WBA世界J・フェザー級王者&オリンピック金メダルのランドルフ。リカルド・カルドナ戦、セルヒオ・パルマ戦、「パルマ vs. カルドナ、ルハン」を紹介します。
レオ・ランドルフ(アメリカ)
身長172cm:オーソドックス(右構え)
セルヒオ・パルマ(アルゼンチン)
身長164cm:オーソドックス(右構え)
①レオ・ランドルフ 15R TKO リカルド・カルドナ
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1980年)
ランドルフ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
カルドナ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
5R:右ストレートでランドルフがダウン
(感想:ランドルフがタイトル獲得。ミシシッピ州コロンバス出身の黒人ランドルフ。1976年のモントリオール・オリンピックにフライ級で出場し、金メダル(レオン・スピンクス、マイケル・スピンクス、シュガー・レイ・レナード、ハワード・デイヴィス・ジュニアも金メダルを獲得した大会)。プロではバンタム級でスタート。一つ黒星を喫したが、「WBA6位」として初の世界挑戦。王者カルドナはコロンビアのサン・バシリオ・デル・パレンケ出身の黒人で「ボクシング兄弟」(兄プルデンシオ・カルドナはWBC世界フライ級王座を獲得)。洪秀煥をジャブでギブアップさせて王座獲得。日本で瀬川幸雄を相手に防衛成功。長いジャブ、ストレートを武器とするエウセビオ・ペドロサのようなタイプ。ワシントン州シアトルでの一戦。共にジャブ。カルドナがシャープなジャブ、右ストレート、そして威力がありそうな左フック。接近戦。ランドルフが左を使いながら斜め上からの右フックを当てる。5R、右ストレートでダウンしたランドルフ。ブロック、クリンチでピンチをしのぐ。8R、ジャブがクリーンヒットしてカルドナが後退。カルドナはキレイなボクシングをするが、倒しに行くような攻めをしない。14R、15R、打たれるカルドナ。ロープ際で連打を浴びてレフェリーストップ。ランドルフがパンチを当てるテクニックで勝利。レナードがベニテスを破って初めて世界王座を獲ったときと同じように15Rに仕留めた。カルドナは優秀な選手ではあったが、闘争本能に欠けていたように見えた。その後、カルドナは王座奪回を目指して現役続行。)
②セルヒオ・パルマ 5R KO レオ・ランドルフ
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1980年)
ランドルフ:左ジャブ、右ストレート、左フック
パルマ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:右フック、連打で2度、ランドルフがダウン
5R:連打でランドルフがダウン
(感想:パルマがタイトル獲得。ランドルフの初防衛戦。挑戦者パルマはアルゼンチンの選手。アルゼンチン王座、南米王座(いずれもJ・フェザー級)獲得後、リカルド・カルドナのWBA王座に挑戦して判定負け。再起二連勝でこの二度目の同王座挑戦。ワシントン州スポーカンでの一戦(リングアナはジミー・レノン、レフェリーは南アフリカのスタンリー・クリストドーロー、ラウンドガールはキレイな女性)。1R、共に速いジャブ。パルマが先制攻撃。右フックでランドルフがピンチ。ラッシュするパルマ、応戦するランドルフ。右フック、連打でランドルフが二度ダウン。2Rにはストップ寸前まで打たれる。3R、ジャブで体勢を立て直そうとするランドルフ。5R、連打でランドルフがダウン。立ったがカウントアウト。パルマが左右フックの嵐で新王者に(髪型、攻め方が張正九みたいな感じだった)。初防衛に失敗したランドルフ。キレのある良いパンチを打っていたが、1Rの右フックが効いてしまった。そして、これで引退。まだ22歳だったが「自分はプロ向きではなかった」というのが辞めた理由だそうだ。引退後はバスの運転手になったという。)
③セルヒオ・パルマ 12R TKO リカルド・カルドナ
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1981年)
パルマ:左ジャブ、右ストレート、フック
カルドナ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
12R:左フックでカルドナがダウン
(感想:パルマがタイトル防衛。王者パルマ。ウリセス・モラレス、レオ・クルス相手に防衛に成功し、三度目の防衛戦。立場を入れ替えてカルドナと再戦。元王者で挑戦者のカルドナはランドルフに敗れた後、二連勝。どんな動きを見せるか? アルゼンチン・ブエノスアイレスでの一戦。共にガードを上げたスタイル。カルドナはキレイな打ち方で左ジャブ、右ストレート、左フック、斜め下からの右フック。パーマ頭のパルマ(まるで日本または韓国人選手のよう)はディフェンスしながら開始から接近戦を仕掛ける。1Rから打ち合い。パルマがしつこいためカルドナはロープを背負いながら応戦するが、距離を詰められて長いパンチを使えず。左右フック、ボディ打ちでパルマが優勢。11R終了間際、カルドナが打たれる。12R、右フックからの左フックでカルドナがダウン。立ったカルドナをフック、ボディ打ちで追い込むパルマ。カルドナは打ち返すが、右ストレートを食ったところでレフェリーが両者の間に入って試合終了。パルマが韓国人ラッシャーのような攻めで勝利。王者になって自信がついたのか、カルドナにTKOで雪辱。カルドナはボクシングの教科書のような打ち方をしていたが、パルマの攻めをストップするだけのパワーに欠けた。その後、カルドナは勝ったり負けたり(李承勲に韓国でKO負け)。ラストファイト(1984年)の相手はホルヘ・ルハンでTKO負けだった。)
④セルヒオ・パルマ 15R 判定 ホルヘ・ルハン
(WBA世界J・フェザー級タイトル戦、1982年)
パルマ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ルハン:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:パルマがタイトル防衛。五度目の防衛戦。挑戦者ルハンはパナマ。ハードパンチャーのアルフォンソ・サモラを番狂わせでKOしてWBA世界バンタム級王座を獲得し、日本で磯上修一をTKOで下して王座を防衛したこともあるテクニシャン。二階級制覇を目指す。アルゼンチン・コルドバでの一戦。パルマがブロックしながら左右フックで攻める。ルハンは足で距離を取りながらジャブ、右ストレート、左フック。左のテクニックを中心に使う。攻めるパルマ、応戦するルハン、の展開が続く。パルマは得意の右フックではなく、この試合では左フックを時折ヒットさせる。13R、ルハンが左手を伸ばし、サミングで減点。15R終了。判定は3-0。パルマの攻める姿勢が評価されたか(ダウンシーンは無し)。ルハンは器用だったがカルドナと同様、倒しに行かないボクシング。世界戦の挑戦者としては物足りない、といったところ(後、WBA世界フェザー級王者エウセビオ・ペドロサに挑戦したが、判定負け。二階級制覇ならず。それが最後の世界戦となった)。その後、パルマはかつて判定で下したレオ・クルスに判定で敗れ、王座陥落。世界王者としては地味だったが、ランドルフを圧倒した右フックが印象に残る選手である。)
①「WBA World Super Bantamweight Title
Ricardo Cardona vs. Leo Randolph」
②「WBA World Super Bantamweight Title
Leo Randolph vs. Sergio Palma」
③「WBA World Super Bantamweight Title
Sergio Palma vs. Ricardo Cardona」
④「WBA World Super Bantamweight Title
Sergio Palma vs. Jorge Lujan」
ホルヘ・ルハン(Jorge Luján)のページ
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