ヌコシナチ・ジョイ(南アフリカ共和国)
身長168cm:サウスポー
①ヌコシナチ・ジョイ 3R 無効試合 高山勝成
(IBF世界ミニマム級タイトル戦、2011年)
ジョイ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
高山:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ジョイがタイトル防衛。南アフリカ・東ケープ州ムダントセーン出身の黒人ジョイ。ミニマムにしては背が高く、ニックネームは「Baby Bear(小熊)」。これまで全勝。南アフリカのミニマム級王座、IBOミニマム級王座を獲得、防衛。挑戦者決定戦に勝利してIBF世界ミニマム級王座に挑戦、王座獲得。高山戦は初防衛戦となる。高山はWBC世界ミニマム級王座、WBA世界ミニマム級暫定王座を獲得した男。IBF王座に挑戦するため、日本ボクシングコミッションに引退届を提出(当時、日本ではIBFは認められていなかった)。まさに「背水の陣」といったところ。南アフリカ・ブラックパンでの一戦。ジャブ・ストレートを基本とし、接近戦ではフックを器用に打つジョイ。動き回る高山にジャブ。3R、打ち合いでのバッティングで高山が出血。続行不能で終了(ダウンシーンは無し)。消化不良な結果だが、ジョイの左ストレートを当てる巧さが印象に残った。)
(IBF世界ミニマム級タイトル戦、2012年)
ジョイ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
高山:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
5R:連打で高山がダウン
(感想:ジョイがタイトル防衛。南アフリカ・イーストロンドンで再戦。いきなり突進する高山。フットワークを使いながら接近して連打する作戦。しかしながらジョイは離れてはジャブ・ストレート、接近してはフック、と自在に高山の動きに対応。5Rにダウンを奪って12R終了。判定は3-0。パンチの正確さが評価されたと思われる。高山のボディ打ちも悪くはなかったが、ジョイは距離を取ってストレートを当てるのが巧かった。そんな相手にフットワークで距離を取る戦法はどうか? その後も高山はリングへ。IBF、次いでWBOのミニマム級王座獲得。)
(IBF世界ミニマム級タイトル戦、2012年)
ジョイ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ロドリゲス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
7R:右フックでジョイがダウン
(感想:ロドリゲスがタイトル獲得。三度目の防衛戦。挑戦者ロドリゲスはメキシカン(メキシコのシナロア州グアサベ出身)。。ドニー・ニエテスのWBO世界ミニマム級王座への挑戦は判定負けに終わったが、北米ミニマム級王座、WBCの地域王座(ライトフライ級)を獲得し、この二度目の世界挑戦。グアサベでの一戦。いつものようにジャブ・ストレート・連打で手数が多いジョイ。ロドリゲスはガードを固めて前進。頭をくっつけての打ち合い。7R、右フックでジョイがダウン、試合終了。ポイントでは手数が多いジョイが勝っていたようだが、ロドリゲスはダメージを負うようなパンチを食ってはいなかった。ジョイは良い選手だが一発で倒すようなパワーは無い。パンチの無い選手は手数をいっぱい出しても逆転されてしまう悲しさがある。後、ロドリゲスは初防衛戦で高山勝成に敗北し、王座を明け渡した。)
④ヘッキー・ブドラー 12R 判定 ヌコシナチ・ジョイ
(IBOミニマム級タイトル戦、2013年)
ジョイ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ブドラー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ブドラーがタイトル防衛。IBF王座を失って初黒星のジョイ。これまで24勝(16KO)1敗。IBO王座奪回を目指す。21勝(6KO)1敗の王者ブドラーも南アフリカ(ヨハネスブルグ出身)だが、ジョイと違って白人。決定戦でIBOライトフライ級王座獲得。王座陥落後、決定戦でIBOミニマム級王座獲得。「IBO専門」といった感じのキャリアで、ジョイと三度目の防衛戦。南アフリカ・ケンプトンパークでの一戦(レフェリーは大物スタンリー・クリストドーロー)。左右の構えは違うが、互いにジャブ、ストレート。接近戦ではディフェンスしながら連打。ブドラーは右ストレート、ジョイはボディ攻め。動きのスピード、パンチのキレは共にそこそこ。距離を取りながら連打をまとめるブドラー、前進してフック連打のジョイ。12R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。共に手数を出したが、ガードし合って大きな見せ場が無かった試合。テクニックはあったが、「迫力」という点ではどうか? 個人的には攻勢点でジョイが勝ったように見えたが、ブドラーの細かいパンチも時折ヒットしていた。その後の二人。ブドラーはWBA世界ミニマム級暫定王座決定戦に勝利。後、正規王者に昇格。WBA・IBF世界ライトフライ級統一王者にもなった。ジョイは全盛を過ぎ、勝ったり負けたり。ただ、WBCインター王座(ライトフライ級)獲得、IBO王座奪回といった活躍も。メジャー団体の世界王者だった時期が短かったためマイナーな存在ではあるが、テクニックはしっかりしたものがあった。)
Nkosinathi Joyi vs. Takayama Katsunari」
②「IBF World Minimumweight Title
Nkosinathi Joyi vs. Takayama Katsunari」
③「IBF World Minimumweight Title
Nkosinathi Joyi vs. Mario Rodriguez」
④「IBO Minimumweight Title
Hekkie Budler vs. Nkosinathi Joyi」
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