IBF・WBO世界ミニマム級王者。ホセ・ルイス・バレラ戦(初戦)、ヌコシナチ・ジョイ戦、モイセス・フェンテス戦を紹介します。
ラウル・ガルシア・イラレス(メキシコ)
身長163cm:サウスポー
①ラウル・ガルシア・イラレス 12R 判定 ホセ・ルイス・バレラ
(IBF世界ミニマム級タイトル戦、2008年)
イラレス:右ジャブ、左ストレート、フック
バレラ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:イラレスがタイトル防衛。メキシカンのイラレス。双子の兄弟ラモンも後にWBO世界ライトフライ級王者になる「ボクシング兄弟」。メキシコ王座を獲得、防衛後、フローレンテ・コンデス(フィリピン)に2-1で勝利してIBF世界ミニマム級王座獲得。デビュー以来、無敗でこれまで23勝(15KO)1分。バレラ戦は初防衛戦となる。バレラはベネズエラの選手で14勝(7KO)4敗。WBAの地域王座(ミニマム級)を獲得したが、WBO世界ミニマム級王者イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)に判定負けで王座獲得ならず。来日し、WBA世界ミニマム級王者の新井田豊に挑戦したが、KO負け。イラレス戦はその再起戦となる(世界戦に負けた再起戦が世界戦。余程実力があるのか、最軽量級は層が薄いのか)。メキシコ・ラパスでの一戦。距離を取りながら右ジャブ、左ストレートのイラレス。接近して左右フック連打。ロングの左フックに特徴があり、左フックをボディからアゴに打つ器用さ、連打の回転の速さがある。バレラは普通の選手。ジャブ、右ストレート、左フック。右を当てようとする。パンチの正確さ、手数でイラレスがポイントを取っている印象。バレラは左フックからの右ストレートといったコンビネーションも使うが、ディフェンスされてしまう。8R、イラレスがラッシュ。11R、バレラはサウスポーにスイッチするが、効果無し。12R終了、判定は3-0(ダウンシーンは無し)。イラレスが当てる巧さ、手数で勝利。バレラは平均的な選手。なぜ、こんなにもチャンスがもらえるのか? IBF王座を懸けたダイレクト・リマッチが行われ、再び3-0でバレラ敗北。以後は全敗でキャリアを終えた。)
②ヌコシナチ・ジョイ 12R 判定 ラウル・ガルシア・イラレス
(IBF世界ミニマム級タイトル戦、2010年)
イラレス:右ジャブ、左ストレート、フック
ジョイ:右ジャブ、左ストレート、フック
(感想:ジョイがタイトル獲得。イラレスの五度目の防衛戦。挑戦者ジョイ(南アフリカ)はこれまで全勝。IBO王者(ミニマム級)だったが、挑戦者決定戦に勝利してメジャー王座に挑戦。南アフリカのイースト・ロンドンで行われた無敗対決。共にサウスポー。ジャブ、ワンツー、右フック、ボディ打ち。互いにディフェンス。使うパンチは共通しているが、「パンチの伸び」に差が。パワーを込めたワンツーを打つイラレス。ジョイは伸びのある右ジャブ、左ストレート。接近戦ではジョイの右フックがヒット。前に出るイラレスだが、打たれる。12R終了、判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ジョイが当てる巧さで勝利。イラレスのパンチは力強かったが、伸びるパンチを食い続けてしまった。一方、素晴らしいテクニック&スピードを見せたジョイ。しかしその後、KO負けで王座陥落。以後は勝ったり負けたり。全勝だった選手が敗北をキッカケに負けが増えていくのはよくあるパターン。)
③モイセス・フェンテス 12R 判定 ラウル・ガルシア・イラレス
(WBO世界ミニマム級タイトル戦、2011年)
イラレス:右ジャブ、左ストレート、フック
フェンテス:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
7R:右ストレートでイラレスがダウン
9R:左フックでフェンテスがダウン
(感想:フェンテスがタイトル獲得。ジョイに初黒星を喫したイラレスだが、再起戦に勝利。その次の試合はWBO世界ミニマム級暫定王座決定戦。2-1で勝利して王座獲得。正規王者ドニー・ニエテスが王座を返上したため、イラレスが正規王者に。初防衛に成功。フェンテスと二度目の防衛戦。これまで30勝(18KO)1敗1分。挑戦者フェンテスもまたメキシカン。13勝(6KO)1敗。北米王座戦(ミニマム級)で敗北しており、まだ王座を獲ったことがない。メキシコ・グアダラハラでの一戦。左右の構えは違うが共にジャブ、ストレート、ディフェンス。フェンテスは長いジャブ、ストレート、ロングフックを使う。2R、フェンテスの右カウンターがヒット。力強い攻めを見せるイラレスだが、微妙にパンチが当たらなかったり、強振してバランスを崩したり。フェンテスも振りの大きい攻めで隙があるように見えるが、逆に相手のガードの隙を突く。7R、右ストレートでイラレスがダウン。9R、左フックでフェンテスがダウン。その後は攻めるイラレス、隙を突くフェンテス。12R終了。判定は2-1。一生懸命攻めた方が逆に打たれて敗北。イラレスはパワーを意識しすぎたか、隙があった。その後、イラレスは世界王座復帰ならず。ラストファイトはドニー・ニエテスのWBO世界ライトフライ級王座への挑戦、TKO負け。ミニマム級というのは悲しいクラス。パワーに欠ける選手が多い。それを意識してかパワーを込めた攻めを見せるが、軽いパンチを素早く打つ選手にしてやられてしまう。しかし、軽いパンチで王者になったとしても迫力不足では国際的な人気は得られない。フェンテスはその後、日本で田中恒成、比嘉大吾と対戦したが、いずれもKO負けだった。)
①「IBF World Minimumweight Title
Raul Garcia Hirales vs. Jose Luis Varela」
②「IBF World Minimumweight Title
Raul Garcia Hirales vs. Nkosinathi Joyi」
③「WBO World Minimumweight Title
Raul Garcia Hirales vs. Moises Fuentes」
ヌコシナチ・ジョイ(Nkosinathi Joyi)のページ
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