2023年1月27日金曜日

サイド・スクマ(Said Skouma)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

欧州J・ミドル級王者。マイク・マッカラム戦、バスター・ドレイトン戦、ジャン・クロード・フォンタナ戦ほかを紹介します。

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サイド・スクマ(フランス)

身長175cm:オーソドックス(右構え)


マイク・マッカラム 9R KO サイド・スクマ

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1986年)

スクマ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

マッカラム:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

9R:右フックでスクマがダウン

(感想:マッカラムがタイトル防衛。スクマはモロッコのカサブランカ出身の黒人選手。国籍はフランス。パワーを込めたフックが武器で、ジョン・ムガビ(マービン・ハグラーとの対戦で有名なKOマシーン)に似たタイプ。フランス王座、欧州王座(いずれもJ・ミドル級)を獲得しており、これが初の世界挑戦。王者マッカラムは「ボディスナッチャー」。芸術的な左ボディ打ちで有名。パリで行われた一戦。スクマがガードを上げてジャブ、右ストレート、フック。マッカラムは左を器用に使う。共にパンチにスピードとパワーがあるが、伸びと当てる器用さはマッカラム。3R、パワフルに攻めたスクマだが、5Rにマッカラムが反撃。マッカラムのリズミカルな攻め、パンチの正確さ、左ボディ攻撃でスクマは追い込まれていく。9R、右フックでスクマがダウン。立てず、KO。スクマが完敗。しかしながら、スクマが弱かった、というより、マッカラムが強すぎた、というのが正確なところ。ムガビがハグラーにやられてしまったように、スクマもやられてしまった。マッカラムはその後、ミドル級、ライトヘビー級も制して三階級制覇。)


バスター・ドレイトン 10R TKO サイド・スクマ

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1987年)

スクマ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ドレイトン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

10R:フック連打でスクマがダウン

(感想:ドレイトンがタイトル防衛。スクマがフランスで二度目の世界挑戦(スクマの試合はほとんどフランスで行われた)。王者ドレイトンは豪快にパンチを振るうタイプで、これが二度目の防衛戦。左のガードを下げてジャブを打つドレイトン。振りの大きいフック。マッカラム戦を研究したのか、右フックを狙う。スクマはその右フックをマトモに食らって足に来るなど、打たれて受け身の姿勢に。接近戦。ドレイトンはサウスポーにスイッチするが、あまり意味がなさそう。10R、フック連打でスクマがダウン。立ったが、連打を浴びる。スクマのセコンドが棄権を申し入れようとリングに入ろうとしてコケる。試合終了。やはりボクサーは一度痛烈なKO負けを喫すると弱くなってしまうようだ。肉体的に弱くなってしまうのか、精神的に弱くなってしまうのか、あるいはその両方か。ドレイトンの振りの大きいボクシングは隙も大きく、スクマにも勝つチャンスがありそうな感じもあったが・・・。その後のドレイトン。次の防衛戦でマシュー・ヒルトンに敗北。ジュリアン・ジャクソン、テリー・ノリスにも敗北。以後は中堅相手の試合が続いた。)


サイド・スクマ 2R TKO スティーブ・マヨ

(J・ミドル級戦、1990年)

スクマ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

マヨ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:右フックで2度、マヨがダウン

2R:右アッパーでマヨがダウン

(感想:ドレイトン戦後、連勝だったスクマだが、後のWBO世界ウェルター級王者マニングギャロウェイに2-0で敗北。そこからまた連勝。マヨはオクラホマの黒人で、勝ったり負けたり。フランス・モンペリエでの一戦。1R開始から実に積極的なマヨ(アフロヘアー)。ガード低めの構えで前傾姿勢。接近して左右フック攻撃。しかし、真っ直ぐ攻めるクセがあり、ディフェンスに甘さ。スクマはディフェンスしながらジャブを出していたが、一気に攻撃。右アッパー、左フックからの右フックでマヨがダウン。立ったが、右フックで二度目。2R。1Rはゴングに救われたマヨだが、右アッパーでダウン。今度も立ったが、レフェリーストップ。スクマが楽勝。ガードの甘い相手にパワフルな攻撃。特に右アッパーに迫力があった。マヨは気合いを入れた試合ぶりで最初は良かったが、結果は惨敗。その後、中堅相手に多くの敗北。)


サイド・スクマ 2R TKO ジャン・クロード・フォンタナ

(欧州J・ミドル級王座決定戦、1991年)

スクマ:左ジャブと右ストレート

フォンタナ:左ジャブと左右フック

(感想:スクマがタイトル獲得。マヨ戦の次の試合。ファイタータイプのフォンタナ(フランス)。デビュー戦には敗れたが、その後は連勝。フランス王座(J・ミドル級)を獲得している。フランス・ブリアックでの一戦。不器用ながら思い切ったフックを叩きつけていくフォンタナ。やや体が重たそうなスクマはジャブで応戦。2R、ロープ際に追い込まれたスクマがヘッドバットをフォンタナに食らわす。顔を押さえて痛がるフォンタナになぜかカウントを取るレフェリー。TKO。どうやらレフェリーはフォンタナの態度を「戦意喪失」と見なした様子(ダウンシーンは無し)。ワケがわからない終わり方でスクマが勝利。スクマはジョン・ムガビに共通点が多い。戦い方、世界戦での敗北、意味不明な勝利。良い選手でも勢いに乗っているときに王者になれないと、グダグダなキャリアになってしまうというパターン。今回は勝たせてもらえたが、フォンタナ戦の次の試合に敗北。結局、世界を獲得することはできなかった。フォンタナは後、この欧州J・ミドル級王座を獲得。防衛にも成功したが、後の世界王者ローラン・ブードゥアニにKOされて王座陥落、引退。)


①「WBA World Super Welterweight Title 

Mike McCallum vs. Said Skouma」

②「IBF World Super Welterweight Title 

Buster Drayton vs. Said Skouma」

③「Super Welterweight 

Said Skouma vs. Steve Mayo」

④「vacant EBU Super Welterweight Title 

Jean Claude Fontana vs. Said Skouma」


マイク・マッカラム(Mike McCallum)のページ

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バスター・ドレイトン(Buster Drayton)のページ

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