2024年5月1日水曜日

カリー・ノエツ(Kallie Knoetze)②「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

南アフリカのヘビー級。剛腕から繰り出すジャブ、右フックが武器。デントン・ラドック戦、ビル・シャーキー戦、ジョン・テート戦を紹介します。

カリー・ノエツ(Kallie Knoetze)②「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

カリー・ノエツ(南アフリカ)

身長185cm:オーソドックス(右構え)

カリー・ノエツ 3R KO デントン・ラドック

(ヘビー級戦、1978年)

ノエツ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ラドック:左ジャブと右ストレート

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでラドックがダウン

(感想:このところ連続KO勝ちのノエツ。ラドックは英国の黒人で、英国・南部ヘビー級王座(BBBofC Southern Area Heavy Title)を獲得したことがある。しかし、直前の試合でKO負け、王座陥落。南アフリカ・プレトリアでの一戦。ゴング前、両選手がニラみ合い。慎重に距離を取るラドック(フットワーク&ジャブ、ストレートのアウトボクサー)、距離を詰めようとするノエツ。右ストレートで相手を後退させるなど、パワーでノエツ優勢。3R、右ストレートでラドックがダウン、KO。ラドックの丁寧なボクシングも悪くはなかったが、カラダ全体のパワーでノエツが勝利。平均クラスの選手はノエツの敵ではない。その後、ラドックは負けが込んで引退。)


カリー・ノエツ 4R KO ビル・シャーキー

(ヘビー級戦、1979年)

ノエツ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

シャーキー:左ジャブと左右フック

(ダウンシーン)

4R:右フックで2度、シャーキーがダウン

(感想:好調のノエツがアメリカで試合。シャーキーはメリーランド州の小柄な白人(身長180cm)。若くして両親を亡くしたり、ギャングに加入したりといった荒れた過去。ボクサーになり連戦連勝。ただ、マイク・ウィーバーに判定負けするなど実力者には敵わない状況。フロリダ州マイアミビーチでの一戦。ジャブを連打して積極的に前に出るシャーキー。ノエツはジャブ、フックで応戦。動きの速さはシャーキーだが、パンチの重さはノエツ。時折、シャーキーの攻めを持て余しながらもノエツがしっかりしたジャブ、右ストレート、右フックを決める。4R、右フックでシャーキーがダウン。さらに右フック連打で二度目のダウン、カウントアウト。最後はノエツが正確なジャブと強打で勝利。シャーキーはよく頑張ったが、やはり体格的に不利だった。その後、シャーキーはマービン・カメルと空位の北米クルーザー級王座を争って判定負け。ラストファイトはフランク・ブルーノにKO負け。引退後に悲劇。1998年、殺害され、遺体で発見。未解決事件のままである。)


ジョン・テート 8R TKO カリー・ノエツ

(ヘビー級戦、1979年)

ノエツ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

テート:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:世界ヘビー級3位のノエツ。シャーキー戦の次の試合は重要な試合。モハメド・アリが王座を返上。WBAヘビー級王者を決めるエリミネーションマッチに出場。テートはアーカンソー州出身の黒人。アマチュアで優秀な成績(1976年モントリオール・オリンピックで銅メダル)。プロ入り後、これまで全勝。南アフリカ・ムマバトの屋外リングで行われた一戦。テートがモハメド・アリばりのフットワーク&ジャブを使い、右ストレート、ワンツー。左フックの打ち方も良く、キレイなボクシング。ノエツもジャブを出し、実にパワフルな左フック、右ストレート。コンディションが良さそうなノエツ。時折、得意の右フックをヒットさせるが、テートがディフェンスして当てさせないため試合の主導権を握れない。テートが左フックからの右ストレートといったコンビネーションで攻める。次第に勢いを失っていくノエツ。打たれて後退したり、クリンチしたり。8R、ノエツがコーナー付近やロープ際で連打を浴び、レフェリーストップ。テートが正確なパンチ、特に左フックで快勝。ノエツは良いパンチを打っていたが、うまくディフェンスされてしまった。ただ、ダウンしなかったタフネスは見事なものがあった。ノエツはその後、地域王座戦に敗北するなど勝ったり負けたりでキャリア終了。世界王座を獲ることなく引退したが、パンチ力は世界王者に負けないぐらいあった。引退後は映画に出演したり、警官になったり。ちなみにジョン・テート。同じくエリミネーションマッチに出場してレオン・スピンクスを破ったゲリー・コーツィーに判定勝ち、新WBA王者に。しかし、初防衛戦でマイク・ウィーバーにKO負け。薬物、犯罪といったトラブル後、交通事故で死去(1998年、43歳)。ボクサーとして素晴らしい素質を持っていたが、薬物で全て台無し。アメリカの陰の部分を象徴する選手である。)


①「Heavyweight 

Kallie Knoetze vs. Denton Ruddock」

②「Heavyweight 

Kallie Knoetze vs. Bill Sharkey」

③「Heavyweight 

Kallie Knoetze vs. John Tate」


ジョン・テート(John Tate)のページ

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