リンデル・ホームズ(アメリカ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①リンデル・ホームズ 12R 判定 フランク・テート
(IBF世界S・ミドル級王座決定戦、1990年)
ホームズ:左ジャブと左フック
テート:左ジャブと左フック
(感想:ホームズがタイトル獲得。オハイオ州出身のホームズ。アマチュアで優秀だった男。しかし、マイケル・スピンクスに敗れ、オリンピック出場ならず。当時、指導を受けたエマヌエル・スチュワードに心酔して「クロンクジム」入り。1979年にデビュー戦。朴鐘八のIBF世界S・ミドル級王座に挑戦して敗北するなど、これまで順調なキャリアではなかった。テートは元IBF世界ミドル級王者(1984年ロサンゼルスオリンピック・ライトミドル級金メダリストでもある)。オリンピック、世界王座には縁がなかったホームズ。テートを破ることができるかどうか、といったところ。似たような試合運びをする両者。しかし、テートはやや受け身的な姿勢で、ホームズが積極的に速いジャブで先手を取る展開。最終ラウンド終了時、共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は2-0(ダウンシーンは無し)。「王座決定戦」はどちらもチャレンジャー。そのため「打ち返す」のではなく「先手をとる」姿勢が望ましい。よほどパンチを当てるのが上手くてカウンターを取れるのなら別だが。)
(IBF世界S・ミドル級タイトル戦、1990年)
ホームズ:左ジャブ、右ストレート、左フック
マリンガ:左ジャブと左フック
(感想:ホームズがタイトル防衛。マリンガは南アフリカの黒人選手。かつてこの王座に挑戦して判定負けしたことがあり、これが二度目の挑戦。ともにジャブを使う似たタイプ。マリンガはやや力んだ感じで、ホームズは軽いが速いジャブとディフェンス。ホームズが左でボディを叩くなどで少しずつ上回り、判定は3-0。ダウンシーンは無し。ホームズは世界王者としては比較的地味な存在。しかし、スピードがあってバランスも良い好選手であることを証明。マリンガは後、クリス・ユーバンクのWBO王座に挑戦して判定負け、ロイ・ジョーンズ・ジュニアにKOされるなど苦戦が続いたが、ナイジェル・ベンを再戦で破ってWBC王座獲得。)
(IBF世界S・ミドル級タイトル戦、1991年)
ホームズ:左ジャブ、右ストレート、右フック
バード:右ジャブと左ストレート
(感想:ホームズがタイトル防衛。ホームズの三度目の防衛戦。アメリカ人同士の試合であるが、スペイン・マドリードで行われた。サウスポーのバードはWBAやIBFのアメリカ王座を獲得してきた男で、戦績も良い。これが世界初挑戦。しかしながら、パンチが軽く、フットワークで逃げる(良くない試合をやったときのマイケル・ナンみたいな動き)。ホームズはトニー・タッブスみたいな体型で速いジャブとフック(パウンドフォーパウンドの仮想対決「タッブス vs. ナン」みたいな雰囲気の試合)。バードは10Rに激しく打ち返すなどしたが、時すでに遅し。判定は2-1。ダウンシーンは無し。バードはもうちょっと頑張れば王者になれた(さらに二度、同王座に挑戦して、いずれもTKO負け)。チャレンジャーはハッキリとチャンピオンを上回らないとタイトルは獲れない。世界王者になることができるのは「いざというときには全力で打ち合う」度胸のある選手である(近年は「当てるだけ」のボクシングでベルトを獲る選手も多い。プロボクシングがエキサイティングで無くなったら誰がカネを払ってまで見るか、ということになると思う。「ボクシング人気が落ちている」のであれば「つまらない勝ち方をする選手がいる」ということも一つの理由であろう)。ホームズは次の防衛戦で若いダーリン・バン・ホーンにKOされて王座陥落。なかなか王座を獲得できなかったりと苦労が多かったホームズだが、多くの名のある相手と試合をし、「クロンクジム」時代にはトーマス・ハーンズとスパーリングしたり、と充実したキャリアになった。)
Lindell Holmes vs. Frank Tate」
②「IBF World Super Middleweight Title
Lindell Holmes vs. Thulani Malinga」
③「IBF World Super Middleweight Title
Lindell Holmes vs. Antoine Byrd」
フランク・テート(Frank Tate)のページ
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ダーリン・バン・ホーン(Darrin Van Horn)のページ
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