2020年1月20日月曜日

マーク・ブリーランド(Mark Breland)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界ウェルター級王者。世界一鋭いジャブ。ハロルド・ボルブレッチ戦、李承純戦、尾崎富士雄戦を紹介します。

マーク・ブリーランド(Mark Breland)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

マーク・ブリーランド(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)

マーク・ブリーランド 7R KO ハロルド・ボルブレッチ
(WBA世界ウェルター級王座決定戦、1987年)
ブリーランド:左ジャブ、右ストレート、左フック
ボルブレッチ:左右フック
(ダウンシーン)
7R:右ストレートでボルブレッチがダウン
(感想:ブリーランドがタイトル獲得。ニューヨーク州ブルックリン出身のブリーランド。9歳でボクシングを始める。アマチュア選手としては非常に優秀で数々のタイトルを獲得し、ロサンゼルスオリンピック(1984年)ではウェルター級で出場し、金メダル(アマ時代に日本で試合したことも)。プロ入り後もスターとして売り出され、映画にも出演。これまで全勝(KO勝ちも多い)。待望の世界初挑戦。ボルブレッチは南アフリカの白人選手。南アフリカ・ウェルター級王座を獲得するなど、南アフリカではトップクラスだが、ピピノ・クエバスが王者だった頃にこの王座(WBA世界ウェルター級王座)に挑戦してKO負けしている(1980年)。アトランチックシティで行われた一戦。ブリーランドがよく伸びる左ジャブと右ストレートで前に出る。サウスポーのボルブレッチはフットワークで距離を取り、左右フック攻撃。レーザービームのようなジャブ・ストレートで狙い打ちするブリーランド。ボディー攻撃も迫力。ボルブレッチはタフだが雑な打ち方。7R、右ストレートでボルブレッチがダウン、KO。ブリーランドが周囲の期待に応え、王座奪取。素晴らしいパンチの伸びとキレを見せた。一方、まるで用意された「いけにえ」のようだったボルブレッチ。思い切ってボディー攻撃すればチャンスがあったかも知れないが、ブリーランドには近寄ることすらできないパワーがあったのだろう。)

マーク・ブリーランド 1R TKO 李承純
(WBA世界ウェルター級王座決定戦、1989年)
ブリーランド:左ジャブ、右ストレート、左フック
李:左フック
(ダウンシーン)
1R:右ストレートで李がダウン
(感想:ブリーランドがタイトル奪回。ボルブレッチに勝って手に入れた王座の初防衛戦をマーロン・スターリングと行ったブリーランドだが、意外な脆さを見せ、TKO負け。再戦では引き分けで、王座奪回ならず。スターリングはトーマス・モリナレスと防衛戦を行ったが、反則打でモメて王座は空位に。再びブリーランドが王座決定戦に出場。李は東洋太平洋ウェルター級王座を獲得したこともある選手だが、防衛に失敗。戦績は悪くはないが、ハイスペックなブリーランド相手にどんな試合をするのか、といったところ。ラスベガス「シーザースパレス」で行われた一戦。「ブリーランドは打たれ弱い」と見たか、李が重そうなパンチで前に出る。それに応じたブリーランドがあまりにも速い右ストレートでダウンを奪う。立ち上がった李に回転の速い連打を打ち込み、レフェリーストップ。一気にブリーランドが勝利。少しストップが早いような気もしたが、李はまとめて連打を食っていたため、ストップは妥当なところ。ボクシングは真剣勝負であるため、あっけなく終わってしまうこともあるが、世界戦であまりにも早くKOされたらかなり落ち込むに違いない。) 

マーク・ブリーランド 4R TKO 尾崎富士雄
(WBA世界ウェルター級タイトル戦、1989年)
ブリーランド:左ジャブ、右ストレート、左フック
尾崎:左ジャブ
(感想:ブリーランドがタイトル防衛。尾崎は元はライト級だった選手。王座獲得、陥落を繰り返しながら階級を上げ、ウェルター級で日本王座、東洋太平洋王座を獲得、防衛。ブリーランドと因縁があるマーロン・スターリングのWBA世界ウェルター級王座に挑戦したが、王者のディフェンスの前に敗北。これが同王座への二度目のチャレンジとなる。後楽園ホールで行われた一戦(世界的な選手を呼んだにしては小さい会場)。ブリーランドのジャブ・ストレートがまるで顔面に吸い込まれていくかのようにヒットする。4R、まぶたを切った尾崎がドクターストップ負け。尾崎にほとんど何もさせずブリーランドがタイトル防衛(ダウンシーンは無し)。パンチの伸びや懐の深さなど、スケールが違いすぎた。その後、ブリーランドは「スーパーマン」アーロン・デイビスにKOされて、王座陥落。さらに元王者ホルヘ・バカとのサバイバル戦にもTKO負け。世界王座を獲得した試合が二度とも「王座決定戦」であったこと、その王座をいずれもKO負けで失ったことから、ブリーランドはやや残念なキャリアだったと言わざるを得ない。スラリと背が高かったが、その分、タフネスに欠けていた。しかし、その鋭いジャブ、ストレートはなかなかマネできないレベル。もっとタフネスがあれば、といったところ。引退後はトレーナーとして名のある選手も指導している。)

①「WBA World Welterweight Title
Mark Breland vs. Harold Volbrecht」
②「WBA World Welterweight Title
Mark Breland vs. Seung-Soon Lee」
③「WBA World Welterweight Title
Mark Breland vs. Ozaki Fujio」

尾崎富士雄(Ozaki Fujio)のページ
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マーロン・スターリング("Magic Man" Marlon Starling)のページ

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