WBA世界ヘビー級王者。ブライアン・ジョーンズ戦、ダニエル・フランク戦、ニコライ・ワルーエフ戦を紹介します。
ルスラン・チャガエフ(ウズベキスタン)
身長180cm:サウスポー
①ルスラン・チャガエフ 2R KO ブライアン・ジョーンズ
(ヘビー級戦、1997年)
チャガエフ:右ジャブ、左ストレート、左フック
ジョーンズ:左ジャブ、右ストレート
(ダウンシーン)
2R:左フックでジョーンズがダウン
(感想:「White Tyson」と呼ばれたチャガエフ。「体格や顔つきがマイク・タイソンに似ている」ということから付けられたニックネーム(しかしながら、ズングリした感じで、あまりタイソンっぽくない。どちらかと言うとフランチェスコ・ダミアニに似た体型)。アマチュアで見事な成績、しかし、オリンピック(アトランタ、シドニー)ではメダル獲得ならず。アメリカでプロデビュー。ジョーンズ戦はプロ二戦目。ジョーンズはどんな選手なのだろう? ウィスコンシン州ミルウォーキー出身の黒人。負けが多い四回戦選手。見た目の体型がチャガエフと似ている。イリノイ州ローズモントでの一戦。アップライトな姿勢で左ジャブ、右ストレートのジョーンズ。太っているため動きの機敏さに欠け、ディフェンスもできていない。チャガエフはダッキングしながら前進。サウスポーながら、右フックではなく左フックを器用に当てる。2R、左フックでジョーンズがダウン。立てず、KO。結果は妥当なところ。チャガエフはしっかりジャブを使うタイプ。左フックを当てるのが巧い。この後、チャガエフはアマチュアのリングに。2001年に再びプロへ。ジョーンズはチャガエフ戦後、全敗だった。)
②ルスラン・チャガエフ 2R KO ダニエル・フランク
(ヘビー級戦、2003年)
チャガエフ:右ジャブ、左ストレート、右フック
フランク:左ジャブ、右フック
(ダウンシーン)
2R:左ストレートでフランクがダウン
(感想:これまで6勝(5KO)1分のチャガエフ。フランクはブラジルの黒人で12勝(12KO)5敗1分。勝利は全てKOだが、直前の試合でサミュエル・ピーターに2RでKO負け。どんな選手なのか? ドイツ・ヴァンズベクで行われた試合。アップライトな姿勢で左ジャブを打つフランク。右フックは手打ち気味でディフェンスも甘い。チャガエフがブロックしながら1Rから左ストレートを当てる。1R終了後、両者エキサイトして小突き合う。2R、チャガエフが踏み込みの速い左ストレート。ダウンしたフランクは立てず、KO。チャガエフが完勝。見た目の体型の割りには速い動きだった。フランクは期待外れ。ジャブ以外はサッパリ。ブライアン・ジョーンズと同様の欠点があった。その後、フランクは勝ったり負けたり(当然?)。王座戦も経験したが、無冠に終わった。)
③ルスラン・チャガエフ 12R 判定 ニコライ・ワルーエフ
(WBA世界ヘビー級タイトル戦、2007年)
チャガエフ:右ジャブ、左ストレート
ワルーエフ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:チャガエフがタイトル獲得。フランク戦後もドイツを主戦場に勝ち続けたチャガエフ。WBA・WBOインターコンチネンタル王座(ヘビー級)を獲得。ジョン・ルイスとWBA世界ヘビー級王座挑戦者決定戦を行い、2-1で勝利。この初の世界挑戦。王者ワルーエフはロシアの大巨人。身長213cm。180cmのチャガエフとは大きな体格差。ドイツ・シュトゥットガルトでの一戦。巨人ではあるが丁寧なボクシングをするワルーエフ。ジャブ、右ストレート。右フックでカウンターを取る器用さもある。チャガエフは距離を取りながらブロック&左ストレート作戦。残念ながら動きが鈍いワルーエフ。パンチはそれなりに速いが、隙がある。ワルーエフの右がヒットするシーンもあるが、チャガエフの左が時折ヒット。最終ラウンド終了時、チャガエフは勝利を確信した表情。判定は2-0(ダウンシーンは無し)。 チャガエフが左で勝利。しかしながら、実に地味な勝ち方。ワルーエフは個性的ではあるが、「スピードのない世界王者」はやはり魅力に欠ける。その後のチャガエフ。王座防衛に成功したが、ウラジミール・クリチコにTKO負けを喫して初黒星。その後、決定戦でWBA王座返り咲き。「世界ヘビー級王者」にしては地味だったが、正確なパンチは評価に値する。)
①「Heavyweight
Ruslan Chagaev vs. Brian Jones」
②「Heavyweight
Ruslan Chagaev vs. Daniel Frank」
③「WBA World Heavyweight Title
Nikolai Valuev vs. Ruslan Chagaev」
ニコライ・ワルーエフ(Nicolay "The Russian Giant" Valuev) のページ
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