フィリピン出身。ストロー級の実力者。世界戦のサムット・シスナルポン戦、リカルド・ロペス戦、ジェイク・マトララ戦を紹介します。
プリティボーイ・ルーカス(フィリピン)
身長165cm:オースドックス(右構え)
①サムット・シスナルポン 11R TKO プリティボーイ・ルーカス
(IBF世界ストロー級王座決定戦、1988年)
ルーカス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
サムット:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:サムットがタイトル獲得。「プリティボーイ」と呼ばれたルーカス。本名は「Santiago Domingo Lucas」。デビュー以来、無敗。フィリピン王座(ストロー級)を獲得。ただ、これまでの試合は全て地元。タイのサムットは勝ったり負けたりの選手だったが、来日して新設の東洋太平洋ストロー級王座を獲得。ここ最近は連勝中。バンコクでの一戦(タイで初めて行われたIBF戦でもある)。ルーカスがガードを上げ、上半身を忙しく動かしてディフェンス。そしてジャブ、右ストレート。サウスポーのサムットはジャブを使いながら左ストレートを狙う。1Rにルーカスの右ストレートがヒットしたが、接近戦では互いにディフェンス(パンチが当たっているのか、そうでないのかよくわからない打ち合い)。11R、ルーカスの右まぶたのキズが悪化してTKO(このキズがパンチによるものだったのか、バッティングによるものだったのかは不明)。パンチを当てる巧さはややルーカスの方が上だったような気がする。地元での王座決定戦でベルトを獲ったサムット。「タイの井岡弘樹」といったところ。ダウンシーンは無し。)
②リカルド・ロペス 12R 判定 プリティボーイ・ルーカス
(WBC世界ストロー級タイトル戦、1992年)
ルーカス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ロペスがタイトル防衛。サムット戦後、連勝だったルーカスはファーラン・ルークミンクワンのIBF世界ストロー級王座に挑戦したが、引き分け。そしてこの三度目の世界挑戦。WBC7位であるが、直前の試合ではマニー・メルチョル(フィリピン。後、ファーランを破ってIBF王座獲得)に2-1で敗れている。王者ロペス(メキシコ)は日本でも有名。これまで全勝。これが三度目の防衛戦。メキシコで行われた試合。共にガードを上げてジャブ、右ストレート。ただし、パンチの伸び、踏み込みの速さ、左の多彩さではロペスの方が上。ロペスの右ストレート、左フックがヒット。6R、ルーカスが左フックでダウン寸前に。ルーカスも右ストレートを使うがディフェンスされてしまう。判定は大差の3-0。力量差があった試合。ただし、ダウンシーンは無し。ロペスにはKOを狙って攻めて欲しかったところ。)
③ジェイク・マトララ 12R 判定 プリティボーイ・ルーカス
(WBO世界フライ級タイトル戦、1994年)
ルーカス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
マトララ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:マトララがタイトル防衛。これまで34勝(10KO)5敗2分のルーカス。四度目の世界挑戦。王者マトララ(南アフリカ)は「小型ハグラー」。一発のパワーはそれほどでもないが、実にタフなスキンヘッド男。40勝(20KO)10敗1分。南アフリカ・サンシティで行われた試合。共にジャブ。マトララは接近して左右フック、連打。ルーカスは距離を取ってワンツー、左ボディ。最終ラウンド終了時には共に両手を上げて勝利をアピール。判定は3-0。マトララの攻める姿勢、接近戦でのフックが評価されたか。ダウンシーンは無し。ルーカスは悪い選手ではないが、「10KO」が示す通りパワーに欠けるところがあった。世界挑戦は全て敵地。パワー不足では勝てない。ただし、ロペス戦でもダウンしなかったように、タフさはあった。世界は獲れなかったが、当時の名のある選手と多くの試合をこなした「記憶に残る選手」である。)
①「vacant IBF World Minimumweight Title
Samuth Sithnaruepol vs. Pretty Boy Lucas」
②「WBC World Minimumweight Title
Ricardo Lopez vs. Pretty Boy Lucas」
③「WBO World Flyweight Title
Jacob Matlala vs. Pretty Boy Lucas」
リカルド・ロペス(Ricardo López)のページ
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ジェイク・マトララ(Jacob Matlala)のページ
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