WBO世界バンタム級王者。シャープなパンチが武器。アルマンド・ディアス戦、ドリュー・ドチェティー戦、ダニエル・ヒメネス戦ほかを紹介します。
アルフレッド・コティ(ガーナ)
身長165cm:オーソドックス(右構え)
①アルフレッド・コティ 10R 判定 アルマンド・ディアス
(フライ級戦、1992年)
コティ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ディアス:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:コティはガーナのアクラ出身(アズマー・ネルソンと同じ)。ニックネームは「Cobra(コブラ)」(ドナルド・カリーと同じ。鋭いパンチを打つ選手に付けられることが多い)。1988年ソウルオリンピックではフライ級で出場(メダル獲得ならず)。プロ転向。これまで14戦全勝(12KO)。スリムな体から繰り出す速いジャブ、右ストレートが武器。サウスポーのディアス(メキシコ)は20勝(7KO)11敗。負けは多いが、実力者のホセ・ルイス・セペダに勝利したこともある。フィラデルフィアでの一戦。ジャブと足を使いながら接近して左右フックを連打するディアス。5R、コティが力強い連打を見せる。8R、頭をぶつけられたコティが右フックで仕返し。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。しつこくタフなディアスを倒せなかったコティ。KO率は高いが、一発で倒すようなハードパンチャーではなく、カルビン・グローブのようなシャープな連打が武器。その後のディアス。多くの敗北。しかし、対戦相手はなかなか豪華。エリック・グリフィン、マーク・ジョンソン、ウンベルト・ゴンザレス、ダニー・ロメロ、マイケル・カルバハルら。)
②アルフレッド・コティ 4R KO ドリュー・ドチェティー
(WBO世界バンタム級タイトル戦、1995年)
コティ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ドチェティー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:右ストレートでドチェティーがダウン
4R:右ストレートでドチェティーがダウン
(感想:コティがタイトル防衛。ディアス戦後、フリオ・セサール・ボルボアにまさかの判定負けのコティ。強打者ラファエル・デル・バレを判定で下してWBO世界バンタム級王者に。フライ級時代と比べると顔がふっくらした感じになった。ドチェティーは英国の選手。英国バンタム級タイトルを獲得しているが、ビンセンツォ・ベルカストロに敗れ、欧州バンタム級タイトルは獲得できず。スコットランド・カンバーノールドでの一戦。共にジャブ。ドチェティーが右ストレート、左フックを使う。ただ、パンチの伸び、速さはコティ。左右フックでボディ打ち、右アッパー。3R、クロス気味の右ストレートでドチェティーがダウン。4Rにもダウン。ドチェティーのセコンドがリングインして終了。パワーアップしたコティが圧勝。フライ級のときとはまた違った魅力が。ドチェティーは悪い選手ではなかったが、全てが「普通」。世界を獲るには何か「特別なもの」が必要。その後、ドチェティーは再びこの王座に挑戦して判定負け。地域王座戦を中心に試合をした。)
③ダニエル・ヒメネス 12R 判定 アルフレッド・コティ
(WBO世界バンタム級タイトル戦、1995年)
コティ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ヒメネス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:左ボディフックでヒメネスがダウン
(感想:ヒメネスが二階級制覇。コティの三度目の防衛戦。相手は元WBO世界J・フェザー級王者のヒメネス(プエルトリコ)。これまで19勝(10KO)4敗1分1NC。階級を下げて挑戦。ロンドンのベスナル・グリーンでの一戦。ヒメネスがガードを固め、慎重にジャブ、ワンツー、左ボディ打ち。コティはパワーを込めてジャブ、フック。3R、左ボディでヒメネスがダウン。その後、ヒメネスは連打してブロック、コティはパワーで前進。10R、よそ見して左フックを打たれるコティ。判定は僅差の3-0。ヒメネスの手数が評価されたか。ヒメネスの打ち方は倒しに行くのではなく、ただパンチを当てる、というもの。「連打してブロック」のパターンで勝利。コティはやや狙いすぎだったか。良いパンチを打っていたがディフェンスされてしまった。その後のヒメネス。初防衛に成功したが、二度目の防衛に失敗。王座返り咲きを狙ってホルヘ・エリエセール・フリオの王座に挑戦したが、TKO負け。以後は勝ったり負けたりだった。)
④アセリノ・フレイタス 10R 判定 アルフレッド・コティ
(ライト級戦、2001年)
コティ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
フレイタス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ヒメネス戦後、階級を上げていくコティ。地域王座戦に勝ったり負けたりで苦戦中で、これまで24勝(15KO)7敗1分、33歳。そんな状況でWBO世界スーパーフェザー級王者アセリノ・フレイタスとノンタイトル戦。フレイタス(26歳)はブラジル・サルヴァドール出身。アマチュアで活躍したが、オリンピックではメダル獲得ならず(1992年、バルセロナ。フライ級)。プロではこれまで29戦全勝(29KO)。地域王座を獲得後、アナトリー・アレクサンドルフを1RでKOしてWBO王者に。王座を快調に連続防衛中。そのパワーから「ブラジリアン・ボンバー」とも呼ばれる男。元々フライ級だったコティはそんな相手にどんな試合を見せるか? フロリダ州マイアミでの一戦(会場ではフレイタスの妻エリアナさんが観戦)。フライ級時代とはまるで別人のようになったコティ。ただ、フレイタスは身長168cmでそれほど大きくないため、体格差はあまり感じられない。フレイタスが開始から攻めの姿勢。ジャブ連打、コンビネーション(左ジャブからの右ストレート、右ストレートからの左フック、左フックからの右ストレート)。左フックが巧く、左ボディ打ちにはパワー。コティは意外に動きが良い。相手の攻撃を器用にかわし、左のガードを下げた構えから左ジャブ、カウンター。5Rには右フックからの左ジャブを披露。ただ、相手の勢いに押され、自分から攻めて試合の流れを作ることができない。7R、フレイタスの右ストレートでコティが後退。10R、KOを狙って最後まで攻めるフレイタスが連打、ボディ打ち。コティはガードしながら細かいパンチを入れる。10R終了。判定はフルマークの3-0(ダウンシーンは無し)。初めて最終ラウンド終了のゴングを聞いたフレイタス。最後まで攻めたが、倒せず(良い経験になったのでは?)。ただ、笑顔で判定勝利を喜んでいた(明るい性格)。コティはディフェンスのテクニックはあったが、フレイタスを倒せるようなパワーはなかった。その後の二人。フレイタスはWBA王者ホエール・カサマヨールとの統一戦に判定勝ちで王座統一。WBO世界ライト級王座も獲得できた。コティはさらに敗戦が増えていった。若くして脳卒中で亡くなった(2020年、52歳)のはそれが原因なのだろうか?)
①「Flyweight
Alfred Kotey vs. Armando Diaz」
②「WBO World Bantamweight Title
Alfred Kotey vs. Drew Docherty」
③「WBO World Bantamweight Title
Alfred Kotey vs. Daniel Jimenez」
④「Lightweight
Alfred Kotey vs. Acelino Freitas」
フリオ・セサール・ボルボア(Julio Cesar Borboa)のページ
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