アムナット・ルエンロン(タイ)
身長164cm:オーソドックス(右構え)
①アムナット・ルエンロン 12R 判定 井岡一翔
(IBF世界フライ級タイトル戦、2014年)
アムナット:左ジャブ、右ストレート、左フック
井岡:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:アムナットがタイトル防衛。「ワケあり」な出生だったアムナット。捨て子で、長い間「タイ人」と国から認められなかった。ムエタイで活躍したが犯罪で刑務所へ。アマボクシングを始め、早期釈放。北京オリンピック(2008年)にはライトフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。32歳でプロデビュー。王座決定戦でIBF世界フライ級タイトルを獲得し、これまで全勝。これが初防衛戦となる。三階級制覇を狙う井岡もまた全勝。アマチュア時代にアムナットに敗れたことがあり、プロで雪辱したいところ。大阪で行われた一戦。井岡が速いジャブとキレのある左フック。アムナットはよく伸びるジャブ・ストレート。しかし、中盤以降は失速し、長いパンチとクリンチでスタミナ不足をカバー。判定は2-1。ダウンシーンは無し。井岡は積極的に前に出たが、決定的なパンチは少なかった。ゴマかすような試合運びでなんとか勝ったアムナット。序盤はキレのあるジャブを打ち、「マーク・ブリーランドみたいな素晴らしい選手だ」と思ったら、勢いがあったのは前半だけ。少し残念。)
(IBF世界フライ級タイトル戦、2014年)
アムナット:左ジャブ、右ストレート、左右フック
アローヨ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
6R:左フックでアムナットがダウン
(感想:アムナットがタイトル防衛。二度目の防衛戦。相手のアローヨはプエルトリカン。WBC、WBOの地域王座を獲得するなど、ここのところ連勝中。ジャブを使い、打つときはまとめて連打するアムナット。攻めが雑なアローヨは前に出るが、相手のディフェンスとクリンチによりあまりヒットしない。10Rには相撲の押し倒しのような感じで倒れる両者。最終ラウンド終了間際にもつれあってヒザをつく。ダウンはあったが、2-1の判定でアムナット。アローヨの前に出る姿勢を評価したジャッジがいたということか。この二人は再戦する話もあったようだが実現しなかった(たぶん同じような内容になっていただろうからそれでよかったのでは?)。アローヨは後、ローマン・ゴンザレス、井岡一翔には敗れたが、WBC世界フライ級暫定王座を獲得した。)
(IBF世界フライ級タイトル戦、2015年)
アムナット:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ゾウ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:右フックでアムナットがダウン
(感想:アムナットがタイトル防衛。三度目の防衛戦は注目の好カード。挑戦者のゾウは中国の選手で、北京オリンピックとロンドンオリンピックで金メダルを獲った男(いずれもライトフライ級)。ボブ・アラムの「トップランク社」と契約し、プロ転向。WBOのインター王座(フライ級)を獲得、防衛し、これまで全勝。ただし、これがプロ七戦目。経験の少なさが気になるところ。マカオで行われた一戦。いつものようにジャブを使って距離を取るアムナット。伸びのあるジャブと正確なパンチで判定は3-0。試合自体はもう一つ。アムナットが倒しに行くタイプの選手ではないのはわかっていたが、ジャブを出す程度で、3Rにゾウを投げ飛ばすなどパンチの交換以外の部分が目立った。選手のことを悪く評価したくはないが、ゾウ・シミンには興味を持っていただけに少し期待外れ。ゾウはジャブは悪くはなかったが、ガチャガチャ攻めてバランスが悪く、手数も少なく、顔を突き出して相手を挑発。プロボクシングなのだから強いパンチを多く当てることにもっと集中すべきだ(後、WBO世界フライ級タイトルを獲得したが、期待されたほど活躍できず)。その後、アムナットはジョンリル・カシメロに敗北し、六度目の防衛に失敗。何と、その後、再びアマチュアに戻ってリオ・オリンピックに出場(またしてもメダル獲得ならず)。ムエタイに復帰。プロボクシングにも復帰。IBF王座陥落後は目立った活躍は無いが、リングに上がり続けている。戦うのが好きなのだろう。)
Amnat Ruenroeng vs. Ioka Kazuto」
②「IBF World Flyweight Title
Amnat Ruenroeng vs. McWilliams Arroyo」
③「IBF World Flyweight Title
Amnat Ruenroeng vs. Shiming Zou」
0 件のコメント:
コメントを投稿