2023年10月18日水曜日

バイロン・ミッチェル(Byron Mitchell)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界スーパーミドル級王者。右ストレートが武器。フランク・ライルズ戦、ブルーノ・ジラード戦(再戦)、マニー・シアカ戦(初戦)を紹介します。

バイロン・ミッチェル(Byron Mitchell)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

バイロン・ミッチェル(アメリカ)

身長182cm:オースドックス(右構え)

バイロン・ミッチェル 11R KO フランク・ライルズ

(WBA世界スーパーミドル級タイトル戦、1999年)

ミッチェル:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ライルズ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

2R:左フックでライルズがダウン

11R:ワンツー、右ボディ、右フックで3度、ライルズがダウン

(感想:ミッチェルがタイトル獲得。フロリダ州オーランド出身のミッチェル。アマの大会で優勝経験。1996年、ドン・キングと契約してプロ転向。フランス・マルセイユでも試合。これまで19戦全勝(15KO)でWBA1位だが、王座戦はこれが初めて。サウスポーの王者ライルズはニューヨーク出身の黒人サウスポー。スラリとしたボクサータイプ。攻撃の迫力はそれほどないが、相手からすると「やりにくさ」を感じさせるテクニックを持ち、これまで32勝(19KO)1敗1NC。ミッチェル戦は8度目の防衛戦となる。マサチューセッツ州ウィルミントンでの一戦。ミッチェルがジャブ連打で前進。ライルズはジャブ、ストレートでカウンター。パンチと動きのキレはミッチェルの方がある。スピードが無いライルズだが懐が深く、右フックが強い。2R、左フックでライルズがダウン。3Rあたりからミッチェルの左目が腫れてくる。7Rに右ストレートをヒットさせたミッチェルだが、真っ直ぐ攻めるクセがあるため上手く攻められず、カウンターを食う。11R、ワンツー(左ジャブからの右ストレート)でライルズがダウン。さらに二度のダウンを追加してスリーノックダウン、KO。ミッチェルがパワーとパンチのキレで勝利。ただ、ライルズにもっとパワーとスピードがあれば負けていたかも。ライルズはこの試合が事実上のラストファイト。ブランク後、カムバックしたがTKO負けだった(NABOライトヘビー級王座戦)。)


ブルーノ・ジラード 12R 判定 バイロン・ミッチェル

(WBA世界スーパーミドル級タイトル戦、2000年)

ミッチェル:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ジラード:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ジラードがタイトル獲得。ライルズから奪った王座の初防衛戦をアメリカでジラードと行ったミッチェルだが、ドロー。ダイレクト・リマッチがジラードの地元パリで行われることに。ジラードはフランス王座、欧州王座(いずれもスーパーミドル級)を獲得してきた実力者で、残すターゲットは世界王座のみ、といった状況。ゴング。ミッチェルがヘッドスリップしながらジャブで前進。挑戦者ジラードは慎重な堅実派。足を使いながら距離を取って、ジャブ、連打。パワーでプレッシャーをかけていくミッチェル。ジラードは時折連打をヒットさせる。共に良い右ストレートを打つが、接近戦ではパワーのあるミッチェルが有利か。パワーのミッチェル、手数のジラード。判定は3-0。ジラードの連打が評価されたと思われる。ダウンシーンは無し。ミッチェルはもったいない負け方。ちょっとした間が空いた時に手数が少なくなってしまった。ジャブをもっとしつこいぐらい打っておけば勝てたではないか? ジラードはその後、王座を防衛し、WBA世界ライトヘビー級王座も獲得して二冠王になった。)


バイロン・ミッチェル 12R KO マニー・シアカ

(WBA世界スーパーミドル級王座決定戦、2001年)

ミッチェル:左ジャブ、右ストレート、左右フック

シアカ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:右フックでシアカがダウン

9R:右フックでシアカがダウン

12R:左フックでシアカがダウン

(感想:ミッチェルがタイトル奪回。「イベンダー・ホリフィールド vs. ジョン・ルイス」のWBA世界ヘビー級タイトル戦のアンダーカードとしてラスベガスで行われた試合。世界戦だというのにリングサイドはガラガラ。メインイベントしか興味を持たないベガスのファンは「本物のボクシングファン」とは言い難いが、そういう人ほどカネを持っている上客であるため、仕方がないところ。シアカ(プエルトリコ)はジラードが保持していたときにこの王座に挑戦して2-1の判定負け。ジラードが王座を剥奪されたため、この決定戦が行われることになった。シアカはかつてWBA世界ウェルター級王者だったクリサント・エスパニャに似たタイプで、動きは速くないがガードを上げ、ジャブ、左右フックを連打する。1R、右フックでシアカがダウンしたが、レフェリーはこれをダウン扱いせず(角度的に見えなかったのかも)。パワーで前進するミッチェル。シアカの連打も悪くない。接近戦では共にフック連打、ボディ打ち。9R、右フックでシアカがダウン。そしてこのラウンド終了直後のシアカのパンチで両者エキサイト。時々サウスポーにスイッチするシアカだが、あまり効果はなさそう。12R、左フックでシアカがダウン。立てず、KO。シアカはよく手数を出したが、パワーとパンチのキレでミッチェルが上回った。なかなかいい選手だったシアカ。後にこの王座を獲得。勝利したミッチェルはIBF王者スベン・オットケと王座統一戦を行い、判定負け。その後、WBO王座戦、地域王座戦といった重要な試合を落とすことが多くなり、世界王座に返り咲くことなく引退。パンチはあるが、やや真っ正直な戦闘スタイルだった。)

①「WBA World Super Middleweight Title 

Frankie Liles vs. Byron Mitchell」

②「WBA World Super Middleweight Title 

Byron Mitchell vs. Bruno Girard」

③「vacant WBA World Super Middleweight Title 

Byron Mitchell vs. Manny Siaca」

フランク・ライルズ(Frank Liles) 

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