WBO世界スーパーフライ級王者。左が器用なテクニシャン。ワンディー・シンワンチャー戦、ホセ・ロペス戦、アレハンドロ・エルナンデス戦ほかを紹介します。
マービン・ソンソナ(フィリピン)
身長170cm:サウスポー
①マービン・ソンソナ 5R TKO ジェローム・ブントグ
(フライ級戦、2008年)
ソンソナ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ブントグ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:ワンツーでブントグがダウン
5R:右フックでブントグがダウン
(感想:フィリピンのヘネラル・サントス出身のソンソナはアマチュアで実績があったサウスポー。プロ入り後はこれまで4連勝(3KO)。ブントグはフィリピン・セブ出身で、4勝(1KO)5敗。ジョンリル・カシメロには3RでKOされている。フィリピン・セブシティでの一戦。身長差がある二人。共にサウスポー。小柄なブントグはなかなかパワフルな男で、ワンツー、右フックにパワーを込める。ソンソナはディフェンスしながらワンツー、ボディ打ちなど。ワンツーでブントグが早くもダウン。その後、両者は接近戦で力強いパンチの応酬。しかしながら、体格差が。5R、左ボディ(ローブロー気味)からの右フックでブントグがダウン。レフェリーはそのまま試合を止めた。ソンソナがワンツーを中心とした攻撃で勝利。パンチにキレを欠くシーンもあったが、次第にスピードアップした(ややスロースターター?)。ブントグは戦績の割にはパワーがあり、バランスも悪くなかったが、やや打たれ弱いところが。そのせいか、その後は負けが増えていった。)
②マービン・ソンソナ 2R KO ワンディー・シンワンチャー
(WBOオリエンタル・フライ級王座決定戦、2009年)
ソンソナ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ワンディー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:左フックでワンディーがダウン
(感想:ソンソナがタイトル獲得。ブントグ戦後、WBOのユース王座(フライ級)を獲得したソンソナ。未だ全勝。タイのワンディーは元WBC世界ミニマム級王者(ロッキー・リンを判定で下してWBC暫定王座獲得、正規王者に昇格)。王座陥落後、WBC世界ライトフライ級暫定王座獲得。その王座は計量失敗で剥奪されてしまったが、WBCアジア王座(フライ級)獲得。直前の試合は日本で亀田大毅にKO負け。セブシティでの一戦。ジャブを使いながら左ストレート、左フックのソンソナ。共にガードを上げて、左右の構えの違いはあるがストレートを当てようとする。左の打ち方が巧いソンソナ。2R、左フックがカウンター気味に入ってワンディーがダウン、KO。ワンディーはきびきびした動きで気合いが入った戦いぶりだったが、ソンソナの狙い澄ました左で失神。フィリピンにはパンチを振り回す選手が多いが、この試合でのソンソナは器用なストレートパンチャーだった。そんなソンソナの次の試合は初の世界戦。ワンディーはその後、地域王座を獲得したり、来日して敗北したり。通算戦績67勝(18KO)17敗1分。)
③マービン・ソンソナ 12R 判定 ホセ・ロペス
(WBO世界スーパーフライ級タイトル戦、2009年)
ソンソナ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:左フックでロペスがダウン
(感想:ソンソナがタイトル獲得。ソンソナはこれまで13戦全勝(12KO)。王者ロペス(プエルトリコ)は39勝(32KO)7敗。WBAやWBCの地域王座を獲得・防衛しながら数度の世界戦を経験したが、世界王座を獲り損ねてきた過去。決定戦でようやく王座を獲得し、これが初防衛戦。カナダ・ラマでの一戦。なかなかのパワーファイターのロペス。右を強く当てようと攻める。ソンソナは距離を取ってジャブ、左ストレート。2R、ソンソナの右フックがヒット。4R、左フックでロペスがダウン。その後、ロペスは力強く前に出るが、ソンソナはディフェンス&左ストレート。最終ラウンド終了時、共に両手を上げて勝利をアピール。判定は3-0。ソンソナはいいパンチを打っていたが、受け身の姿勢になるシーンが多かった。自分から先手を取るような形で攻めて欲しかったところ。ロペスは一発のパワーでは相手を上回りながらも力みすぎて攻撃をかわされてしまって敗北。その後、三連敗してキャリアを終えた。)
④マービン・ソンソナ 12R 引分 アレハンドロ・エルナンデス
(WBO世界スーパーフライ級王座決定戦、2009年)
ソンソナ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
エルナンデス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ソンソナが計量失格で王座剥奪。初防衛戦が「王座決定戦」に変更。エルナンデス(メキシコ)はこれまで22勝(11KO)7敗1分。オマール・ナルバエス(アルゼンチン)のWBO世界フライ級王座に挑戦して判定負けしたことがある。カナダ・ラマでの一戦(ソンソナが前回と同じ町で試合。オプションの関係か?)。ソンソナが攻めの姿勢。右のガードを下げた状態から左ストレートからの右フック(山中慎介のような動き)。エルナンデスは地味な選手。ガードを上げ、接近してショートパンチ。やや受け身のスタイルで攻撃と防御が分離。サウスポーにスイッチしたりするが、それが特別効果があるようには見えない。連打するソンソナ、応戦するエルナンデス。12R終了。判定はドロー(ダウンシーンは無し)。離れた距離ではソンソナ、接近戦での細かい打ち合いは微妙な感じだったように見えた。世界戦にしては地味な雰囲気の試合だった。その後の二人。ソンソナは階級を上げてウィルフレド・バスケス・ジュニアとWBO世界スーパーバンタム級王座を争ったがKO負けして二階級制覇ならず。世界王者に返り咲くことはなかった。エルナンデスはWBO世界バンタム級暫定王座を獲得。亀田和毅との対戦で日本でも話題になった。)
①「Flyweight
Marvin Sonsona vs. Jerome Bontog」
②「vacant WBO Oriental Flyweight Title
Marvin Sonsona vs. Wandee Singwancha」
③「WBO World Super Flyweight Title
Jose Lopez vs. Marvin Sonsona」
④「vacant WBO World Super Flyweight Title
Marvin Sonsona vs. Alejandro Hernandez」
ウィルフレド・バスケス・ジュニア(Wilfredo Vázquez Jr)のページ
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