欧州J・ミドル級王者。パワフルなフック連打が武器。マイク・マッカラム戦、バスター・ドレイトン戦、ジャン・クロード・フォンタナ戦を紹介します。
サイド・スクマ(フランス)
身長175cm:オースドックス(右構え)
①マイク・マッカラム 9R KO サイド・スクマ
(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1986年)
スクマ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
マッカラム:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
9R:右フックでスクマがダウン
(感想:マッカラムがタイトル防衛。スクマはモロッコのカサブランカ出身の黒人選手。国籍はフランス。パワーを込めたフックが武器で、マービン・ハグラーと戦ったジョン・ムガビ風の試合ぶり。フランス王座、欧州王座(いずれもJ・ミドル級)を獲得しており、これが初の世界挑戦。王者マッカラムは「ボディスナッチャー」。芸術的な左ボディ打ちで有名。パリで行われた一戦。スクマがガードを上げてジャブ、右ストレート、フック。マッカラムは左を器用に使う。共にパンチにスピードとパワーがあるが、伸びと当てる器用さはマッカラム。3R、パワフルに攻めたスクマだが、5Rにマッカラムが反撃。マッカラムのリズミカルな攻め、パンチの正確さ、左ボディ攻撃でスクマは追い込まれていく。9R、右フックでスクマがダウン。立てず、KO。スクマが完敗。しかしながら、スクマが弱かった、というより、マッカラムが強すぎた、というのが正確なところ。ムガビがハグラーにやられてしまったように、スクマもやられてしまった。)
②バスター・ドレイトン 10R TKO サイド・スクマ
(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1987年)
スクマ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ドレイトン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
10R:フック連打でスクマがダウン
(感想:ドレイトンがタイトル防衛。スクマがフランスで二度目の世界挑戦(スクマの試合はほとんどフランスで行われた)。王者ドレイトンは豪快にパンチを振るうタイプで、これが二度目の防衛戦。左のガードを下げてジャブを打つドレイトン。振りの大きいフック。マッカラム戦を研究したのか右フックを狙う。スクマは右フックをマトモに食らって足に来るなど、打たれて受け身の姿勢に。接近戦。ドレイトンはサウスポーにスイッチするが、あまり意味がなさそう。10R、フック連打でスクマがダウン。立ったが、連打を浴びる。スクマのセコンドが棄権を申し入れようとリングに入ろうとしてコケる。試合終了。やはりボクサーは一度痛烈なKO負けを喫すると弱くなってしまうようだ。肉体的に弱くなってしまうのか、精神的に弱くなってしまうのか、あるいはその両方か。ドレイトンの振りの大きいボクシングは隙も大きく、スクマにも勝つチャンスがありそうな感じもあったが。)
③サイド・スクマ 2R TKO ジャン・クロード・フォンタナ
(欧州J・ミドル級王座決定戦、1991年)
スクマ:左ジャブと右ストレート
フォンタナ:左ジャブと左右フック
(感想:スクマがタイトル獲得。フランスでの一戦。ファイタータイプのフォンタナ(フランス)。デビュー戦には敗れたが、その後は連勝。フランス王座(J・ミドル級)を獲得している。不器用ながら思い切ったフックを叩きつけていくフォンタナ。やや体が重たそうなスクマはジャブで応戦。2R、ロープ際に追い込まれたスクマがヘッドバットをフォンタナに食らわす。顔を押さえて痛がるフォンタナになぜかカウントを取るレフェリー。TKO。どうやらレフェリーはフォンタナの態度を「戦意喪失」と見なした様子。ワケがわからない終わり方。ダウンシーンは無し。スクマはジョン・ムガビに似ている。戦い方、世界戦での敗北、意味不明な勝利。良い選手でも勢いに乗っているときに王者になれないと、グダグダなキャリアになってしまうというパターン。フォンタナ戦の次の試合に敗れ、結局、世界を獲得することはできなかった。)
①「WBA World Super Welterweight Title
Mike McCallum vs. Said Skouma」
②「IBF World Super Welterweight Title
Buster Drayton vs. Said Skouma」
③「vacant EBU Super Welterweight Title
Jean Claude Fontana vs. Said Skouma」
マイク・マッカラム(Mike McCallum)のページ
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バスター・ドレイトン(Buster Drayton)のページ
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