WBC世界スーパーミドル級王者。ドイツ人。ケビン・ポンペイ戦、グレン・オデム戦、サキオ・ビカ戦を紹介します。
マルクス・バイエル(ドイツ)
身長176cm:サウスポー
①マルクス・バイエル 8R 判定 ケビン・ポンペイ
(スーパーミドル級戦、1997年)
バイエル:右ジャブ、左ストレート、右フック
ポンペイ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
8R:右フックでバイエルがダウン
(感想:バイエルはドイツ・エアラブルン出身のサウスポー。1992年バルセロナ、1996年アトランタの二度のオリンピック出場(メダルは獲得ならず)。ニックネームは「Boom Boom」(強打者に付けられることが多い)。プロ入り後、これまで9連勝。32勝11敗2分のポンペイ(アメリカ)は元全米ウェルター級王者。かつては世界を狙う存在だったが、全米王座を失ってからは敗北が目立つようになってしまった。ドイツ・ハレでの一戦。ガードをしっかり上げてブロックしながらジャブを出すポンペイ。バイエルは慎重姿勢。相手の様子をうかがいながらジャブ、ワンツーからの右フック、左ボディ打ち。よく動き、左のガードを上げて相手を誘ったりのポンペイだが、攻撃をディフェンスされる。バイエルが堅実な動きを見せて試合を進めて終えるのかと思ったらハプニング。最終8R、ポンペイが左フック、右アッパーを決め、右フックでバイエルをダウンさせる。しかし、ここまで。判定はPTSでバイエル。特に派手なことをするわけでもなく、バイエルが正確なパンチで勝利。アマチュアのような試合ぶりだった印象。ポンペイは負けたが最終ラウンドを盛り上げ、まるで勝ったかのようなインパクトを残した。しかしその後、エリック・ルーカス、ローラン・ブードゥアニに敗北、ドニー・ラロンデとドロー。勝ち星無しだった。)
②マルクス・バイエル 8R 判定 グレン・オデム
(スーパーミドル級戦、2001年)
バイエル:右ジャブ、左ストレート、左フック
オデム:左ジャブ、右ストレート
(感想:プロデビューから連勝でWBC世界スーパーミドル級王者になったバイエルだが、TKOで王座陥落、初黒星。再起後、WBCインター王座(スーパーミドル級)獲得。オデムはペンシルベニア州の黒人。ハワード・デービス・ジュニア、ママドゥ・チャムといった実力者に敗れている中堅どころ。ドイツ・マクデブルクでの一戦。バイエルが慎重に相手と距離を取って右ジャブ、ワンツー。接近して左ボディ打ち。打ち終わるとまた距離を取ってアウトボクシング。オデムはジャブ、右ストレートを出すが、相手を制圧するような攻めができる選手ではない。8R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。バイエルが堅実な勝利。しかしながら、「ドイツのボクシング」は独特。アメリカ人のような「流れるような攻め」ではなく、「ピタッ」と動きを止めて丹念にジャブ、ストレートを打ち込むスタイル。観戦している方からすると何とも盛り上がりにくい戦い方(グラシアノ・ロッシジャーニ、ヘンリー・マスケもそうだった)。ドイツのファンはそれで満足なのだろうか? オデムはその伝統を崩すだけのパワーに欠けた。次の試合にTKO負けで、引退。)
③マルクス・バイエル 4R 負傷引分 サキオ・ビカ
(WBC世界スーパーミドル級タイトル戦、2006年)
バイエル:右ジャブ、左ストレート、右フック
ビカ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:バイエルがタイトル防衛。WBC世界スーパーミドル級王座を奪われては奪回し、通算三度の王座獲得を果たしたバイエルだが、国際的には比較的地味な存在。ビカ戦は「三度目の王座」の防衛戦。ビカはカメルーン出身でオーストラリア国籍の黒人。東洋太平洋ミドル級王座を獲得し、日本で試合をしたことも。ドイツ・ツウィッカウでの一戦。変わらないバイエル。ジリジリと相手との距離を詰めてジャブ、ワンツー、右フック。ビカは距離を取って左を使いながら右ストレートを狙う。バイエルは左ストレート、ビカはワンツーが良い印象。互いにディフェンスし、決定打を許さない。4R、バッティングでバイエルが右目の下をカット。負傷判定により引き分け(ダウンシーンは無し)。消化不良な結果となったが、12Rやったとしても同じような展開が続いたのでは? と思うようなバイエルの動きだった。その後の両者。WBA世界スーパーミドル級王者ミッケル・ケスラーと王座統一戦を行ったバイエルだが、3RでのKO負けで王座陥落。それが最後の世界戦に。そして2018年12月3日、腎癌のため死去(47歳)。ビカは数度の世界挑戦のチャンスをなかなかモノにできなかったが、2013年に決定戦でWBC世界スーパーミドル級王座獲得。)
①「Super Middleweight
Markus Beyer vs. Kevin Pompey」
②「Super Middleweight
Markus Beyer vs. Glenn Odem」
③「WBC World Super Middleweight Title
Markus Beyer vs. Sakio Bika」
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