世界五階級制覇王者。デビュー戦&初の世界挑戦。ロベルト・アポダカ戦、ミゲル・メロ戦、ヘナロ・エルナンデス戦を紹介します。
フロイド・メイウェザー・ジュニア(アメリカ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①フロイド・メイウェザー・ジュニア 2R TKO ロベルト・アポダカ
(ライト級戦、1996年)
メイウェザー:左ジャブ、右ストレート、フック
アポダカ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
1R:左ボディでアポダカがダウン
2R:左ボディでアポダカがダウン
(感想:ミシガン州出身のメイウェザー・ジュニア。「ボクシング一族」で父はフロイド・メイウェザー・シニア、叔父はロジャー(世界二階級制覇)とジェフ。本名は「フロイド・ジョイ・シンクレア」。幼い頃はかなり悲惨。貧しいうえに治安が悪く、薬物が蔓延しているような環境。父シニアはボクサーとしての活動とは別に「麻薬の売人」という裏の顔。シニアからの暴力。母も薬物中毒。ジュニアは高校を中退し、ボクサーの道へ。1996年のアトランタ・オリンピックにはフェザー級で出場。銅メダルを獲得したが、内容で勝っていたにもかかわらず負けにされた不本意な結果だったという。ボブ・アラム「トップランク」と契約してプロ転向。ファイトマネーは2500ドル。アポダカはメキシカン。こちらもこれがデビュー戦。ラスベガスでの一戦(レフェリーはケニー・ベイレス)。1R、共にスリムな身体からジャブ。黒のトランクスのメイウェザーは構え方、足のスタンスが叔父ロジャーによく似ているが、パンチの打ち方はそうでもない。ワンツー、左フックで攻めるメイウェザー。アポダカは右ストレートを出すが、メイウェザーはダッキングや腕を使ってディフェンス。そして左ボディでアポダカがあっけなくダウン。その後もメイウェザーが隙を突くパンチ、連打。2R、左ボディでアポダカがダウンし、悶絶。レフェリーは試合を止めた。メイウェザーが当てる巧さで勝利。やや強引な攻めもあったが、相手の動きが見えていたのだろう。アポダカは早々にボディが効いてしまった。その後、アポダカは数試合やって引退。プロでの勝利は一つだけだった。)
②フロイド・メイウェザー・ジュニア 3R TKO ミゲル・メロ
(ライト級戦、1998年)
メイウェザー:左ジャブ、右ストレート、フック
メロ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
2R:右ボディ連打でメロがダウン
3R:左ボディでメロがダウン
(感想:連勝を続けるメイウェザー。WBCのJ・ライト級12位にランク。メロはドミニカの選手。アマチュアでは200戦以上(らしい)。プロではデビューから連勝でアメリカのローカル王座を獲得したが、判定で初黒星。再起戦でメイウェザーと勝負。コネチカット州マシャンタケットでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはスティーブ・スモーガー)。1R、ブルーのトランクスのメイウェザー(メロは赤)。左のガードを下げた構えでディフェンスしながらジャブ、ストレート、フック。メロもガードを下げ、ジャブ、ストレート、振りが大きいフック。しゃがむような体勢でメイウェザーのパンチをかわしてレフェリーから注意(反則?)。接近戦でのフックでの打ち合い。メイウェザーはジャブ、ストレートに伸びと正確さがあり、左ボディ打ちに強さ。メロは距離を取る。2R、メイウェザーが左ボディからの右ストレート。右ボディ連打でメロがダウン。立ったメロはボディ連打で反撃するが、メイウェザーは独特のブロッキング(右手を顔の横に付け、左手でボディをガード)。3Rも接近戦。強烈な左フック、そして左ボディでメロがダウン。立ったが、戦意喪失でレフェリーストップ。メイウェザーが良い勝ち方。ストレート、フックにキレとパワー、そしてブロッキング。メロは中途半端。攻めたり、距離を取ったり。また、振りの大きいパンチは隙も大きかった。当てる巧さがあるメイウェザーにとってこの結果は当然だったか。メロはこれが最後の試合に。)
③フロイド・メイウェザー・ジュニア 9R TKO ヘナロ・エルナンデス
(WBC世界J・ライト級タイトル戦、1998年)
メイウェザー:左ジャブ、右ストレート、フック
エルナンデス:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:メイウェザーが初の世界タイトル獲得。全勝のままメイウェザーが初の世界挑戦。王者は経験のある実力者。エルナンデスはメキシコ系アメリカ人。帝拳ジムとプロモート契約をし、日本のリングにも登場。ダニエル・ロンダを決定戦でTKOに下してWBA世界J・ライト級王座獲得。連続防衛後、オスカー・デラ・ホーヤのWBO世界ライト級王座に挑戦したが、鼻を負傷して初黒星。アズマー・ネルソンに判定勝ちしてWBC世界J・ライト級王座獲得。これが四度目の防衛戦。単に世界戦に勝ってきただけではなく、背が高く(身長180cm。シュガー・レイ・レナード、マイク・タイソンは178cm)、懐が深いボクシングをする強味がある。まだ経験が浅いメイウェザーがその「やりにくさ」を克服できるかどうか? ラスベガス「ヒルトン」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはジェイ・ネイディ。メイウェザーのセコンドに父シニア、叔父ジェフ、ミゲス・ディアス)。1R、左フック、右ストレートでエルナンデスが先制攻撃。そしてブロックしながら定評のあるジャブ&左のテクニック。メイウェザー(この頃はまだ少年のような顔立ち)はジャブ、ストレート、左フック。右ストレートに速さ、左フックに強さがあるが、ブロックされる。2R、メイウェザーが勢い余ってエルナンデスを押し倒す。次第に勢いでメイウェザー。エルナンデスは特に酷く打たれたわけではないが受け身に(元々慢性的に右拳の不調があり、デラ・ホーヤ戦で鼻を負傷。強い選手だが、故障がちで本来の力を発揮できない試合をしてしまうことがよくあった)。7R、激しい打ち合い。エルナンデスが左ボディ打ち、メイウェザーはワンツー、フック連打。8R終了後、エルナンデスが棄権して試合終了(ダウンシーンは無し)。メイウェザーが攻めの姿勢で勝利。関係者に祝福され、感動の王座奪取となった。エルナンデスは余力を残して敗北(デラ・ホーヤ戦と似た棄権。おそらく鼻が原因)。打ちのめされる前にリタイアするのがエルナンデスの美学か。これが最後の試合に。メイウェザーのその後の活躍は説明不要。世界五階級制覇を達成したが、「全勝のまま五階級制覇」は史上初。結局、全勝で引退。その後も特別試合などで大金を稼ぎ続けている。ただ、プライベートではトラブル。幼少期のトラウマなどが原因なのだろうが、格闘家は引退後の人生の方が長い。これからも何かと話題になりそうである。)
①「Lightweight
Floyd Mayweather Jr vs. Roberto Apodaca」
②「Lightweight
Floyd Mayweather Jr vs. Miguel Melo」
③「WBC World Super Featherweight Title
Genaro Hernandez vs. Floyd Mayweather Jr」
ヘナロ・エルナンデス(Genaro Hernandez)のページ
0 件のコメント:
コメントを投稿