2025年5月22日木曜日

デビッド・リード(David Reid)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界J・ミドル級王者&金メダリスト。ジェフ・イエレジアン戦、キース・ムリングス戦、サム・ヒル戦ほかを紹介します。

デビッド・リード(David Reid)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

デビッド・リード(アメリカ)

身長165cm:オーソドックス(右構え)


デビッド・リード 2R TKO ジェフ・イエレジアン

(J・ミドル級8回戦、1997年9月)

リード:左ジャブ、右ストレート、フック   

イエレジアン:左ジャブ、右ストレート   

(感想:ペンシルベニア州フィラデルフィア出身のリードはアトランタ・オリンピック(1996年)のライトミドル級金メダリスト。これがプロ四戦目(3勝(2KO))。イエレジアン(マサチューセッツ州出身)もまた全勝で11連勝(7KO)。コネチカット州マシャンタケットでの一戦。共にガードを上げてジャブ。しかしながら、パンチのキレと身のこなしのスピードに差が。リードがシャープなワンツーからの左フック、アッパー気味のしゃくり上げるようなフック。リードが自由奔放な速い攻めを見せるため、地道にジャブを出すイエレジアンがとても地味に見える。2R、連打をまとめ、相手のガードの隙を突くリード。レフェリーストップ。勢いに差があった試合。リードは手数が多かった。ただ、一発のパワーはそこそこで、ディフェンスに甘さが少し感じられた。その後、イエレジアンはブランクを作った後にカムバックしたが敗北。)


デビッド・リード 12R 判定 キース・ムリングス

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、2001年8月)

リード:左ジャブ、右ストレート、フック   

ムリングス:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:リードがタイトル防衛。イエレジアン戦後も連勝のリード。WBC米大陸J・ミドル級王座を獲得し、その次の試合でローレン・ブドアニを破ってWBA世界J・ミドル級王者に。ムリングス戦は二度目の防衛戦。これまで13連勝(7KO)。16勝(11KO)5敗1分の挑戦者ムリングスはジャマイカ出身の黒人で、元WBC王者。ハビエル・カスティリェホにWBC王座を奪われた再起戦でリードに挑戦。ラスベガス「Hard Rock Hotel and Casino」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはジェイ・いつもニコニコ・ネイディ。会場ではフェルナンド・バルガスが観戦)。スキンヘッドのムリングス(マービン・ハグラーに似ている)。ジャブはそこそこに右フック、左フックを打ち込む。リードがワンツーからの左フックなどハンドスピードで上回る。3R、リードの右カウンターがヒット。ムリングスは攻めるが、逃げられたり、クリンチされたり。その後もリードが距離を取って軽快なアウトボクシング&回転の速い連打(ワンツー、左フック、左ボディなどをまとめて発射)。ムリングスは上手く攻められないイラ立ちからラフな行為(6R以降)。12R、バランスを崩してリードが転倒。イラつくムリングスはリードをヒザ蹴り。12R終了。判定は3-0(ジャッジ三人とも「117-111」。ダウンシーンは無し)。リードが打ち合わないボクシングで勝利。力強いコンビネーションを打つシーンもあったが、全般的に受け身で盛り上がらない戦いぶり。ムリングスは動きが固めで、ジャブが少ない(同じジャマイカのマイク・マッカラムとは違うタイプ)。相手のクリンチ、打ち合わない姿勢にイライラしていたが、それは相手を追い込めない自分の戦い方に責任がある。その後、ムリングスは二連敗で引退。)   


デビッド・リード 10R 判定 ウルバノ・グローラ

(ミドル級戦、2001年4月)

リード:左ジャブ、右ストレート、フック   

グローラ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ムリングス戦の次の試合でフェリックス・トリニダードに敗れて王座陥落のリード。グローラ戦は再起二戦目。グローラはメキシカン。デビューから連勝だったが、全米王座&北米王座ダブルタイトル戦(ミドル級)に敗北。キース・ホームズに判定負け。このところ負けが込んでいる。ラスベガスでの一戦(会場ではウェイン・マッカラーが観戦)。いかにもアマチュア出身者らしいアップライトな姿勢で戦うリード。ジャブ、右ストレート、左フック。当てる巧さがあり、ダッキングも使うが、攻めるときは真っ直ぐ。グローラは右ストレートに良さがあるが、全体的にスピード感に欠ける。クロス気味の右ストレート、左ショートフックなど器用さでリードが優勢。しかし、7Rにローブロー、そしてラフ行為で減点。グローラは9Rに右ストレートを当て、10Rには連打からの左ボディ打ちを披露したが、受け身の試合ぶりなのが惜しい。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。リードが器用さで勝利。しかし、アップライトで、腰の入った打ち方ではなかった。グローラはタフ。もっと積極的に攻めてもよかったと思うが、負けが増えている状況で勢いが出なかったのだろう。次の試合でかつての有望株トニー・アヤラ・ジュニアにKO負けで引退。)


サム・ヒル 9R TKO デビッド・リード

(スーパーミドル級戦、2001年11月)

リード:左ジャブ、右ストレート、フック   

ヒル:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

5R:連打でリードがダウン

9R:連打でリードがダウン

(感想:リードの再起四戦目。ヒルはジョージア州サバンナ出身。デビューから連勝だったが、KOで初黒星。このところTKO負け、引き分けで勢いが無い状況。インディアナ州エリザベスでの一戦。映画『ロッキー』のような星条旗トランクスのリード。アップライトな構えでジャブ、連打。ヒルはガードを上げてジャブ、ワンツー、左フック。リードは右ボディ打ちなどに器用さがあり、パンチの回転が速いが、やや手打ち気味。そのためヒルはブロックしながら前進。2Rに動き。連打するリードが滑って転倒。ヒルが右ストレートからの連打でリードを追い込む。4R、リードがバッティングでレフェリーから警告(真っ直ぐ攻めるクセがあるリード。バッティングやローブローになりがち)。5R、連打でリードがダウン。7R、リードが速い連打を披露。8R、ヒルがジャブで優勢。9R、連打でリードがダウン。立ったが、ストップ。ヒルがジャブ、ワンツーで勝利。アップライトのリードは伸びてくる長いパンチをかわしきれず。この結果にはそれなりの根拠があった。その後の二人。ヒルは連敗。ローカル王座(クルーザー級)を獲得できたが、連敗続きで引退。ぎこちなさが出世を阻んだ。リードはプロデビューの時点で既に眼に問題があったらしく、これで引退。)


①「Junior Middleweight

David Reid vs. Geoff Yalenezian」

②「WBA World Junior Middleweight Title

David Reid vs. Keith Mullings」

③「Middleweight 

David Reid vs. Urbano Gurrola」

④「Super Middleweight 

David Reid vs. Sam Hill」


キース・ムリングス(Keith Mullings)のページ 

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