スキンヘッドの世界J・ミドル級王者。テリー・ノリス戦、ダビデ・チャルランテ戦、ロナルド・ライト戦ほかを紹介します。
キース・ムリングス(アメリカ)
身長176cm:オーソドックス(右構え)
①キース・ムリングス 9R TKO テリー・ノリス
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1997年)
ムリングス:左ジャブ、右ストレート、左フック
ノリス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
8R:右ストレートでノリスがダウン
(感想:ムリングスがタイトル獲得。ジャマイカ出身のムリングス。ニックネームは「Brooklyn Assassin(ブルックリンの暗殺者)」。アトランチックシティでプロデビュー以来、連戦連勝。しかし、NABUのJ・ミドル級王座戦で判定負けして初黒星。その次の試合にも負けて連敗。さらにドロー、敗北。ようやく勝利して、ラウル・マルケスのIBF世界J・ミドル級王座に挑戦したが判定負け。その再起戦でノリスに挑戦するチャンスをもらったが、「ブルックリンの暗殺者」という割りにはパッとしないキャリア。王者ノリスは既にベテラン。サイモン・ブラウンとルイス・サンタナに王座を奪われたが奪回し、不安定ながら長らくWBC世界J・ミドル級王座を保持し続けている安定(?)王者。アトランチックシティでの一戦。共にスキンヘッドでジャブ・右ストレートを基本とする。ノリスが回転の速い連打。ムリングスはパワーを込めた打ち方。手数が多いノリスにムリングスが応戦する展開。8R、右ストレートでノリスがダウン。9R、連打でレフェリーストップ。元々、打たれ強くないノリス。これまでの試合のダメージもあったはず。パンチは速かったが、パワーに欠けていた。ムリングスは地味な感じの選手ではあるが、しっかりしたパンチを打つ。言い過ぎかも知れないが「小型ハグラー」といった印象。)
②キース・ムリングス 6R TKO ダビデ・チャルランテ
(WBC世界J・ミドル級タイトル戦、1998年)
ムリングス:左ジャブ、右ストレート、左フック
チャルランテ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ムリングスがタイトル初防衛。挑戦者チャルランテはイタリアの選手。イタリア王座、欧州王座(いずれもJ・ミドル級)を獲得し、これまで無敗。どんな選手なのか? アトランチックシティでの一戦。共にジャブ・右ストレートを使うタイプ。しかしながら、パンチの伸び、パワー、正確さに差が。ジャブを打ち合うが、強く正確に当てるのはムリングスの方。顔が腫れたチャルランテは5R終了で棄権(ダウンシーンは無し)。チャルランテは世界1位であったが、王者とは大きな実力差が。これが最初で最後の世界戦となった。)
③ロナルド・ライト 12R 判定 キース・ムリングス
(北米J・ミドル級、全米J・ミドル級タイトル戦、2000年)
ムリングス:左ジャブ、右ストレート、左フック
ライト:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ライトがタイトル防衛。二度目の防衛戦でハビエル・カスティリェホに王座を奪われたムリングス。その再起戦でWBA世界J・ミドル級王者デビッド・リードに挑戦したが、判定負け。ライト戦はその再起戦。ライトは元WBO王者でサウスポー。テクニックで勝負するタイプ。ピッツバーグでの一戦。ジャブで攻めるムリングス。ライトはジャブ・左ストレートで迎え撃ち、右フックでボディ攻撃。ディフェンスされてパンチを当てられないムリングス。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ライトはディフェンシブな選手で、倒しに行くこともなくポイントをとるタイプ。相手からすればやりにくい選手。ムリングスは良い打ち方をする選手であるが、相手のガードを吹っ飛ばすほどのパワーは無かった(そのへんがハグラーとは違うところ)。その後のライト。決定戦でIBF世界J・ミドル級王座獲得。WBC王座も獲得して王座統一。ジャーメイン・テーラーとドローで世界ミドル級王座は獲得ならず。J・ミドル級のトップとして活躍したキャリアだった。)
④スティーブ・ロバーツ 2R TKO キース・ムリングス
(WBFジュニアミドル級タイトル戦、2001年)
ムリングス:左ジャブ、右ストレート、左フック
ロバーツ:右ジャブ、左ストレート、右フック
(ダウンシーン)
1R:右フックでムリングスがダウン
(感想:ロバーツがタイトル防衛。ライトに敗れたムリングスが再起戦でWBF王座に挑戦。年齢は33。28歳のロバーツはロンドン出身の白人サウスポー。デビューから23連勝(10KO)。決定戦で獲得したWBF王座を守り続けている。英国ウェンブリーでの一戦。1R、右ジャブ、ワンツーのロバーツ。ムリングスはガードを上げて前進し、右ストレート、左フック。攻めるムリングスだが、右フックで早くもダウン。その後も右ストレートに強さを見せるムリングス。ロバーツはアウトボクシングで、左ストレートからの右フック。2R、右フックでグラついたムリングス。レフェリーもなぜかグラついてストップに入り、試合終了。ストップに不満のムリングス。しかし、足に来ていたため仕方がない。ロバーツが当てる巧さで勝利。ムリングスは動きが固い。そこを突かれて敗北。その後の二人。ロバーツは王座を連続防衛。2-0の判定で初黒星、王座陥落で事実上の引退。意外なことにメジャー団体の世界王座に挑戦することは無かった(マイナー王座でも満足?)。ムリングスはカスティリェホ戦から四連敗となり、結局、これで引退。テリー・ノリス戦は素晴らしかったが、それ以外は微妙だった印象の選手。引退後はトレーナーに。しかし、2021年に53歳で死去。死因は明らかにされていない。)
①「WBC World Super Welterweight Title
Terry Norris vs. Keith Mullings」
②「WBC World Super Welterweight Title
Keith Mullings vs. Davide Ciarlante」
③「NABF・USBA Super Welterweight Title
Ronald Wright vs. Keith Mullings」
④「WBF Super Welterweight Title
Steve Roberts vs. Keith Mullings」
テリー・ノリス("Terrible" Terry Norris)のページ
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ロナルド・ライト(Ronald "Winky" Wright)のページ
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