IBF世界ストロー級王者。エリック・チャベス戦(初戦)、ジョー・コンスタンチノ戦、ゾリレ・ムビティ戦を紹介します。
ファーラン・ルークミンクワン(タイ)
身長160cm:サウスポー
①ファーラン・ルークミンクワン 7R TKO エリック・チャベス
(IBF世界ストロー級タイトル戦、1990年)
ファーラン:右ジャブ、左ストレート、フック
チャベス:右ジャブ、左ストレート、フック
(感想:ファーランがタイトル獲得。タイのファーラン。IBF王者だったことで日本での世界戦は無かったが、息子ジュニアは日本で試合しておなじみ。デビュー戦の相手はあのチャナ・ポーパオインで判定負け。そこから連勝で、タイ王座(ストロー級)獲得、防衛。これが初の世界戦。王者チャベスはフィリピン人。デビューから負け無し。ニコ・トーマスをKOして王者に。これが初防衛戦。タイ・バンコクでの一戦。共にサウスポー。ヒゲのチャベスは足でリズムを取りながら相手と距離を取り、右ジャブ、左ストレート。ファーランはダッキング&右ジャブで攻めの姿勢。接近戦では互いにパワーを込めたフック攻撃。2R、互いの強打がヒット。似たタイプの両者。ディフェンスしながら打ち合うが、ファーランの左パンチがヒットする。6R、バッティングでチャベスが負傷、ドクターチェック。7Rにもキズのチェック。試合終了(ダウンシーンは無し)。負傷判定ではなく、キズによるTKO。負傷の原因はバッティングによるものだが、そのキズが悪化したのはパンチによるもの。したがって「正当な攻撃によるTKO」という解釈らしい。ファーランがラッキーな勝ち方。ただ、終始攻めの姿勢で、強いパンチを入れていた。チャベスはパンチの振りが大きめで、その分、隙があったか。後、両者は立場を入れ替えて再戦。ファーランが3-0で王座防衛。その後、チャベスは勝ったり負けたり。「佐藤建太」の名で日本でWBA世界ストロー級王者ロセンド・アルバレスに挑戦したが、判定負け。世界戦での勝利はニコ・トーマス戦のみに終わった。)
②ファーラン・ルークミンクワン 3R KO ジョー・コンスタンチノ
(ストロー級戦、1992年)
ファーラン:右ジャブ、左ストレート、フック
コンスタンチノ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
3R:左ストレートでコンスタンチノがダウン
(感想:マニー・メルチョルに敗れて王座を失ったファーランが再起戦。コンスタンチノにはIBF王座の初防衛戦で判定勝ちしており、これは再戦となる。コンスタンチノはフィリピン人。IBFインターコンティネンタル王座(ストロー級)を獲得後、ファーランのIBF王座に挑戦して判定負け。それからはサッパリで、日本で大橋秀行にKOされるなど負け続けている。マレーシアでの一戦。左右の構えは違うが共にスリムな身体でジャブ。ボクサータイプのコンスタンチノが右ストレート、左フック。ファーランはワンツー。互いにストレートを狙い、接近戦ではフック連打。2R、ファーランの左パンチがヒット。3R、左ストレートが効いたコンスタンチノ。追撃の左ストレートでうつぶせにダウン、KO。ファーランが強打で快勝。コンスタンチノはややぎこちなさがあり、踏み込みのスピードで相手に劣った。その後、コンスタンチノは山口圭司らに四連敗で引退。)
③ファーラン・サックリン 12R 判定 ゾリレ・ムビティ
(WBFフライ級タイトル戦、1995年)
ファーラン:右ジャブ、左ストレート、フック
ムビティ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:ファーランがタイトル初防衛。コンスタンチノ戦から連勝のファーラン。決定戦でWBF王者に。これが初防衛戦。挑戦者ムビティは南アフリカの黒人で、ニックネームは「Bonecrusher(骨を砕くほどの強打者)」。南アフリカ王座戦(J・フライ級)でKO負けするなど不安定な時もあったが、このところ南アフリカ王座(フライ級)を連続防衛中で勢いがある。タイ・アムナートチャルーンでの一戦。スリムなムビティ。ジャブを連打し、接近して左右フック。接近戦。共に手数が多く、テンポの速い打ち合い。ムビティの手数にファーランはフックのパワー、ジャブ、ストレートのカウンターで対抗。8R、ファーランがムビティを押し倒す(レフェリーも転倒)。10R、ムビティの右フックがヒット。11R、ムビティがファーランを押し倒す(ラフな行為ではなかった)。ムビティが押し気味で12R終了。共に両手を上げて自身の勝利をアピールするが、ムビティ陣営は特に勝利を確信。判定はPTSでファーラン勝利(ダウンシーンは無し)。共にディフェンスし合い、手数が多い好試合。映像ではムビティが勝ったように見えたが、パンチはファーランの方があったか。ムビティはよく攻めたが、ダウンを奪えず。これが結果を証明していると言ってもいいかもしれない。その後の二人。ムビティはアルベルト・ヒメネスのWBO世界フライ級王座に挑戦してTKO負け。南アフリカ王座防衛、IBO王座(フライ級、スーパーフライ級)獲得。しかし、メジャー団体の世界王者にはなれなかった。ファーランは地元でWBF王座を連続防衛。WBO王座、IBF王座(いずれもライトフライ級)は獲得ならず。ラストファイトはIBF世界ミニマム級(ストロー級)王座挑戦。ドローで王座奪回ならず。IBFやWBF王者だったため日本選手との対戦機会が無かったのが残念。)
①「IBF World Minimumweight Title
Eric Chavez vs. Fahlan Lukmingkwan」
②「Minimumweight
Fahlan Lukmingkwan vs. Joe Constantino」
③「WBF Flyweight Title
Fahlan Sakkreerin vs. Zolile Mbityi」
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