時負け続けだった日本ボクシング界に救世主が誕生。崔が強く、良い選手だったため、名勝負となった。）

②大橋秀行 12R 判定 ナパ・キャットワンチャイ
（WBC世界ストロー級タイトル戦、1990年）
大橋：左ジャブ、右ストレート、左フック
ナパ：左ジャブと左右フック
（ダウンシーン）
2R：右ストレートのカウンターでナパがダウン

（感想：大橋がタイトル初防衛。ナパは井岡弘樹との試合で有名なタイのサウスポー。「崔漸煥に負けたのは韓国が寒すぎたから（「実力で負けたのではない」の意）」と強気の姿勢で王座奪回に自信を持って来日。ナパは積極的に攻めた井岡戦のときとは違い、相手の強打を警戒してジャブで距離を取る。大橋は狙いすぎているのか手数が少ない。2R、右ストレートのカウンターでナパがダウン。その後は、大橋がパワー、ナパは手数、といった展開。結構打たれ強く、しぶといナパは10Rにヒジ打ちの反則。戦前はKO決着も予想されたが、12R終了で判定は３－０、大橋。一発のパワーが評価されたか。相手の粘りに微妙な試合をしてしまった大橋。次の防衛戦の相手はリカルド・ロペス。）

③大橋秀行 12R 判定 崔煕庸
（WBA世界ストロー級タイトル戦、1992年）
大橋：左ジャブ、右アッパー、左右フック
崔：左ジャブ、右ストレート、左右フック

（感想：大橋がタイトル獲得。リカルド・ロペスに惨敗した大橋。カムバックして連勝。今度はWBA王座を狙う。崔はアマチュアで優秀だった選手で、プロではスピード出世。10戦目で金奉準を判定で下し、WBA世界ストロー級王座獲得。これまで全勝。これが五度目の防衛戦となる。崔が頭をぶつけながら前進。大橋はいつもの「のぞき見」スタイルで強打する。手数が多い崔だが、大橋はディフェンス。「ガツン」というパンチで大橋がポイント上、優勢か。判定は３－０。ダウンシーンは無し。タフな崔との打撃戦。大橋は最終ラウンド終了時には勝利を確信した表情。敗者も判定には文句は無かったようだ（「ボクシングマガジン93年１月号」によると、崔のバッティングで額が腫れ上がった大橋は試合後に血を抜いてもらったそうだ）。大橋が王座返り咲き。しかし、初防衛戦でチャナ・ポーパオインに判定負け。目の故障により引退。引退後はジムをオープン。「怪物」井上尚弥を「世界最強の選手」に育て上げた。）

①「WBC World Minimumweight Title
Jum-Hwan Choi vs. Ohashi Hideyuki」
②「WBC World Minimumweight Title
Ohashi Hideyuki vs. Napa Kiatwanchai」
③「WBA World Minimumweight Title
Hi-Yong Choi vs. Ohashi Hideyuki」

金奉準、崔漸煥（Bong Jun Kim、Jum Hwan Choi）のページ

－－－－－－－－－－－－－－－

ナパ・キャットワンチャイ（Napa Kiatwanchai）のページ

－－－－－－－－－－－－－－－

リカルド・ロペス（Ricardo López）のページ

－－－－－－－－－－－－－－－

崔熙墉（Hi Yong Choi）のページ