2025年4月24日木曜日

ジョンリル・カシメロ(John Riel Casimero)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界三階級王者。軽量級離れした腕力。ルイス・ラサルテ戦、アムナット・ルエンロン戦、ゾラニ・テテ戦ほかを紹介します。

ジョンリル・カシメロ(John Riel Casimero)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ジョンリル・カシメロ(フィリピン)

身長163cm:オーソドックス(右構え)


ジョンリル・カシメロ 10R TKO ルイス・アルベルト・ラサルテ

(IBF世界ライトフライ級暫定王座決定戦、2012年)

カシメロ:左ジャブ、右ストレート、フック   

ラサルテ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

5R:右フックでカシメロがダウン

9R:連打、左フックで2度、ラサルテがダウン

10R:左フックでラサルテがダウン

(感想:カシメロがタイトル獲得。カシメロはフィリピン・レイテ島のオルモック出身。デビューから無敗でWBO世界ライトフライ級暫定王者に。初防衛に失敗、初黒星。モルティ・ムザラネのIBF世界フライ級王座に挑戦してTKO負け。再起戦にKO勝ちして、この決定戦出場。ラサルテ(40歳)はアルゼンチンの荒っぽいファイターで、元IBF世界ライトフライ級王者。ケルミン・グアルディア、ポンサクレック・ウォンジョンカム、オマール・ナルバエス、エドガル・ソーサの世界王座に挑戦して勝てなかったが、地元でIBF王座奪取。防衛にも成功。判定で王座陥落、再起戦に判定勝ちして、このカシメロ戦。アルゼンチンのマル・デル・プラタでの一戦(レフェリーはエディ・クラウディオ)。どのパンチにもパワーを込めるカシメロ。ラサルテは振りが大きめの右フック、ショートの左フックを使い分けて攻撃。1Rからバッティングでラサルテは左目にダメージ。その後もラサルテはカシメロのバッティングに不満の様子で怒りにまかせた動き。3R、クリンチ中にラサルテが右ストレート。接近戦では実に粗いもみ合いで、レフェリーは両者に再三警告。4R、カシメロが倒れた相手を攻撃して減点。5R、開始早々の右フックでカシメロがダウン。6R、ラサルテがラビットパンチで減点。7R終わりにはカシメロの肩に噛み付き。8R、カシメロがラビットパンチで減点。9R、攻められたカシメロが相手の足を掴んでローブロー。そして、大きな動き。右が効いたラサルテ。連打、左フックで二度ダウン。ゴングに救われたラサルテだが、10Rに左フックでダウン。立ったが、ロープ際でフック攻撃されたところでレフェリーストップ。それに不満の観客席から紙コップ、空き缶、イスなどがリングに投げ入れられ、リング上で乱闘発生。選手らは早々にリングから退避した。若さ&パワーでカシメロが勝利。しかし、大変なラフファイト。「両者反則」でもよかったのでは? レフェリーも感情的になり、ブレイク&警告に大忙しだった。カシメロは力んで真っ直ぐ攻めるタイプ。不器用なのだろう。ラサルテは噛み付きなどのバッドマナー。普段から地元でやりたい放題なのか? こういう選手は個人的には世界戦には出て欲しくない。その後のラサルテ。三連勝。WBAの地域王座(スーパーフライ級)の決定戦に出場して判定負け。それが最後の試合となった。)


ジョンリル・カシメロ 12R 判定 ルイス・アルベルト・リオス

(IBF世界ライトフライ級タイトル戦、2013年)

カシメロ:左ジャブ、右ストレート、フック   

リオス:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:カシメロがタイトル防衛。正規王者になったカシメロが二度目の防衛戦。挑戦者リオスはパナマ・パナマシティ出身。デビューから連勝でパナマ王座(ライトフライ級)、WBOの地域王座(ミニマム級)などを獲得。TKOで初黒星。そこから連勝。WBCの地域王座(ライトフライ級)を獲得している。パナマシティでの一戦。似た戦い方。ジャブ、そして右パンチにパワーを込めて強打。互いにディフェンスするため大きなヤマ場が無い状況が続く。この試合のカシメロはラサルテ戦とは違ってディフェンス&ジャブの丁寧なボクシング。時折ジャブをクリーンヒットさせて12R終了。判定は大差の3-0(ダウンシーンは無し)。パワーでは互角だったが、リオスは力んで狙いすぎ。ジャブも出していたが、攻撃の正確さに欠いた。その後のリオス。地域王座戦に勝利するなどの活躍があったが敗北もあり、世界戦はカシメロ戦のみとなった。) 


ジョンリル・カシメロ 4R KO アムナット・ルエンロン

(IBF世界フライ級タイトル戦、2016年)

カシメロ:左ジャブ、右ストレート、フック   

アムナット:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

4R:左フック、左ボディで2度、アムナットがダウン

(感想:カシメロがタイトル獲得。ウェイトオーバーでIBF世界ライトフライ級王座を失ったカシメロ。階級を上げてアムナットのIBF世界フライ級王座に挑戦したが、判定負け。再起戦で再びアムナットの王座に挑戦。王者アムナット(タイ)は日本でもおなじみ。元はワルだったが、ボクサーに。プロではこれまで全勝。決定戦でIBF王者になり、日本で井岡一翔を相手に判定で防衛成功。安定したアウトボクシングが強味。中国・北京での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア、レフェリーはトニー・ウィークス。会場ではアムナットの妻子が観戦)。ゴング前、共に自信に満ちた表情。試合はアムナットのシャープなジャブ、ストレートが目立つ(左フックからの右ストレートが速い)。カシメロは左を使いながら踏み込んで右を打つが、かわされる。3R、カシメロが押されて転倒。4Rには両者もつれ合って転倒(アムナットのシューズのヒモが解けた)。そして、左のショートフック・カウンター。ダウンしたアムナット。立ったが、攻められて左ボディでダウン。今度は立てず、KO。カシメロがパワーでテクニシャンを粉砕。ボクシングはアムナットの方が巧かったが、プロボクシングはパワーを競い合う世界。カシメロには井岡には無い爆発力があった。その後のアムナット。リングに上がり続けたが、地域王座戦に敗れるなど世界戦はカシメロとの再戦が最後となった。)


ジョンリル・カシメロ 3R TKO ゾラニ・テテ

(WBO世界バンタム級王座統一戦、2019年)

カシメロ:左ジャブ、右ストレート、フック

テテ:右ジャブ、左ストレート   

(ダウンシーン)

3R:右フック連打、左フックで2度、テテがダウン

(感想:カシメロがタイトル統一。アムナット戦後、IBF世界フライ級王座の初防衛に成功したカシメロ。その後、敗北はあったが、決定戦でWBO世界バンタム級暫定王座獲得。正規王者テテと「統一戦」。テテは南アフリカの黒人サウスポー。日本でIBF世界スーパーフライ級王座獲得。決定戦でWBO世界バンタム級暫定王座を獲得し、正規王者に昇格。初防衛戦を1R(11秒)で勝利したことで世界でも話題に。これが四度目の防衛戦。英国バーミンガムでの一戦。スリムなテテ。速い右ジャブ、左ストレート。しかし、ブロック&バックステップを使って接近戦は避けたい様子。カシメロは踏み込んで右を打つが、逃げられる。3R、右フックが効いたテテにさらに右フック連打。ダウンから立ったテテだが、完全に足に。攻めるカシメロ。左フックでテテが二度目のダウン。今度も立ったがコーナー付近で強打を浴びてレフェリーストップ。カシメロがアムナット戦のような勝ち方。テテはパンチはシャープだったが、細身。「ドカン」といった感じのカシメロの強打には身体が保たなかった。その後の二人。テテは再起戦に勝利、地域王座戦にも出場。しかし、ドーピング検査に引っかかり出場停止処分。おそらく引退だろう。カシメロもまた残念。ギレルモ・リゴンドウらに勝利、王座防衛。しかし、念願の井上尚弥との試合は実現せず、トラブルにより王座剥奪。無冠となり、年も取った。ここからの活躍があるのだろうか?)


①「vacant IBF Interim World Light Flyweight Title

John Riel Casimero vs. Luis Alberto Lazarte」

②「IBF World Light Flyweight Title

John Riel Casimero vs. Luis Alberto Rios」

③「IBF World Flyweight Title

Amnat Ruenroeng vs. John Riel Casimero」

④「WBO World Bantamweight Title

Zolani Tete vs. John Riel Casimero」


アムナット・ルエンロン(Amnat Ruenroeng)のページ 

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