スーパーフライ級戦。「カッベイ vs. 崔」「ダルチニアン vs. カッベイ」、「崔 vs. アモル」を紹介します。
フェデリコ・カッベイ(フィリピン)
身長157cm:サウスポー
崔堯三(韓国)
身長163cm:オースドックス(右構え)
①フェデリコ・カッベイ 10R 判定 崔堯三
(スーパーフライ級戦、2004年3月)
崔:左ジャブ、右ストレート、フック
カッベイ:右ジャブ、左ストレート、フック
(ダウンシーン)
(感想:これまで26勝(14KO)3敗の崔堯三(チェ・ヨサム、32歳)は元世界王者。あのサマン・ソーチャトロン(タイ)からWBC世界J・フライ級王座奪取。しかし、暫定王者ホルヘ・アルセ(メキシコ)との統一戦にTKO負け。WBA世界ライトフライ級暫定王座に挑んだが、判定負け。カッベイ戦はその再起戦となる。カッベイ(24歳)はフィリピン・ラバソン出身のサウスポーで12勝(8KO)7敗3分。WBCのアジア王座(ミニマム級、ライトフライ級)挑戦は失敗に終わっている。ソウルでの一戦。左右の構えは違うが、互いにジャブ、ストレート、フック。崔は右ストレート、左フックボディ打ち、カッベイは左ストレート、右フックに特に力強さ。なかなかパンチがあるカッベイ。時折強打をヒットさせる。崔は左フックで対抗。6R、カッベイが左カウンターをクリーンヒット。8Rにはオーソドックスにチェンジ。9R、カッベイが減点(どうやら頭を低くして相手に接近するのを「危険行為」と見なされたようだ)。最後は崔が踏ん張る。10R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。カッベイが強打で勝利。パンチにキレ&パワー。攻める積極さもあった。崔はタフだったが、相手の方に勢いがあった。)
②ビック・ダルチニアン 12R TKO フェデリコ・カッベイ
(IBFオーストラリア&IBOスーパーフライ級王座決定戦、2007年10月)
ダルチニアン:右ジャブ、左ストレート、フック
カッベイ:右ジャブ、左ストレート、フック
(ダウンシーン)
7R:連打でカッベイがダウン
11R:左フックでカッベイがダウン
(感想:ダルチニアンがタイトル獲得。崔戦後、カッベイはフィリピン王座(フライ級)獲得。しかし、日本で小松則幸、久高弘之に判定負け。フィリピン王座(スーパーフライ級)は獲得ならず。再起戦に勝利して、この挑戦。これまで20勝(11KO)13敗3分。ダルチニアンはアルメニア生まれでオーストラリア国籍。シドニーでデビュー。以来、連戦連勝でIBF世界フライ級王者に。しかし、ノニト・ドネアに豪快にKOされて王座陥落、初黒星。28勝(22KO)1敗。これが再起戦。階級を上げて巻き返しを図る。シドニーでの一戦。リングの周囲に丸いテーブル(ディナーショー形式)。カッベイが先に入場。ゴング。共にサウスポー。半身に構えるダルチニアンが右ジャブを使いながら主武器の左パンチ。カッベイは相手のパワーに押され気味。得意の左ストレート、右フックで応戦するがディフェンスされてしまうというのもあって、打ち方がぎこちない。左パンチ&ディフェンスでダルチニアンが優勢の中、6R。カッベイの左フックでダルチニアンがダウン寸前のピンチ。しかし、さすがダルチニアン。7R、連打(左ストレート、右ジャブ、左ストレート)でカッベイを倒す。8R、カッベイがオーソドックスにチェンジ。11R、斜め下からの鋭い左フックでカッベイがダウン。12R、最後まで攻めるダルチニアン。左ストレートを連続でヒットさせたところでレフェリーストップ。ダルチニアンが左パンチで勝利。最終ラウンドでもKOを狙う激しさがあった。カッベイは崔戦とは違ってあまりいいところなし。強い選手なのは間違いないが、ダルチニアンにはそれを出させない強さと巧さがあった。その後の二人。カッベイはIBF世界スーパーフライ級王座挑戦者決定戦といった重要な試合を落としてキャリア終了。ダルチニアンはIBF世界スーパーフライ級王座獲得、二階級制覇。WBA・WBC王座も吸収。しかし、メジャー団体の世界バンタム級、フェザー級王座は獲得ならず。)
③崔堯三 12R 判定 ヘリ・アモル
(WBOインターコンチネンタル・フライ級タイトル戦、2007年12月)
崔:左ジャブ、右ストレート、フック
アモル:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
12R:右ストレートで崔がダウン
(感想:崔がタイトル初防衛。王者の崔はこれまで31勝(19KO)5敗。カッベイ戦後、WBA世界フライ級王座に挑んだが、判定負け。決定戦でWBOインターコンチネンタル王座獲得。アモルと初防衛戦。挑戦者アモル(24歳)はインドネシア人で、21勝(6KO)3敗3分。インドネシア王座(ミニマム級)を獲得しているが、フィリピンとタイでWBOのアジア王座などに挑戦して三連敗。地元ジャカルタでTKO勝ちしてこの崔への挑戦。ソウルでの一戦(会場では張正九が観戦)。TV映像や記録では共に「身長163cm」ということだが、身長差がある二人(崔が163cmだとするとアモルは150ぐらいか)。共にガードを上げてジャブ。崔が左ジャブからの左ボディ打ち、右アッパーからの左ボディ打ち。左ボディ打ちを多用するが、頭もぶつけていく。アモルは身体は小さいが鍛えられており、右ストレート、左フックにパワー。斜め下からの右フックも迫力。ただ、ジャブが少な目なのが惜しい。共に左フックを当てるテクニックがあるが、崔がジャブで先手。8Rには右フックをヒットさせ、ラウンド終了後にもやり合う。10R、右フックでアモルが二度ダウンしたが、「スリップ」の裁定。12R、ついにアモルの強打が炸裂。右ストレートで崔がダウン。ゴングに救われ、12R終了。しかし、崔が倒れて意識不明に。その後、脳死状態となり死去。試合は3-0の判定で勝利だったが、アモル戦がラストファイトとなった。試合自体は崔が手数で勝利。ただ、バッティングになるシーンがたびたび見られ、アモルはなかなかのハードパンチャーだった。その後のアモル。多くの試合。インドネシア王座戦、WBOアジア王座戦で勝利するなどミニマム級で活躍した。)
①「Super Flyweight
Yo Sam Choi vs. Federico Catubay」
②「vacant IBF Australasian Super Flyweight Title and IBO Super Flyweight Title
Vic Darchinyan vs. Federico Catubay」
③「WBO Inter-Continental Flyweight Title
Yo Sam Choi vs. Heri Amol」
ビック・ダルチニアン(Vic Darchinyan)のページ
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