WBO世界スーパーウェルター級暫定王者。ミケーレ・ピッチリーロ戦、マシュー・ホール戦、フセイン・バイラム戦を紹介します。
ルーカス・コネチ(チェコ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①ミケーレ・ピッチリーロ 12R 判定 ルーカス・コネチ
(欧州スーパーウェルター級王座決定戦、2006年)
ピッチリーロ:左ジャブ、右ストレート、フック
コネチ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでピッチリーロがダウン
(感想:ピッチリーロがタイトル獲得。チェコ出身のコネチ。アマチュアで活躍。2000年シドニー・オリンピックにはライトウェルター級で出場(メダルは獲得ならず)。プロ入り。主戦場はドイツ。これまで29勝(15KO)1敗。ドイツ王座、欧州王座(いずれもスーパーウェルター級)獲得。欧州王座陥落で初黒星。WBOインターコンティネンタル王座(スーパーウェルター級)獲得。ピッチリーロと(以前獲得したものとは異なる)欧州王座を懸けて対戦。ピッチリーロはイタリア・モドゥーニョ出身で、ニックネームは「ジェントルマン」。ファン・マルチン・コッジに勝利するなどWBU王座(ウェルター級)を防衛し続けた後、コーリー・スピンクスとの決定戦に勝利してIBF世界ウェルター級王者に(2002年)。スピンクスとの再戦に敗れ、初防衛ならず。リカルド・マヨルガとのWBC世界スーパーウェルター級王座決定戦に判定負け(2005年)。マヨルガに負けた再起戦で欧州王座を狙う。イタリア・ベルガモでの一戦。ガードを固める両者。ピッチリーロはジャブが多い。距離を取ってジャブ連打、接近してワンツーからの左フック、右アッパー。手数で優勢。コネチはジリジリ相手に接近して荒っぽくフックを叩きつける。腕力はあるが、ジャブが少ない。2R、左フックでピッチリーロがダウン。その後もピッチリーロはジャブ。コネチはストレート、フックを出すが、オープンブローの警告(8Rほか)。9R、ピッチリーロが右アッパーからの左フック。12Rには回転の速い連打。12R終了。ピッチリーロ陣営は勝ちを確信。判定は3-0。ピッチリーロが手数、コンビネーションで勝利。コネチはジャブが少なすぎ。パワーを上手く生かせないのがもったいない。負けたうえに目の周辺にキズを負った。その後のピッチリーロ。バーノン・フォレストのWBC世界スーパーウェルター級王座に挑戦してTKO負け。メジャー団体で世界王者だった期間は短かかった。)
②ルーカス・コネチ 6R TKO マシュー・ホール
(欧州スーパーウェルター級王座決定戦、2010年)
コネチ:左ジャブ、右ストレート、フック
ホール:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
6R:右フック、右ストレートで2度、ホールがダウン
(感想:コネチがタイトル獲得。ピッチリーロ戦後のコネチ。連勝後、WBO王座(スーパーウェルター級)に挑戦したが判定負け(2008年)。それからはチェコ王座戦(ミドル級)といった地域王座戦に勝利するなど連勝中。ホールは英国マンチェスター出身の白人。デビューから連勝。TKOで初黒星。TKOで英連邦王座(スーパーウェルター級)獲得。しかし、初防衛戦でTKO負け。再起戦に勝利して、コネチと勝負。戦績からすると、ホールはパワーはあるが打たれ弱さがある、といったところか。英国バーミンガムでの一戦。似ている二人。共に坊主頭で黒のトランクス。ホールの方が少し背が高い。1Rから接近戦。右ストレート、フック、ボディ打ち。戦い方、打ち方も似ている。共にボディ打ちに巧さと威力があるが、攻める勢いはホールの方にある。互いに譲らない打撃戦。6R、それまでやや受け身だったコネチが一気にラッシュ。右フックでホールがダウン。立ったが、左フックからの右ストレートで痛烈なダウン。倒れると同時にレフェリーストップ。コネチが快勝。互いによく手数を出したが、ホールが根負け。ただ、ホールは決して打たれ弱い選手ではなかった。その後のホール。WBOインター王座戦、英国王座&英連邦王座ダブルタイトル戦(いずれもミドル級)といった重要な試合に敗北。英国の実力者にとどまった。)
③ルーカス・コネチ 12R 判定 フセイン・バイラム
(WBOインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王座決定戦&欧州スーパーウェルター級タイトル戦、2011年)
コネチ:左ジャブ、右ストレート、フック
バイラム:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:コネチがタイトル獲得&防衛。欧州王者コネチがWBOのインターコンチネンタル王座を狙う。バイラムはフランス人。1996年アトランタ・オリンピックにウェルター級で出場(メダルは獲得ならず)。プロではフランス王座(スーパーウェルター級)獲得、連続防衛。欧州王座(スーパーウェルター級)への挑戦はKO負け。再び同王座に挑戦して判定負け。これが三度目の挑戦となる。チェコのウースチー・ナド・ラベムでの一戦。「必勝」ということなのか、バイラムがハチマキを巻いてリングイン。コネチは帽子。共に坊主頭。バイラムが細かいジャブを連打し、右ストレート、右アッパー。コネチはブロックしながらストレート、フック。ボディ連打からの右ストレートといった攻撃にパワーがある。接近戦。互いにフック。手数のバイラム、パワーのコネチ。どちらかが一方的になったりすることもなく12R終了。判定は大差の3-0(ダウンシーンは無し)。コネチがブロック&パワーで勝利。会場で観戦の三人の幼い娘さんと共に勝利を喜んでいた。バイラムは器用さはあったが、プロとしては迫力不足。これが最後の試合に。その後のコネチ。次の試合でWBOの暫定王座(スーパーウェルター級)をKOで獲得(2012年)。しかし、正規王者との統一戦に敗れて王座陥落。「暫定」が世界王座として認められるのかどうかはともかく、コネチは「チェコ初の世界王者」として認識されている。)
①「vacant EBU Super Welterweight Title
Michele Piccirillo vs. Lukas Konecny」
②「vacant EBU Super Welterweight Title
Lukas Konecny vs. Matthew Hall」
③「vacant WBO Inter-Continental Super Welterweight Title & EBU Super Welterweight Title
Lukas Konecny vs. Hussein Bayram」
ミケーレ・ピッチリーロ(Michele Piccirillo)①のページ
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